「出かけたの?」
喜美子の後から、俊夫が声をかけた。
「ええ、行ったわ。」
喜美子の言葉が終わらない内に、俊夫が喜美子の身体を背後から抱きしめ
た。
「だ~め~。」
「如何して?」
「如何しても・・、何で休むなんて言ったの? そんな事ひと言も言ってな
かったのに。」
喜美子が俊夫の腕の中で、身体をくねらせる様にして尋ねた。
「そんな事決まっているだろう?」
「もう、俊夫ったら・・。ダメ・・そんな事ばかりしていちゃ。」
俊夫の手が喜美子の乳房を、服の上から揉み始める。
「ダメだって言っているのに・・俊夫。さっきまでしていたのに・・。」
喜美子の声が弱くなった。
Tシャツを捲りあげ、その下のブラジャーを押しのけると、乳房を掻きだし
た。
指先で、そのグミの様に膨らんだ乳首を掴む。
「ダメ・・お母さん変になっちゃうわ・・。」
「変になってもいいよ・・僕が世話してあげるから・・。」
「俊夫・・、そんなに私としたいの?」
喜美子は、彼女の身体を弄る俊夫に訊く。
「ああ、ずっとしていたい・・。」
「判ったわ。私、夕べ一晩だけ、彼方のものになってあげるつもりだったの
よ。
でも、彼方が望むなら・・、もう一度だけ俊夫のものになってあげる。」
喜美子はそう言いながらも、本当のところ、自分自身が息子を求めているの
だと感じていた。
「これから直ぐ、彼方の処に行きましょう? 」
「僕の処に?」
「ええ、その方がお互いユックリ出来ると思うの、だから、そうさせて?」
俊夫にそれを断る理由は無い。
「ねえ、夕べ着ていたアレ・・持って行ってくれる?」
俊夫は、昨夜の喜美子のあの艶めかしいスタイルが脳裏に焼き付いていた。
「いいわよ、気にいってくれたのね。」
二人は急ぎ仕度をすると、追われる様にして家を出ると、俊夫のアパートに
向かった。
喜美子は、俊夫とこうして一緒に出歩くのは、本当に久しぶりだった。
しかし、喜美子の脳裏には少しだけ後ろめたい思いもあった。
それは、これから自分達が行なおうとしている事を考えたからだ。
セックスそれ自体は決して後ろめたいものではないが、それは相手次第だ。
恋人や、配偶者相手なら至極当然な行為であるが、喜美子の相手はそのどち
らにも属さない。
むしろ、不倫相手に入るのかもしれない。いやそれ以下の存在かもしれな
い。
時折、俊夫が喜美子の方に顔を向けると、何故だか喜美子は気恥かしさを感
じる。
歩いている人々が皆、自分達の関係を知っている様な錯覚に陥る。
母親の喜美子とその息子が、息子の部屋に出向きオ○ンコをする・・。
その事を皆知っていて、喜美子を見ている様に思えたからだ。
喜美子は、今ここにいるのは俊夫の母親と言う自分では無く、完全に一人の
女だと言う事を思い知らされていた。
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