モンスター達の名前も新たに考えた。彼らの名はオヌマ。オヌはおぬ、陰(おぬ)のことでこの言葉が鬼(おに)になったという説がある。
マは悪魔の魔という意味だ。この世ならざる者達にこれ以上、ふさわしい名はないだろう。
また私が新たに行った調査でわかった事だが、オヌマ達からは人間の負の感情、マイナスエネルギーとも言うべき力があることを私は突きとめた。
人間の負の心。奴らがそれに引き寄せられるということは人間の煩悩を餌としていると見て間違いなかった。
ならば最初の襲撃はいったい? やはりこれについては再度、検証する必要がある。合点がいくまで何度でも。
初級インベスの姿をしたタイプは戦闘員オヌマ。もちろん、初級インベスという名称も採用した。
ギャオスと呼んだタイプはワイバーンオヌマ。これもギャオスという名称と採用している。
一方、私と男は国や街の支援もあって拠点している屋敷の改築も行った。もちろん、暮らすためのものではない。
私と男、黒影トルーパーの隊員たちがオヌマと戦うには奴らの穢れを清める必要があった。隊員たちの場合はロックシードを通じて浄化できるが、私と男は特別だった。私は男にいわゆる定期的なガス抜き、オヌマの煩悩の穢れを浄化する儀式が必要だった。これをしなければロックシードを通じて隊員たちの浄化ができないのだ。
そして、その儀式の行為は・・・聖なる行為と称した性交が一番適していることが判明した。これについては男も恥ずかし気に了承してくれた。
無論、この儀式は一部の者のみが知る事に限った。表向きはオヌマに知られない事としたが、実際にはあまりにも恥ずかしすぎるからだ。
さて改めて私と男の名前も明かそう。といってもこの世界における仮の名でしかないが、それでも私達にとっては大切な名前でいつかは本名になるかもしれない。
私は夜戸ハル。以後、夜戸家の初代当主ハルとする。男は後を継ぐはずだった梶浦神社という名前も改めて狗道一朗太。以後、狗道家の初代当主とする。私は狗道家を支える分家として活動し、超常の力の一端である分身と複製と転生の術を持って娘、孫の代にかかってもオヌマと戦うことをここに誓った。一朗太も私の覚悟に初めは難色を示したが、彼も覚悟を改めて受け入れてくれた。
さらに一朗太にも分身、複製、転生の術を持っていた。彼もまた息子、孫の代にかかっても戦う覚悟を決めた。一朗太には許嫁がおり、近々結婚する気だ。彼女の方は私達の事情に理解を示しており、一朗太が二人の女性を愛する事も了承してくれた。
当然、私が夫とする男はひとりしかいない。一朗太だ。表向きの正妻は許嫁だが、裏では私だった。
一応言っておくが、私達は近親相姦をするつもりはない。しかし、私達にしかできないことなのだ。
私と一郎太と普通の人間の寿命で死ぬよう肉体を設計した。そして死んで私の娘、彼の息子に孫が生まれた場合、記憶の継承と共に魂も孫と一体化するようにした。非常に残酷で何とも汚らわしい行為だが、それでも・・・
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