この辺りには川や池はもちろんのこと、公園の存在も見当たらない。散歩をするには街歩きをする他はなく、当てもなく歩き回ると時間りが心許ない。
本屋を見つけて立ち読みをするのは気が進まないし、それならとウィンドウショッピングと行こうではないか、真由美はそう決めた。
この辺りもご多分に漏れず再開発の波が押し寄せて、新旧が混在した色合いが面白い街並みが楽しめるかもしれない。
そのことを象徴するような複合ビルが立ち並ぶエリアを抜けると、住民が開発を拒んだのか懐かしさが残る商店街、時代の移り変わりの過程に生まれたような建物が間を繋ぐように出てくるではないか。
きっと親世代が祖父母から譲り受けた建物を、孫の世代になって建て替えたであろう歴史があるのかもしれない。何故なら昔から続くお店の屋号がそのまま受け継がれているのだから。
恐らくここ20年の間に建て替えたであろうと思える和菓子屋や豆腐屋、惣菜店に肉屋と魚屋であったり八百屋やパン屋など、地域密着型のお店が頑張って商売を続けて残っている。
その近くにはコンビニやスーパー、不動産屋が立ち並び、商店街のアーケードを堺にしても、上手に共存を果たしている。
ちょうどその堺にマッサージと指圧、ぞの両方の看板を掲げたお店を見つけてしまった。腕の時計を見て1時間、時間を消化するにはちょうどいいかもしれないと、真由美は吸い寄せられるように中へと入っていった。
マッサージと指圧、どちらにしようかと悩む前にハーブ&ハーブのコースがあるではないか。それに料金も良心的で、町医者のような雰囲気を払拭した店内の雰囲気も真由美は気に入ってしまった。
受け付けで対応してくれたのはこの道が長そうな頭が薄い男性で、まぁ…そうよね……と、想定の範囲内だと自分を納得させる。
施術ベッドが配置される場所まで案内され、待っていると現れた男性を見て、真由美は動揺を顔に出さないようにしなければならなかった。
それは年齢を重ねても爽やかな雰囲気をそのままなくさない、ある俳優とよく似た男性だったから。
こんにちは、指圧とマッサージのコースでしたね………
どこか気になる所とか、不調を感じる場所はありますか……?
落ち着いた声と爽やかな笑顔が真由美の心を打ち抜き、思わず正直に答えてしまった。あぁ……これじゃ中年女を丸出しにするようなものじゃないのよ……と、後悔をしたけれど、もう遅い。
お仕事か何かでお疲れですか……?
今日は身体が楽になって帰られますからね……
うっとりしそうになるのを堪え、仰向けになるように促されてから、バスタオルを背中に掛けられていた。
真由美はまな板の上の鯉になったつもりで、きっと緊張してうたた寝すらできないのだろうなぁと、今から覚悟を決めていた。
彼女を人目見たときはから、久しぶりに上客だと思った。ここを訪れる老人以外の大抵の女性は、こちらを見て表情を変える。この知的そうな女性も一瞬だけ表情に出し、心の内を隠すように表向きの顔の下に本心を隠すのを見逃さなかった。
第一印象はまずまずで、慎重に進めていかなければならない。彼女は気にしない性格なのか、着ているワンピースからブラジャーが透けて見えるじゃないか。白地だが細かい柄があるから分からないとでも思ったのなら、大きなな間違いだ。
遠目で見たらブラジャーの輪郭がよく分かり、近くで見れば尚更である。バスタオルをかける前に、素早く観察したお尻は美味しそうな形をしており、彼女が自ら裾を下げたものだからお尻にショーツのラインが浮き出てしまった。
年齢は30代後半か……いや、40を越えているかもしれないが、その割には努力をしているのか若さを保っている。なにより下着の形が見えないお洒落を未だ楽しんでいるのが分かる。
自分が女であることのブライドと、異性に対する意識がある証拠だと知らせるようなものだ。
お望み通り、その気になってもらおうじゃないか……。
彼は研ぎ澄ました毒牙を煌めかせて、今まさに
脂の乗った女盛りの真由美が餌食になろうとしていた。
汗の臭いは大丈夫かしら……?
メイクを直しておけばよかったな……。
んもぅ…あたしとしたことが、不覚だったわ……
内心で独り戸惑う真由美の肩に柔術師の手が添えられ、肩周りと口周りが解されていく。自分では気付かなかったけれど、思いのほか凝っていたことに気付く。
肩甲骨の周りなんて、こんなに気持ちいいなんて知らなかった。バスタオルがかけられた上からとはいえ、ブラジャーに触れられる恥ずかしさはあるものの、プロである彼は慣れているはずだと思うことにする。
両腕も片方ずつ細やかに手の指にまで及び、やがて指圧されながら彼の手が、腰まで下がってきた。その手が臀部にまで下りてきて、えっ……っと思ったのも束の間、強く押されるマッサージを受けて解されていくのが分かった。
いちいち小娘みたいに反応する自分を内心で情けなく感じ、自分が嫌にある。片方づつ太腿から下に下がり、脹脛から足の裏までマッサージと指圧が加え割れていく。
あれだけ緊張していたのに、深くにも本当に眠りそうになってきた。その真由美に再び緊張を感じたすには、そう時間はかからなかった。
何故なら彼の手が再び上がりはじめ、太腿の付け根まできたからだ。
ちょっとよろしいですか……?
脹脛は第2の心臓と言われるくらい重要なんですが、腿を解すのは同じくらい大事だと我々は考えていますぐ……
直接お肌に触れても構いませんか……?
それは即ちワンピースの下に手を入れてもいいかと、聞かれているのだと同じだった。
真由美はまるで女子高生のように初になり、どう答えればいいのか分からないでいた………。
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