時代の設定が明治から大正とあってその時代に合わせた髪型となり、用意されていた鮮やかな着物に袖を通す。
前もって用意されていた前張りを見詰め、この期に及んで迷いが生じたものの、散々悩んでもう決めたこととして香住は遠慮をさせてもらった。体当たりをするしかないのだから………。
事務所社長に通わせてもらったエステで肌を磨かせてもらったおかげで、白い肌に艶がある。下の毛は時代背景に合わせて見苦しくない程度に整えられ、基本的には自然のままになっている。どうせスクリーンには映らないのだから綺麗にしたかったけれど、相手役の俳優が役作りにこだわる人だから、香住は合わせたのだ。
けれどスクリーンには映らなくともスタッフたちにはある程度は見られるであろうことを思うと、女としては複雑な気持ちになる。香住は自分でも恥毛は濃いほうだとの自覚があり、かつての恋人にしか見せたことがないのだ。
ここまできたら役の女になり切る覚悟を決めるしかない。明治から大正の女に………。
今でいう不倫の関係、という設定だった。
本宅には帰らず愛人宅に向かう主人公が、下駄を鳴らしながら土産の寿司詰めを手からぶら下げて、ゆっくりと歩を進める。
下駄の音に気付いた愛人の女が引き戸を開けて男を出迎え、「あんた、お帰りなさい……」と、嬉しそうに腕を引く。
お酌をしながら2人で寿司を食べ、こっちへ来ないか……という胡座をかく男のそこに香住は収まった。驚いたことに水だと思っていた酒は本物らしく、匂いでそうだと分かる。
台本ではここで主人公が愛人を抱き寄せ、幸せな気分を噛みしめる……とあった。けれどこの俳優は違った。アドリブを見せて香住の着る着物の胸元の合わせ目に、手を入れてきたのだ。普通ならば肝心な所を避けるのが暗黙のルールなのに、この俳優は堂々と乳首を指の間に挟んできたのだ。
香住の頭の上で酒を飲み下すゴクリッ…という音が耳に届き、着物の中では乳房が揉みしだかれることに香住は耐えた。主人公の胸に頭を預けながらこの空間を楽しむ憂いを見せ、指先が乳首を捏ねる刺激がただただ深いだった。
不意に主人公が香住の身体の向きを変え、酒臭い口を重ねてきた。酒があまり飲めない香住は辟易としながら俳優の下を受け入れ、自分がどう映っているかを意識しながら舌を絡ませていく。成功して飛躍したい、事務所を立て直したい……。そんな気持ちだけが香住を支える原動力として動かす。
この俳優の手癖の悪さは、本当だったと実感させられる。すぅ~っと下がってきた右手が着物を掻き分けて下半身へと潜ってきた。香住は身体を思わずピクリっと反応させ、本能的に手の侵入を拒んだが難なく到達されてしまった。
人差し指と薬指で秘唇を開かれ、中指を使ってある場所に触れてくる。クネクネと包皮の上から撫で回し、持ち上げるように下から上へと愛撫が加えられていく……。
さすがにこんなことまでされるなんて聞いておらず、当然台本にもない。この俳優の機嫌を損ねて撮影を中断させれば迷惑がかかるどころではすまず、香住の手から栄光が零れ落ちてしまう。
どうすればいいの、どうすれば………。
気持ちを右往左往させる香住の身体が、反応をはじめてしまっていた。
ヌルッ……っとした分泌液を指先ですくい取りながら、上下左右に撫で回されていく。どんな顔をしていいのか考える暇もなく、本格的な愛撫が続けられ自分でも聞きたくないクチャクチャッ…とした卑猥な水音が辺りに響き渡る……。
屈辱と羞恥心に香住の頭の中を支配され、節くれ立った俳優の2本の指が手入りする頃にはもう頭が麻痺していた。監督をはじめ撮影スタッフたちに見詰められながら、こんな辱めを受けるなんてどうかしてる………。
心では激しい拒絶を示しながら、香住の下半身は涎を垂らし続けていく。香住は不意に乱暴に寝かされると股の間に俳優に顔を埋められ、羞恥心で頭が真っ白になった。この俳優のこんな暴挙を見ても許容される現場が信じられず、憤りを封じる快感に畳から浮いた背中が弓なりにしなる……。
息を止めて切れぎれの喘ぎ声を吐き出し、剥き出しにされたクリトリスをを吸われて身体を震わせる。吸われながら舌先で叩かれ、舐め回されてどうにもならないほどの快感が押し寄せる。
意図せずに腰が浮き、俳優の顔を持ち上げる。
下半身をブリッジさせた香住が身体をぷるぷると震えさせ………初めて人前で達していたのだった。
そんなにいいのか………?
そうか、じゃあご褒美だ………
俳優はいかにも台詞じみた言葉を吐き出すと袖口
から白い物体を取り出した。白く丸みを帯びたそれを頭に叩きつけ、殻を剥いていく。それは何を隠そう茹で卵………。
ほら、ゆっくりと食べるんだぞ………
俳優は香住の入口に押し当てると、ぐいぐいと中に向けて圧力を加えていく。
こんなことは聞いてない、いくらなんでもやり過ぎよ………。
困惑する香住をよそに柔軟性のある茹で卵は白身を歪ませながら、吸い込まれるように飲み込まれていった。
どうだ、美味いか………?
よし、息んで出してみろ………
俳優のその言葉に、香住は体内に入れてしまったとやっと悟った。冗談じゃない、早く出してしまわないと………。
子供も生んだことすらないのに、香住は試行錯誤をして異物を吐き出そうとお腹と下半身に力を加え必死に息んだ。
香住は気付いていなかったが、その様子はズームでカメラに収められていた。白い茹で卵の頭が見えたと思えば中に引っ込み、また見えては膣の中へと引っ込む。やがてむあ〜っと姿を現しはじめた茹で卵が半分ほどが出てくると、外へと一気に飛び出した。
俳優はそれを手の平に受け取ると、満足そうに食べてしまった。酒で口の中を洗い流してしまうと自分の着物の前を掻き分け、撮影スタッフたちが見ている前でペニスを取り出した。
まさか…そんな、本当なの………?
香住の心の叫びは、俳優の男に響くことはない。
ずいっと突き出されたそれが秘唇を押し退け、押し当てられたかと思ったときには、中へと挿入がはじまっていた。
嘘よ、そんな……こんなことが許されるの………?
頭の中がパニックを起こし、混乱をする中で俳優のペニスが10往復する頃には抗う気持ちが萎え始めていた。血管を浮き出させた陰茎が入口を広げながら出入りを繰り返し、中を否が応なく攻め立ててくる。
あたしは今、一体何をしているの……?
現実逃避をはじめた香住の脳裏に、弁当を買いに来るガテン系の常連客、夜の飲食店の常連客たちの顔が一人ひとり浮かんでは消えていく。香住もひとりの大人の女として、常連客たちが自分に対して密かに抱く下心は当然気付いていた。
夜の飲食店はある意味でホステスが売りであり、薄利多売の弁当店は数を売り捌かなければ売上にならない。分かっている、心の隅でどこか申し訳ないと思いながら常連客たちを迎えている。皆んな気の良い人たちだけれど、誰でもいいと言うわけには行かない。
下心のない男性もいるかも知れないが、心許せる相手ならば食事や少しのお酒も付き合うだろう。
大人なのだ、その先の究極にはベッドを思い浮かべるくらいは承知している。けれどスキャンダルは将来の自分の首を絞める事になりかねない。だから自分を戒めてきたのに、それなのに………。
香住の思考はそこで途切れ、切ないほどの快感をひたすら享受するだけになっていく。最後に男性と身体を重ねたのはもう数年前、それ以来は記憶にない。俳優の酒臭い息は、もう気にならなくなった。クリトリスを愛撫される快感とはまた別の奥深い快感が身体を包み込み、俳優に打ち込まれるペニスに正体をなくしていく……。
間もなく最初のオーガズムが訪れ、俳優の身体の下で身体を弾ませた。身を引き起こされた香住を抱き止めた俳優は、両手を背中に回して固定し、乳首を口へと交互に含んで吸いはじめた。それが引き金となって香住は腰を動かしはじめ、カメラが香住の背後に回る。
それを抜かりなく目にしていた俳優が香住の着ている着物を腰の上まで捲くり上げ、香住のお尻の下でぬらぬらと光沢を帯びた陰茎が上下に動く姿を映していく。くいっ…くいっ…っと滑らかに律動する香住の腰がお尻の筋肉を動かし、ペニスを奥まで飲み込んでいく。
子宮の入口を容赦なく刺激され、これまでにない快感が身体の中を駆け巡る。俳優の左腕が腰回りを、右腕が香住の背中を抑えリズミカルな躍動を受け止める。
あ~……あぁ…あぁ〜っ………あ~あぁ〜っ………
甲高い声を上げた香住の背中が弓なりにしならせ……びくひくっ…びくっ……ひくっんっ……と不規則な痙攣を見せた。
再び香住は寝かされると、怒涛のピストンが開始される。
あぁ~いいっ……凄いっ…くふんっ…あぁ~あぁ~…
うわ言のように口ずさむ香住に鍛え抜かれた還暦間近の俳優の腰が打ち込まれ、もはや演技のことなど頭から離れたただの女が悶え狂う……。
まったく好きだね、あの人は………
付き合いの長いスタッフのひとりが、盛んに腰を振る俳優の背中を眺めながら、言葉がひとりでに出てしまった。
よくもあんなに動くものだとスタッフたちも半ば呆れ、しかしながらこれからスターの道を歩むであろう女優を見る。自分たちに見られながら貫かれるストレスは相当のものだろうと溜息が出る。
これも出世の切符だからと、香住にエールを送った。太いペニスをあそこに飲み込み、吐き出しながら女優の足の指がキュ〜ッと折り曲がるのを見ていた。
女がイク姿はいつ見ても堪らない………。
俳優は香住のお尻を両手で持ち上げて引き付け、子宮の入口を突き上げていく。
気が触れたかのように奇声を上げる香住に、俳優の規則正しいピストン運動が続く。
突く、締まる、突く、締め上げられる………。
香住は薄れる意識の中で、俳優が放出する感覚を知った。
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