「ああ、美味しい。」
リラックスすると自然に手がブラウスのボタンに伸び柔らか体をビッタリ包み込んでいるブラウスの一番上のボタンに手を伸ばプツっと外した。ちょっと解放されたかのような気分に思わずホッとする。
その時
「えっ!」
ふと、誰かに見られてるてるような視線を感じ振り向いて見ると骸骨の標本がいつものように無機質に立っているだけである。
「なんだ、骸骨か!」
思わず肩の力が抜けた。
と同時に昨日の悪夢が頭の中に蘇った。
昨日この骸骨に襲われて、感じ狂わされた夢?
しかもあまりにリアリティ過ぎる夢。
「現実じゃない、絶対!」
麻衣は、そう信じた。
と何故だか胸の奥に変なムズ痒さが起こった。
「やだ、私ったら、いけない、変な事考えてなくて仕事しなくちゃ。」
気を取り直すように髪を両手でかき上げて柔らかな耳に引っ掛けると
集中してテストの採点に取り掛かかった。
鎮まり返った教室にカサカサとペンが紙の上を滑る音が小さく響いていた。
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