「着替えは上だけで良かったのか?」自分の横に座った娘に尋ねた。「?」優子は小首を傾げた。
『後ろの染みには気づいてないのか。』「いや…かなり滴ってただろ…乳が。」
「大丈夫。洗面器置いてたし。それよりこれどう?お母さんがよく着てたから、お父さん
嬉しいかなと思って。?」『いい娘だ。』意地らしさが愛しい。父は娘の頭を優しく撫でながら言った。
「隆之君居ないんだったら、今日泊まっていかないか?ひとみのオムツや着替えはうちにも
あるだろう。」「うん……でもお義父さん待ってるし。…」「電話したらいいじゃないか。」
「…でもお世話しないと、お義父さんの…。」『なんだお義父さんお義父さんって。』
舅のことばかり口にする娘にだんだんと不機嫌になってきた。「あっちは若いし、嫁さん死んで
ながいんだからお前に頼らんでも自分のことくらい出来るだろ。案外お前が居ない時に、
彼女とか連れ込んでよろしくやってるんじゃないか?」口調もぞんざいになる。
「そんな!お義父さん今彼女なんていないわ!変なこと言わないで!」優子はむきになって否定した。
しばらく黙った後父は娘に言った。「すまん。あっちのお義父さんの事ばかり気にかけるんで、
父さん焼きもち焼いたのかな。」
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