舌先が履い回る感触、舌全体が絡みつく感触、上下の唇が強く、そして時には弱く圧力を加えながら手を添えることなく、これ以上硬化することも膨張することもない限界点に到達しそうだった。
槌
突然、ラ・カンパネラのイントロが聴こえてきた。盲目のピアニスト辻井伸行さんの演奏であると理解した瞬間に、突然映画館のスクリーンに映し出されていたシーンがエンドロールも無く幕が降りてしまった。
槌
『夢だったのか』
槌
ラ・カンパネラは目覚ましのアラームで設定されたものだ。
槌
『なんでこのタイミングでM子が夢に? 震災の年だから三十路を迎えるんだな、結婚してママになってるのか』
主従関係以上に家族関係を望む期待には応えることが出来ず、普通の恋愛をして結婚することを最後の命令にしたことを思い出した。
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