俺は狗道一郎。小学6年生だ。俺は今、そこそこの名家である祖父の家に来ていた。
祖父と親父の実家はかなり屋敷で昔はあるカルト集団の本山だったとか。と言ってもやばいカルトではなく日本と異世界に大きく貢献した団体と聞いている。俺が今、読んでいるものは今から100年前の狗道家の活躍によって得られた異世界の技術、魔法の力を使って作られた絵画の本だ。
より厳密に言えば絵画ではない。魔法の写真というのが正しい言い方だ。
魔法と言うからには科学技術のカメラで被写体と風景を切り取る形で撮影されたものではない。
カメラのレンズ、フィルムの現像を兼ねたマジックアイテムによって被写体の人物を絵画に描かれた人物のように撮影されたものだ。
これを魔絵画(まかいが)と俺達は呼んでいる。この技術が世に出回った際は本物の写真と区別がつかないなどの珍事はもちろん、犯罪も起こった。
しかし、この技術は特定のある者達にとって新たな道と希望の光になった事もまた事実だ。そのある者達は自身や相手と「する」行為を撮影しながら興奮する特殊性癖の持ち主達だ。この魔絵画は自らの一糸纏わぬ姿を曝しているようで曝してはいない。しかし、ある意味では曝している。
その状況に写真とはまた違った興奮と性癖が生まれた。この技術が生み出した新たな背徳感がエロ本に革命も起こした。
話を戻すが、要約すれば俺は今、魔絵画のエロ本を読んでいる。いろんな女性たちが裸の絵画になる形で撮影されているのだ。なぜそんなことがわかるのかというと本には裸婦魔絵画と題されていたからだ。何よりこの魔絵画は祖父のコレクションの一つだった。すなわち精巧な偽物ではない。
まあ、ただの絵画でも別に今の俺にとってはどうでもいいことだ。今の俺はなぜ女の人が裸で描かれているのか、そして俺の股間がなぜ熱く、硬くなるのかという疑問でいっぱいだった。
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