文乃お姉ちゃんのおっぱいの感触はマシュマロのようで白い餅のようでもあった。神主の娘のおっぱいだけあって正月に供える鏡餅に触れているかのような禁忌を犯す背徳感もあり、子供だった僕の全身を駆け巡った。しかし・・・
「ん・・・?なお君・・・?」 文乃お姉ちゃんが起きてしまった。僕は一瞬で心も頭も青ざめて凍り付いた。
「おっお姉ちゃ・・!?あの・・・僕・・・違ッ・・・・」 僕は必死に言い訳しようとした。
「・・・?あっ・・・!」 はみ出したおっぱいに気付いて文乃お姉ちゃんはかあっと顔を赤くして、タンクトップをすぐに直した。それを見た瞬間、僕は自分がタンクトップを弄った犯人にされると思った。仮に犯人じゃないとわかっても僕がした事実は変わらない。僕は・・・俺は逃げた。
「あっ!なお君!待って・・・!」そう言う文乃お姉ちゃんに謝らなきゃいけないのに俺は・・・頭と心がグチャグチャになって、とにかく逃げた。そして一瞬、振り返った。その時に見た文乃お姉ちゃんの顔は今でも脳裏に焼き付いている。というかあの夏の出来事は死んでも忘れられないだろう。あの時の文乃お姉ちゃん・・・文乃さんの顔を見たときは心臓がドキッとした。困ったような・・申し訳なさそうな・・悲しそうな・・初めて見た文乃さんの顔だった。
すべてが怖かった。それ以来、田舎には、俺にとって最高の思い出ばかりあるもうひとつの故郷には帰らなくなった。
いや厳密には俺が壊したんだ。
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