俺は狗道一郎。名前は祖父の狗道一郎太につけてもらった。俺、祖父、親父の太一は本当に顔も髪型もよく似ていた。
祖父ちゃんと親しい夜戸家のハルさんのことは祖母のように俺も思っていた。そしてどういうわけか、2人ともやけに若かったことだけはよく覚えている。2人にはよく遊んでもらった。祖父ちゃんとハルさんはわざわざ俺と母さんが住む家にも遊びに来たこともあった。
13歳の時に死んだと聞いたときは俺も覚悟したが、いざ葬式になると声を抑えて泣いた。その時、一緒に泣いてくれる人がいた。
名前は夜戸ハル。俺より1歳上でハルさんと同じ名前で夜戸家の親戚だった。そう言われて見るとすごくよく似ていた。ぶっちゃけ母娘のようだった。
長く黒い髪は腰ぎりぎりまであり、身体つきは中学生ながらすっかり大人の女のようだった。肌も色白で正直失礼だが、俺の母さんより美人だ。
葬式は俺もよく遊んだ狗道神社で行われ、その日の夜は虚像のカクリヨのクラックが開きかけ、祖父ちゃんに世話になった大人達やハルさんの娘のサキさんはオヌマ退治に出かけた。そういえばサキさんも親戚の夜戸ハルさんによく似ていたような・・?
そしてその日の夜、一生忘れられないであろう出来事を俺は目撃した。
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