モンスター達を狩りつくしてしばらくした後、私は街の代表ももちろん、国に対してモンスターの存在、それに対抗する力がある事を説明した。
当然、別次元の世界がある事や軍事兵器にもなってしまう果実の力の事は多少なりとぼかした。しかし、私と男が再構築した影響か、国が争う理由である貧困などがなく、それどころかそういった国は軒並み消滅していた。無論、だから良いというわけではなかったが、軍事利用の恐れがないことに私はホっとした。
さらに世界の人口がかなり少ないことも判明した。しかし、だからといって世界が困っていることもなかった。
それでも私は複雑な気持ちと妙な違和感が拭えなかった。ずいぶん都合が良すぎるな・・・この世界は。
それから数日後、モンスター達はまた現れた。だがそれに対して私達は無策ではなかった。
私と男は希少金属ことレアメタルを国に集めるだけ集められるよう要請した。レアメタルは戦極ドライバーを造るのに必要な原料なのだ。
異界の果実ヘルヘイムの実は私と男の厳重な管理下で栽培された。私と男の特殊能力で品種改良を施し、いざとなった時の食糧になるただの果実に変えた。
戦極ドライバーを装着して果実をもぎ取った場合はロックシードに変わるが、良からぬことに使おうとした場合は私と男の意思で自爆する細工も秘密裏に仕掛けた。このことを知るのはごく一部の者に限った。おかげで抑止力にもなっている。
私と男は自身の記憶にある果実の戦士達の記憶とデータを基に、汎用性に特化したもののみ再現、製造することにした。
ひとつはマツボックリの足軽のごとき兵士・黒影トルーパー。量産型戦極ドライバーによって緊急の際は誰でも変身が可能。
ひとつはタンポポの空中バイク・ダンデライナー。空中戦にはこれが一番活躍できる。
ひとつはチューリップと機械のバッタの肢を持つチューリップホッパー。強力なキック力を持つ他、電磁波や衝撃波も放つ事ができる。
ひとつは約3mの身長を持つ巨人型ロボ・スイカアームズ。戦闘形態のヨロイモード、防御形態の大玉モード、飛行形態のジャイロモードになれるなど汎用性にもっとも優れた果実の鎧だ。装着する鎧と言うより、操縦する鋼の西瓜の巨人と言ったほうが正しい。
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