銀色のスーツ、手首と足首を守る赤い輪、手の甲を守る赤い装甲、赤い前腕部と腿に鳥の翼のような鱗模様、胸部には銀色の鎧の上に逆さの八の字に配置されたウサギ状に飾り切りされたリンゴの鎧、両肩にもそれと同様の鎧が一つずつ配置、背中を守る銀色の鎧の下には緑色の蔕、腰と股間はスカート上の赤と黒の布で覆われ、膝を守る赤い装甲、両足は膝下まで黒いブーツで覆われ、膝下の周囲の赤い輪と足首の赤い輪と繋がる形になる脛を守るY字の赤い装甲、頭部は和風の鎧武者の兜を思わせ、Wのようにさけた仮面の口、チューリップを思わせる頭頂部の赤い兜、リンゴの果肉のようなハート型のバイザー、同じくハート形で額にある黄緑の鉱石。
以上がかほさんが変身したイドゥンの特徴だ。
さらに魔術的なパワーがある証なのか、胸部と肩部のウサギ状のリンゴの鎧には黒く浮き出たレリーフの装飾があり、リンゴの盾の中央には金色の紋章、ウサギ部分には模様、リンゴの果肉のような剣には文字にも見える模様があった。
西嶋家に生まれたかほさんが来たるべき日に備えてあらゆる武術を学んでいた事もあってか、イドゥンの力はかほさんが経験を積むごとにかほさんのものになっていた。
かほさんが力を入手したことを両親と狗道家に明かすと彼らに鍛えれて数週間後、かほさんは魔蛇の毒で暴徒にされた一般人を鎮圧する名目で戦場に駆り出された。広すぎる場所に加えて動く的と言える暴徒らを相手に最初はぎこちなかったが、次第にかほさんは臨機応変に対応していった。
もちろん、戦っているのはかほさんだけではない。狗道家に伝わるセイヴァーと呼ばれる仮面の戦士と狗道家の企業が造った戦極のベルトで変身する量産型の仮面の戦士の部隊の他、警察や自衛隊、政府が一流企業と共に秘密裏に開発したパワードスーツのおかげで長期戦にもならなかった。
稀に毒気によって怪物化してしまう人間や魔蛇の眷属である怪物が出現する場合があったが、それに応戦するかのような僥倖も生じた。
かほさん同様、森の中で果実の仮面の戦士の力を手に入れた者が次々に現れ、戦いに参加していったのだ。
かほさんを含め、仮面の戦士には攻撃すると怪物化した人間に戻す力が備わっていた。これは始まりの男の仮面の戦士に施した加護とも言える力だった。加えて生粋の怪物である魔蛇の眷属を完膚なきまでに倒せる力も凄まじかった。
※元投稿はこちら >>