N県にあるかほさんの実家は村はおろか、N県を含めた他県に顔が利くほどの謎の影響力を持っていた。
それだけ聞けばかほさんはN県のお嬢様兼お姫様とも解釈できるが、かほさん自身はそう思った事は一度もないと断言していた。
かほさんの実家・西嶋家がそれほどの権力を持ったのはかほさんの母方の祖父の代からだ。
その母方の祖父はもともとN県の出身ではなく、西嶋家がまだ何の権力も持たない時代にこの地にやってきたそうだ。
彼自身は謎に包まれた人物でかほさんの祖父ではあるが、西嶋の姓は名乗らなかった。
彼の名前は狗道佐兵衛。彼自身は狗道家なるカルト集団のボスの親戚で、それに嫌気がさした佐兵衛さんは10代後半という若さであてもなくN県の村まで放浪してきたそうだ。その後、佐兵衛さんは西嶋家が管理する神社で倒れ、かほさんの祖母となる女性といつしか結ばれた。
しばらくして佐兵衛さんは商才に目覚め、あらゆる事業が成功すると影ながら西嶋家を支え、ついには裏表なくN県まで支えるに至った。
また佐兵衛さんがかつて所属し、離別していた狗道家は怪しげなカルト集団などではなく、彼らもまた仮面の戦士の力と伝説を継承する一族であったことが判明し、西嶋家に伝わる伝説との関連性を知った佐兵衛さんはいつの間に和解していた。
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