だが、俺は完全に固まってしまっていた。
それでも、アリスは一向に止める気配を見せない。その間もズリズリと背中に、じっとりと快感が拡がっていく。
「ぅくぅ~・・・・・・どう? 気持ちいい?」
「え、え~と、その・・・・・・」
「どうしたの?」
「~~~~!!」
心臓の鼓動が止まらない。身体がどんどん熱くなって、汗が止まらない。
(なんで・・・・・・なんでこんなにドキドキするんだ? 風呂なんて、今まで何度も・・・・・・)
疑問が浮かんでは消えて、パニック状態に陥ってきた。
「ユウ・・・・・・どう、かな?」
「え・・・・・・?」
不意にアリスに聞かれ、俺は顔をあげる。右肩にアリスは顎を乗せていて、振り向くことは出来なかったが。
「伝わってる・・・・・・?」
その一言でアリスが言わんとすることが理解できた。
「うん、伝わってる・・・・・・ちょっと過激だけどね?」
「ご、ゴメン・・・・・・」
アリスはいつの間にか擦りつけるのを止めて、俺に抱き着いていた。
「ちょっとやり過ぎちゃったか?」
「だって・・・・・・ユウのことだから、いつの間にか、前の状態に戻っちゃうんじゃないかって不安になって・・・・・・」
アリスは俺に巻き付けた腕に力を込めて、キュッと抱き着いてくる。少しだけ、その手が震えている気がした。
俺はその震える手の平に自分の手を重ねる。
「大丈夫だよ・・・・・・俺はずっと一緒にいるから」
「ホントに・・・・・・?」
まだ不安そうな声でアリスは俺に問う。
俺は身体に巻き付く腕を解き、アリスと正面を向いた。
「ホントだよ。それにまたお前が気付かせてくれるだろ?」
「バカ・・・・・・」
俺とアリスはキスをした。
その唇は少しだけ冷たくって、でもとても温かだった。
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