マイクロバスは、吉祥寺駅前で垢抜けたお洒落な学生2人、武蔵小金井駅で真面目そうな学生1人、国立駅で俺と同じ頭の良さそうな学生1人、八王子でも顔色の悪い学生を1人拾って、お仲間は5人に増えた。
みんな宗子からガラス製のペトリ皿を受け取った。誰かが乗るたびに宗子は「いつもの手順でお願いします」と事務的に告げている。
5人は宗子のヨガリ声というオカズもなしに黙々と自分のモノを扱いて吐精している。黙ってすればいいのに、1人だけ、俺の後ろに座った奴が独り言を言っていてうるさい。
「もう少しだ、頑張ろう、、、うん、、頑張って日給ゲットだ、、、頑張ればフェラが待ってる、、、女優さんのフェラだぞ、、イケ、イケぇ、、、うっ、あっ、出る、、、イクッ」
聞きながら笑いそうになった。
何もしてくれない後半に乗り込んだ5人に比べたら、水道橋から乗り込んだ5人は特別な待遇だったんだ。特に俺は、、、そういう変な優越感も持ちながら、バスの車窓から深い森が見えてきて、不安になってきた。
いったいどこに連れて行かれるのか、、それに今日の撮影はどんなシチュエーションなのか、、、
そんなことを考えていたら、バスが1軒の古い大きな家の前で止まった。幽霊でも出そうな廃屋みたいな家で、実際、窓の一部分が壊れていて、ベニヤ板が無造作に立て掛けてある。
「はぁい、着きましたよ。今日の撮影はここ。前回と同じ第28スタジオです。降りて、監督の説明を聞きましょう」そう言って、宗子は手動で前方のスライド式ドアを開けた。
俺以外の全員は慣れているのか、すぐに移動。俺はなんだか少し怖くなって、躊躇いながらバスの前方に歩いた。
「心配することないって」
降りようとしていた俺を、宗子とはちがう明るい女の声が引き留めた。振り返ると、運転席にはミニスカートを履いたきれいな女が座っている。この人が運転してたんだ。
いや待てよ、ひょっとして、この人は、、、いや、絶対に女優の伊藤舞夢(俺が晒してるアホな文章では差し障りがあるので女優名は出さない。1字だけ変えておく)
「今は会社の運転手してま〜す。女優の伊藤舞夢です。よろしくね!」
「あのぅ、、、さっき、流水乱っていう名前がつきました学生バイトです。あなたのファンなんです」
「もう出てくれないんですか?AV?」
「そんなことないよ、、、想像妊娠ってヤツなのかな?ホンモノの母乳が出るようになっちゃって、、、わたしに合ったシナリオ上がるまで、ちょっと休憩してる、、、あっ、そう、そう、、、ここでわたしと繋がって欲しいな、、、」
そう言って、伊藤舞夢は、大きな白いバッグをゴソゴソ探して名刺入れを取り出して、そこから社名入りの名刺を渡してくれた。そこにはQRコード。
なんだか嬉しくなってきた。ホンモノの女優さんと個人的に繋がれるなんて、、、
「乱君、何やってるの?みんなスタジオの中で待ってるよ」
バスの外から少しイライラした感じの宗子の声が聞こえた。バイト学生は誰もいない。
降りると宗子が一瞬抱きついできた。
えっ?
惚れられてる?
「早く早く」そういう宗子に手を引っ張られて、廃屋の中に俺も入る。
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