健太が咲のもとへと向かう頃には、もう日が暮れていた。咲は自宅へ向かっている途中のようだ。この時間に帰宅という事は恐らく、学校が終わり友達とでも遊んでいたのだろう。
自宅に入られてはまずいと思い、健太は急いだ。
そして咲を見つけた。人通りの少ない路地を携帯をいじりながらノロノロと歩いている。健太は後ろから写真が撮れる距離までそっと近づき、写真を撮る。音楽を聴いているようで咲は気配にも気づかない。
そして例の画面になる。いよいよだ、と健太は興奮しながら「ぶんどる」を実行する。
だが、レベルをあげ、技自体はは成功するものの、余計な物ばかり盗んでしまい肝心な下着が一向に盗めない。健太は苛立ちを隠せなかった。
と、そのとき、左下に何やらゲージがあり、それが満タンになっている事に健太は気づいた。「Limit break」と書いてある。
「もしかしてこれ・・必殺技的なやつか?よし・・これにかけるしかない!」
健太は「Limit break」を使った。
すると、「全て盗む」と表示された。
「おっ・・・てことは・・」
「向井咲から全て盗んだ」と表示された。そして健太が自分の鞄の中を見ると、空だったはずの自分の鞄の中にパンティーとブラジャーが入っていた。
「こ、これって・・・よっっしゃ!」
そして咲の方に目を向けてみる。すると、他の女と同様にスカートを抑え、また、胸の辺りを押さえながらキョロキョロしていた。成功したのだ。健太は慌てて隠れる。
「でも全てって書いてあるのにこれしか盗めないのか・・てっきり裸にでもなるのかと思って期待したのになぁ・・」
実際、盗めたのは下着と、鏡、携帯、リップクリームくらいだった。恐らく、服なども盗んでしまえば急に裸になる。街中でそんなことが起きれば騒ぎになり、超常現象としてニュースにもなるかもしれない。そうなってこのアプリが表沙汰になれば使用者も危なくなる。だが、下着くらいなら盗られたほうも「急に履いていた下着がなくなった」などと言っても信じてもらえるわけないと思い、騒ぎにはならない。うまく考えられているようだ。
「でも・・これはすげぇぞ・・あの向井咲の下着がゲットできた・・」
周りに人がいないのを確認すると健太は下着を取り出し、まじまじと眺め、匂いをかいだ。
「あぁ・・めっちゃいい匂いじゃん・・これやべぇ・・・」
咲のパンティーは白に黒のレースとリボンが付いていた。
「あいつこういうの履くのかぁ・・これは一生の宝物だな。」
そうつぶやきながらもう一度咲の方に目をやると、咲は困惑しながらまた歩き出していた。学校一の美女がノーパンノーブラのまま歩いている。もちろん健太のような男にこのまま後ろから襲うなどという勇気はなく、下着をゲットできた事に満足していた。まだこの時は・・。
すると、またクリスタルが語りかける。
「頑張っているようだな。まずは第一段階クリアといったところか。おかげで少しだが私の封印の力が弱まったようだ。そなたに新たな力を授けよう。よいか、まだこれは序章にすぎない。もっと女共に恥辱を味わわせるのだ。女を支配し、女の力を奪いきった時、それがクリアとなる。健闘を祈るぞ。」
そういうとまた普通の画面に戻った。そして、新たなジョブが追加されていた。
それは、「覗き魔」「ストーカー」「黒魔導士」の3つだった。
「お・・・結構増えたな。そうか・・そりゃパンツ盗んで終わりなわけないよな。・・・力を奪いきる・・か・・。このゲームがあったらほんとに何でもできそうだな。よし・・・もうちょい咲を責めてみるか・・どこまでやれるか楽しみだな・・」
健太は今回の成功で自信がついていた。
そして、ジョブを今度は覗き魔に設定してみる。すると、アビリティに「覗く」とある。だが、薄い灰色になっていて今は使う事ができないようだ。
「ん・・なんでだろ・・じゃあストーカー試してみるか」
今度はストーカーに設定する。すると、「追跡」のアビリティがあった。だがこれも使えない。
「んん・・?どうしたらつかえるんだ・?」
すると、よく見ると、「アビリティ引き継ぎ」の欄があることに気づいた。
「あぁ、ってことはシーフのアビリティが引き継げるのか。しかも2つも。よし・・じゃあっと。」
健太は取りあえず「ぶんどる」と「鷹の目」をストーカーのアビリティに引き継いだ。
「そういえばもう咲は家についたかな・・」
健太はまた「鷹の目」を使った。そして咲のマークを見つけた。まだ家には着いていないらしいがもう近くまで行っていた。すると、左上に「追跡」が表示された。健太はそれをタップしてみた。
「対象のマークをタップしてください」と表示された。健太は咲のマークをタップしてみた。
すると、咲の画像が現れた。咲が自宅へと急いでいるところだった。
「すげぇ・・咲だ・・。そっかこれで追跡できるんだ・・。しかもどこで何してるかまでわかる。んっ・・家に着いたっぽいな。」
咲が家の中に入ると、そこで画像は消えてしまった。
「おっと・・さすがに中までは見れないか・・。ん、待てよ、じゃあ・・」
健太は今度はまた「覗き魔」にジョブを変えた。そしてまた「鷹の目」を引き継ぎ、使った。するとやはり咲のマークのところに「覗く」と表示された。
「もしかして・・」
健太は「覗く」を使ってみた。するとやはり予想通り先の家の中での様子が映し出された。
「きたぁ!これはマジでヤバイ!これがあればずっとこいつを監視できるんだ!ってことは・・・」
健太の期待通り、咲が風呂場へと向かっていた。
「やべ・・これ見れんの・・?まじ・・?」
これも期待通り咲が服を脱ぎ、風呂に入るところがそのまま映し出された。思わぬ形で健太は咲の裸を見る事ができた。咲は下着がなくなったことはやはり誰にも言っていないようだ。
「すげ・・これ・・AVより全然興奮するし・・。咲の裸・・。ってことはトイレも見れるよな・・これまじですげぇ!」
健太は興奮が押さえきれず、駅のトイレに駆け込み、この映像を見ながら抜いた。
「はぁ・・・こいつ見られてるとも知らないで・・明日はまた澄ました顔で学校来るんだろうな・・。うけるなマジで」
すると、長時間「覗き魔」のアビリティを使用していた事により、いきなり「覗き魔」のレベルが上がった。そして、新たなアビリティ「盗撮」が追加された。
「まじ・・?ってことは・・」
咲の映像が映っている状態で、健太は「盗撮」を使ってみた。
すると「REC」と表示され、その状態が記録された。
「・・・・・・・」
健太はあまりの出来事に言葉が出ない。そして、健太の頭の中にある計画が浮かび上がった。
「恥辱・・・・力を奪う・・・・一人クリア・・・そういうことか!これを使えば女の弱みを握れる・・そうすれば・・」
童貞である健太にそれを実行する勇気はまだ足りなかったが、このアプリがあれば、という強みで健太は具体的に作戦を考えた。女子に対して免疫のない健太がどこまでできるかわからないが、健太はこのとき自分に課せられた宿命を成し遂げようと決意したようだ。
「やってみよう・・・どうせ俺なんてこうでもしなきゃ良い女となんて関われない・・。やってやる!」
ー続くー
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