それが祖母の記憶だった。私は夜戸ハル。祖母の同じ名を持つ女だ。
オヌマの出現から数十年。現在では骨のクラックが生じる兆候を事前に捉えるCセンサーなるものが開発され、夜戸家と狗道家が迅速に対応している。
あちらの世界に通じて錠前にできる乗り物のロックビークルも改良が進められ、サクラハリケーンというオフロードバイク型のタイプも作られた。
あちらの世界、虚像のカクリヨの調査はあまり進んでいなかった。わかっている事は巨大なオヌマがかなりいる事とあの世界がどの宇宙の次元にあるのか不明という事だけだ。
幸いなことに戦闘要員、民間人ともに死傷者がいまだにいない事が救いだった。ロックビークルが放つクラック強制封印ビームによって最大でも1ヶ月の封印できるようにもなった。この数十年、そこまで行くのにみんな必死だった。
もちろん、封印できるようになったからといってそれにあぐらをかかず、鍛錬も怠らなかった。少しでも開く兆候があれば即座に駆けつけるという万全の体制を整えていた。クラックが発生する場所はこの日本で私達が住む街が一番近いこともわかってきた。私たちの町は首都圏に近いところにもあり、細心の注意が必要された。加えて日本以外の国も警戒してCセンサーの設置を義務付けた。当然、戦極ドライバーとロックシードの所持も義務付けたが今のところ、オヌマと戦ったことはない。ただし、その国に駐在する戦闘要員はオヌマと戦った事がある者達に限るなどぬかりはない。
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