義父との行為の有無を問いただし、自分を見つめ続ける父に耐えきれなかっただけでなく、
父は肯定の返事しか望んでいないように優子は感じた。本当に義父との行為が無く、否定
したとしても父は逆に不機嫌になるような気がした。さっきのような悪い雰囲気になるのは
嫌だった。案の定父親は優子の話を聞いても、機嫌を損ねるどころか、柔らかい笑みすら
見せている。優子は安堵した。
優子は義父と肉体関係をもっている。ひとみが産まれた後からだが。優子が言ったように、
母乳を出やすくするため義父が吸い出してやった事がきっかけだ。むろん初めはお互い遠慮
しながらの行為だったが、妻に先立たれた男と、夫が不在がちの女だ。だんだんと濃い関係に
なっていった。父親には決して言えない事だ。だがほんの少しだけ事実を口にすれば、
この場を切り抜けられると判断しての事だった。優子の言葉を聞いた父親は
「父さんはてっきり隆之君が留守の時だけ、代わりにお義父さんがしてくれるんだと思った
んだが、それまでは隆之君にしてもらってたんじゃないのか?」と娘に訊いた。義父が娘の体を
思いやってくれるのは本当であろうし、ありがたくもあるが、予想外の事に違和感も覚えた。
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