翌朝、俺とミカさんはいつものように田舎道を歩いていた。
昔遊んだ場所を探索することにしたのだ。
そんな時だった。
俺とミカさんの目の前に青黒いイナゴの大群が現れた。
そのイナゴ達はやがて人の形を作り上げた。
その人の形は、10年前のミカさんの男、裕也さんだった。
「久しぶりだな、ミカ」
「裕也さん!?」
心臓がビクつくほどミカさんは驚いた顔になる。
「いや、かほ・・・」
かほ・・・? それは俺の知らない名前・・・いや、俺は知っている。
それだけではない。裕也という男の顔も名前も・・・
「そして裕。いや、もう一人の俺」
その言葉で俺とミカさんの頭に電気が走った。
俺とミカさんは知らないはずの・・・いや知っている顔と名前を思い出していた。
裕也、かほ・・・その名前はかつてどこかで見たどこかの誰かではない。
俺とミカさんの本当の顔と名前だ。
俺達がどうしてここにいるのかも思い出した。
蛇の邪神・魔蛇。そうだ。俺達は邪神と戦い、俺は魔蛇のイナゴの毒に侵されて、戦友二人に変身解除されて、この世界に・・・
「思い出したか?俺・・・」
裕也は黒いオレンジの錠前を取り出し、腰に特殊なバックルのあるベルトを出現させた。
「変身・・・」
「オレンジ!」
黒いオレンジをバックルに装填した。裕也は墨汁のような液体に包まれ、漆黒の鎧武者へと変身した。
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