~彼の秘密と私の秘密⑤~
昨夜のような罪悪感も自己嫌悪もなく、少しワクワクした気持ちでいつもより足早に感じながら自宅マンションに帰り着いた。鞄とスマホをテーブルに置いて上着をクローゼットにかけた所でスマホが鳴る。画面には陽介の文字と22時24分という表示が見て取れて一瞬嫌な予感がしたが出ないわけにもいかないので応答ボタンを押した。
陽介:もう帰ってるの?
私:今帰宅した所だよ。
陽介:俺も今、接待から解放された所だけど、今から行っていい?
陽介は今夜は接待の会食で何時に帰宅かわからないと言っていたけど、思いのほか早く解放されたようだった。元々明日の金曜日は残業せずに陽介とディナーをしてそのまま私の部屋に二人で帰って来る段取りになっている。それでもいつもなら陽介と過ごす夜が急に増えたなら嬉しい気持ちになって二つ返事でOKしていたはずだったが、煩わしい気持ちが湧き出てきて一瞬沈黙してしまった。なにか返さなきゃと思って、
私:結構早く解放されたんだね…。どうしようかな…。
陽介:ん、どうしたの?何かあった?
スマホを耳と肩に挟んだまま、スカートを回してホックを外して半分地面に落としたまま足を抜いた。動作しながら考えた答えは、
私:最近残業続いてて疲れてるから、今日はパスでいい? 明日楽しみたいし。
陽介:ああ…、そっか、最近結構遅くまで頑張ってるもんね。
やはり予想外に断られてショックそうではあるが、私への気遣いも見せてくれて理解してくれたようで少し罪悪感を感じた。
私:本当にごめんね。でも週末は二人で過ごすの楽しみだから。
陽介:そうだね。明日会えるしね。悪かったね、遅くに。じゃあ明日。
私は脱いだスカートをハンガーにかけ終えると同時に電話を切って、スマホを置いた。ソファに腰を降ろしてストッキングを脱ぐと開放感が溢れ出る。先程採取した粘液を鞄から取り出し、ビニール袋を丸めてゴミ箱に放り込んだ。テレビを点けて音量を調整すると照明は全て消した。カットソーとインナーシャツを一緒に脱いで投げ、続いてブラのホックを外して肩から抜いて投げる。目を閉じて、両手で包むように乳房を掴むと赤城君の昨日の映像が鮮明に脳裏に浮かび、興奮を呼び覚ます。乳首も硬く鋭敏になっていて刺激を欲している。おもむろにケースに採取した粘液を持ち上げ蓋を開けて嗅いでみると淫靡な空気が全身にいきわたる。顔が熱く火照っている気がする。赤城君の精液を右の人差し指に掬い乳首に塗りたくって刺激する。ヌルヌルした感触が突起物を擦るにちょうど良い潤滑液となる。自分のしてる事や客観的な姿が物凄くいやらしく感じて心身ともに激しい興奮を覚えるが、上気してくる匂いが更に追い打ちをかけて加速させる。やがてぬめりがなくなり凝固してきた頃、自然と下方に手が伸びてショーツの上から突起したクリトリスを摩っていた。こみ上げるものが我慢できなくなると急いでショーツを脱いで投げた。また右の人差し指で残っていた精液を全て掬うとドキドキしながらゆっくりと自分のクリトリスの粘液と混ぜるように塗りまわす。思わず声が出そうになる。昨日以上に淫靡な瞬間に酔っている。味わうようにゆっくりこねくり回す。全身にゾワゾワした快感が波のように押し寄せて心地よく喘いだ。ベッドの下の箱から陽介が持ってきたヴァイブを取り出した。陽介は嬉しそうに私に使うが私は今一つ感触が良くなく、自慰行為では使った事がなかった。恐る恐る挿入してみるとはじめは異物感があったが、私の粘液がヴァイブ全体に回るとスムーズに出し入れできた。自分で良いポイントを探りながら動かすととても気持ちよく、手と声がとまらなくなった。その時に妄想していたのはもちろん陽介ではなく赤城君だった。赤城君と結ばれて興奮していた。最後は四つん這いになって必死に手で口を押さえながら激しく出し入れし、絶頂の瞬間、耐え切れずヴァイブを引き抜くと同時に陰部から液体が飛び散った。その瞬間私はキャッと声をあげてそのままソファにぐったりとへたり込んでしまい、膝のあたりがガクガクと震えていた。
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