***孝一郎の告白⑨***
「欲にまみれた汚い大人たちの性の捌け口」とされた私や妹の愛美、そして思いもよらぬ形でその存在を知ることになった姪の若葉と甥の慎吾。あの憎むべき実父と母違いの長兄の悪事。特に若葉と慎吾の時には私自身も驚きという言葉だけでは片づけられない感情を持った。そんな形で人生設計が安定しない中ではあったが、それだからこそ自分の家族そして配偶者である亜季の家族を大切にする気持ちがより一層大きくなった。
双子の愛娘たちも間もなく1歳になる前の夏、亜季の一家が参加していた同好者の会が正式に私が主宰を務める「ナチュラルの会」に統合された。私は研究成果をまとめた著書の印税や講演会などで学内では最も売上金額の多い教員となっていた。ここで得た収入はネグレクトや性犯罪によって傷つけられた少年少女をサポートするNGOやNPO団体に寄付するとともに「ナチュラルの会」の新施設用地購入のための資金としてプールすることとなった。本業の講演会で全国を巡るうちに見つけた九州のとある地域にある集落跡が、地形的に素晴らしい場所を見つけたのだ。今回の会はその説明などもかねてのものだった。
初めての「夏のナチュラルの会」。これまで使ってきた施設を利用させていただく最後の機会だ。今年は若葉と慎吾を新たに「自分の家族」として紹介するとともに愛娘たちもデビューとなった。会には5歳児くらいから小学生の子たちだけでも男女合わせて10数名おりまさに「お姫様」状態になっているのがほほえましかった。妹の愛美のところにも2月に長男が誕生した。うちの娘たちと「同級生」になる。
夜はもちろん「大人の会」である。若葉も慎吾も一度冬に経験しているが、それでもかなり新鮮だったようだ。後で聞くと「何人の方と楽しんだか数え切れなくなった」と興奮気味に報告してくれる。私が性教育関連の出版や講演があることを知る人も多く、思春期の子供たちとのかかわりなどの相談を持ち掛けられることが多かった。それに伴い子供たちのメンタルケアの相談も増えたので、亜季もずっとかかりきりになったのだが、そこは義妹たちや姪のお世話になった。会が終わってからたっぷりとお礼はさせていただいた…金銭面はもちろん体のつながりもあったが…。
この時から5年。ナチュラルの会の集会所ともいえる「ナチュラルパレス」が九州の某所の島に完成した。
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