~彼の秘密と私の秘密③~
赤城君は暗い夜空に顔を向けて、口を半開きにして苦悶のような表情を浮かべながら手を激しく前後にしごいている。やがてもう少し口を大きく開けたかと思うと体全体がビュクッと震えて一瞬止まり、そのままゆっくり手を動かしてハァハァと深呼吸するように落ち着かせるのだった。私は一瞬たりともその姿から目を離さず焼き付けたが、気付いたら私自身も膝と膝を合わせたまま下腹部を幾度となく硬直させたりもぞもぞとした動きを繰り返し、物凄くドキドキしている事に気が付く。赤城君はティッシュのような物で性器を軽く拭うとスタスタとテニスコートの方へ戻る。そしてそのまま扉から階下に降りていったようだった。私は深呼吸して自分を落ち着かせたが乾いた風のせいもあってか涙目になっている。十分辺りを警戒してから赤城君が立っていた所に歩き出す。さっきよりも心臓が高鳴るのは想像しているものを目の当たりにするだろうからだろうか。薄暗くはあるが白っぽい円状の液溜りを見つける。もう一度背後を確認してからしゃがんでスマホの懐中電灯を点けてみた。グロテスクに白い粘液が浮かびあがる。私は震える右手の人差し指に少しその白い粘液をつけて親指でこすり合わせて練った後、鼻に近づけて嗅いでみた。鼻の奥がツンとして、草いきれのような独特の匂いが拡がる。紛れもなく赤城君の精液だと確信し、まるで世紀の宝物を発見した探検家のような気持ちになる。今度は左手の人差し指にその精液が滴り落ちない程度にしっかと掬い取り、足早かつ慎重に屋上から8階に戻る。向かった先は誰もいない真っ暗なトイレ。自動センサーで点灯して少し心拍数が上がったが、一番奥の個室に入る。手提げ鞄をフックにかけて、制服のベストのボタンを片手で外して、ブラウスの裾をスカートから出し、便座に座り込む。ブラウスを捲り上げるよう下から手を入れて乳房を掴み、指でブラの上端を下げて乳首に触れると既に硬く鋭敏に突起して、触れるか否かの辺りで電気で打たれたように全身を震わせた。そして左手の精液を親指を使って捏ねまわしては何度も匂いを嗅いでみた。今までの性体験の中でも圧倒的に突出して淫靡な気分になって興奮している私は右手をやや強引にブラの下の入れて激しく乳房を揉み上げ同時に指で乳首を刺激すると、何度も声が出ちゃいそうになるぐらい気持ちよく感じていた。我慢できずに立ち上がって、ストッキングを膝までおろして更に左足を抜き、スカート捲り上げながら左足を便座に上げながら再び座ると、ショーツの上部から手を陰部に向かって流し込んだ。もうグニュグニュと音がするほどヌメリを帯びていたので、そのまま指二本をヴァギナの中に滑り込ませて激しくかき混ぜる。さっきの赤城君の手の動きや、顔の表情、体の反応を思い出しながら乱暴に刺激すると、赤城君のフィニッシュの残像に合わせるように絶頂を迎えた。自宅以外のトイレとかで多少陰部を刺激するような事は経験としてあったけど、こんなに絶頂するほどの乱れた自慰行為をするのは初めてだった。いや自宅でもこれほど頭がぐちゃぐちゃになるぐらいの快楽と興奮を体験した自慰行為はなかったかも知れない。数分の間は動けずにいたけど我に返って、慌てて服を整え、手を洗って、また忍び足でエレベーターに乗って、開発棟を後にした。自分を落ち着かせるように福祉棟で着替えると、ようやく夢から醒めた感覚で会社を後にした。
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