男は指先をアナルから抜くと、指先を鼻へと持っていき指の匂いを嗅ぎ始める。
「いい香りだな。君はお尻の中っていつもケアしてるの?」
「そんなわけないでしょ。」
「じゃあ、なんで臭くないんだ。強い匂いもしないし、不思議だな。」
「それは、、何でかな。分かんないわ」
「自分でもやったりするの?アナル、いじくったりとか?」
「たまにね。」
身体を反転させられ、バックの体勢になって、ダブルベッドの上で四つん這いになる。男に尻を突き出し、アナルは丸見えになる恰好をさせられる。
「綺麗な色してるな。形が崩れているわけでもないし。」
多少色が赤黒くなっている気もするけど、逆ハートの柔らかなお尻の肉の割れ目の奥できゅっとすぼまって、恥ずかしそうにしているアナルは男の目には可愛らしく見えるみたい。
「じゃ、入れるよ、、いいかな?」
「ええ、まあ、いいわ。うん…わかってる?まだ慣れていないから、、やさしくしてね」
「ああ、僕だって、アナルはあまり経験ないんだ。でも、話だけは知ってる。ゆっくり、やさしく」
彼は指先にベッドの上にあったコンドームを付け、そこにローションを塗ると、指先をまたも沈めてくる。
「どう?痛くない?」
「んっ…痛くない。これなら、もう、、大丈夫かも」
アナルへの挿入は、その人それぞれで違っていて、挿入角度や体の位置が変わると、その感触も変わってくるけど、今回も指先が入ることに、ほとんど痛みも感じることはなかった。
「あっつ、入ってる?入ってるよね、あああああ、熱いわ」
猛烈に大きくなっているオチンチンが、ズブズブとアナルの中に沈み込んでいく。
「あっ、オチンチン、、入ってきたあ…」
「こ、これ…す、すげえ…」
「く…あ…うん、それくらい…優しく動かして…どう?」
「君のオマンコもいいけど、ここも締まるよ。、、気持ちいい」
後から聞いた話は、アナルはオマンコよりもむしろゆるい感触で、まったりとした感じだけど、その代わり入り口の締め付けが尋常じゃないらしい。男は腰を激しく動かすと、いったん休止し、また激しくということを繰り返している。多分、一瞬で射精してしまうから、慎重に腰を動かしているのだと思う。
「あっつ…くう…ぅひっ…」
アナルにめり込んだオチンチンは、どんな感じなんだろう?ヴァギナに入れるセックスとは違った感じの喘ぎ声だし。いつも男は違った声で喘ぐ。これまでが皆そうだっただけに、男の声は余計に卑猥に感じる。
「気持ち…いいか…?」
「うん…あくっ…オチンチン…いい…感じ…気持ちいい、、あああ」
私の顔の下のあたりのベッドには、もう既に濡れたシミが広がってる。男は手をこっそりとヴァギナへと伸ばしてくる。アナルとは違って、膣口は愛液でもうドロドロになっている。
「もっと、突いていいよ…ねえ、、忘れさせてよぉ…」
「そ、そんなこと言ったって…やばい、出そう…」
「そこで出していいから、、イっちゃっていいからぁ…かぁうぅぅ…はあっ…はあ…!」
私の背筋にはもう汗が粒が大量ににじみ出ていて、男が前後に動くたびに、それが背中の白い肌を伝い、流れ落ちていく。
「はあ…ハァ…っ…くひぃ…イ…いい…いい…っ!」
短い時間の中だったけど、私の喘ぎ声はどんどん大きくなり、興奮で高ぶったものになっていく。バックで入れられているので、四つん這いにした身体を支える腕がガクガクしてくる。
「うっ!?…で、出るっ…この中だったら中でいいんだな、出すよ」
「うっつ、ああ、いいよ、出して、はぁ…く……ひ…いい…よ…出して…」
どくん。
男はオチンチンを一番深く、根元まで押し込んだところで、限界を迎える。猛烈に締め付けられた狭い尿道を精子がかいくぐり、私のアナルの中に精液を飛び出させていった。男のモノがビクビクと脈打つのを下腹部に感じた、
「うっつ、あああ、ぴ、ぴくんぴくんしてるぅ…く…………………………!」
それまで以上にきゅっと締まったアナルが、オチンチンの根元から精子を絞りとっていく。男はオチンチンを抜くと、一呼吸おいてアナルから、くぽんっ、と軽い音がした。
「あっ……すごい…すごいな。」
身体を離して振り向いた男の顔は、口端から流れた涎でべっとりと濡れている。
「はぁ…はぁ…あ…ああ…スゴ…かった…」
私にはそれ以上の言葉は浮かんでこなかった。全てが終わった感じがした。
初めて一夜をともにした男に腕枕をされながら、甘い言葉を囁かれることに何かを違和感を感じた。
「なあ、ヤツメウナギってしってる?」
「聞いたことあるけど、、それって生き物でしょ、それが何?」
「興味があったら調べてごらん」
そういうと男はゆっくりと目をつむり、そのまま暫く黙り込んでしまった。
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ホテルを二人で出る間際に連絡先の交換をした。
「気が向いたら私から連絡します。我儘いうけど、そっちから連絡することはしないでください。これは一方通行の連絡先だと思ってください。最初に行ったけど、私とのことは一夜限りのことだと思ってください。連絡先を交換したのは、ただ、あなたとの一夜は私にとって無碍にはできないことだから。そして、あなたが、どこの誰だったか、永遠に分からなくなるのが嫌だから」
最寄りの駅のコンコースで二人は別れた。彼の背中を目で追うこともなく、踵を返すと、私は雑踏の中へと向かった。
「さようなら」
(終)
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