気がつくと母が先に起きていた。昨日そのままにしていた洗い物をしてくれているようだ。机に散らばっていた缶なども片付けられていた。父はまだ寝てる。
「あ…お母さんごめん」
「あんたたちいつまで飲んでたの?どうせあんたも飲んだんでしょ」
「あはは…ばれた?」
ばれたのがそれだけなら全然構わない。
「お母さんはよく寝てたね。一回も…起きなかったの?」
おそるおそる聞いてみる。
「そうねぇ。おかげで早く目が覚めちゃったわ。お父さんはまだしばらく寝てそうね…まったくもう」
とりあえず昨日のことは気付いていないようで安心した。
二人は14時過ぎの飛行機で帰ることになっている。空港までかかる時間を考えても、お昼頃うちを出ればいい計算だ。
母への後ろめたさから、その場にいるのが辛くなって、「朝ごはん買ってくるね」とコンビニまで走った。
雑誌を立ち読みして時間をつぶし、適当にパンやおにぎりを買って戻ると、もう父も起きていた。目があって一瞬気まずそうな顔を浮かべたものの、すぐに普通に話しかけてくる。
「いやあ、飲んだな昨日は」
「ホントだよぉ。二日酔いなんじゃない?」
「まあ少しな。何買ってきたんだ?」
「ああうん、これと…これと…」
「お母さんお腹すいちゃった。あんたなかなか戻ってこないんだもん」
「ごめんごめん、雑誌の新刊出ててさっ」
日曜の朝のバラエティ番組を見ながら、買ってきたものを食べる。意外と普通に会話もできた。
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