しばらく歩いて私は冷静さも取り戻していった。落ち着いて考えれば私と同じ超常の存在である男も無傷のはずだ。
今頃、どこかでこの世界を観察しながら私を探しているはずだという考えに至り、私は田舎とも都会とも街中を探検することにした。
街並みは遠い昔、私がどこかの次元の世界で過ごした光景と似ているが、元の世界の影響か、少し違う部分もある。
言語と文字は地球の日本語で、場所も日本のどこかだ。懐かしさと初めて見る風景。ついワクワクしてしまう。
人外の存在である私は食事の必要もないため、行けるところまで行こうとした。
しかし、平穏な日常の世界はある日、終わりを迎えた。
私がこの世界に来て一週間がたった頃、街に異変が起こった。魔蛇が使役したあの黒いモンスターが数匹、出現したのだ。
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