1-10-3
「・・・困ったわね・・・」
「頼むからアレ貸して?そうじゃないと俺・・・本当に母さんを襲っちゃいそうなんだ」
「ぃ!・・・」佐織は声にならない驚きを発し、圭介を見つめた。
「ねっ!貸して」
まっすぐに見つめる圭介の視線を外して佐織は真剣に考えた。
あのビデオの自分はあまりにもはしたなく、淫乱。
まして自分の息子に見られたら・・・
しかし実際に全部ではなくても、見られてしまった。ノーマルではない情交を。
一昨日、圭介が再生し見入っていた場面を思い出した。
あれ以上、詳細に自分のアブノーマルな性癖を息子に晒すのは耐え難い。
他の物には、一昨日見られたもの以上に淫乱で変態的なものが多々ある・・・
(・・・どうしよう)
頭の中に『そうじゃないと俺、本当に母さんを襲っちゃいそうなんだ』と懇願する
圭介の言葉がこだましている。(・・・私、圭介に襲われる・・・の?)
その瞬間、佐織の淫らな部分が疼いた。
(私が圭介と…?)いままで思ったことすらない事。
堰を切ったように疼いた部分は潤いを増し、耳たぶの裏まで熱くなっていく。
そして佐織の淫らな本性が『母親と息子』と言う絶対定義を叩き壊し始めた。
(アレを見られるくらいなら、圭介に抱かれたほうがいい!)
本性が下した理不尽な決断であった。
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