この朝はタイトスカートの類ではなく蛇腹状になった、アコーディオンスカートを選んだ。柔らかい生地だから持ち上げられても一部分だけで済むはずで、密着されていれば周囲に気付かれにくいと思ったのだ。
案の定、彼は真由美が思った通りにスカートの裾を持ち上げ、露出部分を最小限に自らの身体で隠して行為に及んできた。
バスのエンジン音が車内に響き、ひしめき合う人の群れの息使いが早くこの満員状態の苦痛から開放されたいと、不満を吐き出している。
いつものようにショーツの脇から侵入させてきた指が、クリトリスを蹂躙を始めてくる。条件反射のように早くも分筆液が彼の指を濡らし、二本の指が膣口を押し広げるように優しく入ってきた。
控え目な色の口紅を引いた真由美の唇が薄く開き、鼻だけでは追いつかない呼吸を口で補っていく。手先を使う仕事でもしているのか男の節くれ立った指の関節が、膣の中で動かされるたびに力が抜けそうな快感を揺り動かして、吊り革を掴む真由美の指に力が入ってしまう。
にゅりっ…にゅりっ…にゅりっ…にゅりっ………
お尻の筋肉がキュッと締まっては緩み、無意識に下唇を噛む。電車が駅に停車すると男は動きを止め、スカートの中から手を引いた。
いつもならそのまま動かずにいて電車が走り出すと、痴漢行為を再開させるというのに……。
再び電車が動きだすとスカートの後が持ち上げられ、行為が続けられるものっばかり思っていた。
ところが真由美は快感の続きを味わう代わりに味わうたのは、圧迫感を伴う苦痛だった。
間違いようがないこの感触、何度となく経験してきたこの感触に真由美は目を見開いた。まさかこんな公共の電車内で、そんなまさか………。
紛れもなく真由美の膣の中にあるのは指などではなく、男の分身そのものだった。
真由美は気持ちが動転し、焦りに焦った。
周りに悟られないためには動くことができず、車窓の外を流れる風景を見るともなくせず眺めることしかできない。座席に座る人の顔を見る勇気もなく、ただ吊り革を握り締めて体内にあるペニスの存在に神経が集中してしまう。
男が腰を動かせば真由美の身体も不自然に動き、彼も下手に身体を動かせないでいる。それでも僅かな腰の動きが連動してペニスを意識させ、電車の揺れが微妙に手伝って前後させる。
快感を生むというよりこの雰囲気と興奮を楽しむというのか、お預けをされる焦れったさが背徳感を伴って人知れず誰にも気づかれない興奮を呼び起こす。
膣道を埋め尽くす男のペニスが嫌でも意識させ、焦れったくて真由美は腰が無意識に動き出そうとするのを必死に我慢する。
骨盤底筋に力が入り、肛門と膣括約筋が同時に締まる。騎乗位のときのように子宮口に接触してくる亀頭の刺激を得ようと、腰が勝手に揺らめきはじめる。派手に動かせない分、膣壁が収縮するように蠢きを男の分身に伝わっていく。
この状態に慣れていくにつれ薄い快感が幾重にも重なり続け、スローセックス似た快感が身体に染み出すように下半身の筋肉だけを緩めたり力を入れたりを繰り返していく。
お尻に密着する男の肌の温もり、緩やかに微妙に前後させられることの快感が脳を痺れさせられる。人の密集する電車内でどうということのない下半身が繋がる中途半端な状態が、生殺しの最中に真由美を浮かせ酔わせていく。
気が付けば真由美の下車すべき駅名を告げる車内アナウンスが流れ、夢の世界から引き摺り出されていた。
夢を与え続けられていたペニスが名残惜しげに引き抜かれ、スカートが下ろされる。
40を過ぎた女の下半身に甘い余韻を残し、男は人混みに紛れて巧みに姿を消していく。
真由美はただ、途方に暮れるしかなかった。
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