「うん・・・・・・さっきから、ずっとそんな気持ち。胸が熱くて、くすぐったくて・・・・・・お前が頭から離れなくて」
「よかった・・・・・・」
アリスは頬をゆるめてニッコリと笑う。そのまま、身体を俺に重ねるように倒れ込む。
「ユウも、こんな気持ちになってほしかったから・・・・・・愛されてるって事を知ってほしかったの。アタシは、いつもユウに、こんな風に愛して貰ってるんだよって・・・・・・それと同じくらい、アタシもユウのこと愛してるよって・・・・・・」
双子だからなのだろうか。
おそらく今 俺が感じているこの気持ちは、アリスが感じていた気持ちと同じだと思う。
根拠は微塵も無い。
でも、確信できる。
「・・・・・・ありがとうな」
自然とその言葉が出て来た。
「ゴメン」ではなく、「ありがとう」という言葉が先に出て来た。
「こんなに俺の事、想っててくれて・・・・・・ホントに、ありがとうな」
「・・・・・・やっと、聞けた」
アリスはやれやれと言いたそうな顔をして、俺を見つめる。
「やっと、ゴメン以外の言葉を聞けたよ・・・・・・」
「それこそ、ゴメンな。気付くのが遅くって」
俺は身体を起こして、アリスを抱きしめる。
「・・・・・・こんなニブい俺でも、お前はずっと一緒にいてくれるか?」
「・・・・・・いるに決まってるじゃない、バカ!」
俺達はお互いに抱き合って、ベッドに倒れ込んだ。
この日は久し振りに、心安らかに眠ることができた。
アリスが感じていた【想い】。
俺が感じていた【想い】。
二つの想いが、ようやく一つに溶けはじめた。
そんな気がした。
目が覚めると、もう朝だった。いつもよりちょっと寝坊してしまった。
朝日が部屋に差し込んできていて、俺はカーテンを開いた。
真っ青な空と、オレンジ色の朝日が溶けたような景色が飛び込んできた。
「・・・・・・今日はいい日になりそうだ」
俺は自然とそう言っていた。
アリスの寝息が、耳に妙に心地よかった。
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