家に入って、改めて俺は優の姿に釘付けになった。身体にぴったりついてるような小さめのTシャツ、丈の短いショートパンツ。「おいおい、まるっきり女子やん…」ショートパンツから伸びた白い脚がまた生々しかった。
部屋に行くのかと思っていたが、そのままリビングに通された。優は新聞紙とかを片付け、飲み物を出してくれた。買ってきた飲み物と菓子の入った袋を渡すと、優はありがとう、と言いながら袋の中身を覗いて笑った。ここまでくると、もうどんな仕草も女子にしか見えなくなってきていた。
それからしばらく、俺達は学校の事や友達の話をして過ごした。
少しすると「ねぇ、あのさ…」優はまた話を戻し、心配してきたのかをあの小悪魔的に、ニカッ、と笑みを浮かべながら聞いてきた。
否定するとまた優の思う壺だな、と思った俺は「そうだよ…お前がいないと…なんか寂しくて…」と下を向いて答えた。
てっきり笑い出すかと思っていたのに、優の反応は違っていた。「えっ…」と予想外の返事に固まっていた。その顔は少し赤くなっているようだった。そして「そう…なんだ…」と背中を向けた。
あれ?また悪ノリして突っ込んでくると思ったのに?
そう感じながらいると「僕もさ…浩樹の事考えてた…今日だけでなくて…いっつも…」
「えっ、なに?、何?…」
いつもからかわれているから、ほんの仕返しのつもりで言った言葉。
まさかの答えに、俺の顔は真っ赤になっていくのを感じた。
「いつもみんなでとか、一緒にいてて…友みんなの事好きだから、同じかな、ってつもりだったけど…いない時とか…なんか違うくて…いつの…間にか家にいても…浩樹の事考えて…」
「…おかしい…よね、男同士なのに…でもね…うん…」
こっちを向き直って優は言った。
「マジ…か…」
赤らめた顔に少し目を潤ませた顔を見て、俺の中のなにかが弾けた。
俺の腕を掴んでいる優を引き寄せ、思わずキスしてしまった。
優は一瞬身を引くように動いたが、すぐ身を任せてきた。
俺は何度も優にキスをし、床に押し倒してまたキスを続けた。すると優は「ごめん…もう親帰ってくるから…もう…」と俺を押しのけてきた。俺達は離れ、しばし沈黙が続いていた。
まもなく母親が帰ってきたので、俺は挨拶をして帰ろうとした。優は玄関まで見送りに来た。「じゃあ…明日…」「うん…」
妙な雰囲気になりながら、優の家を出た。少し歩いて振り返ると、玄関のドアにもたれるようにして、優はずっとこっちを見ていた。
家に帰ると、俺は優をキスや抱きしめた感触を忘れないうちに、股間に手を伸ばしていた。
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