県大会も終わり夏休みも残り僅か。
団体戦は四回戦敗退。
個人戦は準決勝で負けた。
そして翠は県大会の応援に来ることは無かった。
用事でいけない、それから二人の関係がなんとなくギクシャクし始めた。
大会が終わったら毎日デートしようねと言っていた翠が何かと理由をつけて良太の誘いを断るようになった。
さすがに良太も翠の態度に不審なものを感じるようになっていた。
どうしたんだろう?
何かあったのだろうか?
そんなある日、クラスメイトの井本祥子から電話があり、話があると言われ会うことになった。
公園で話をした。
「大会、惜しかったね、、、」
「まあ、あれが実力さ、、、でもわざわざ応援に来てくれて有難うな、、、」
「ううん、、、わたしが行きたかったから、、、」
祥子はスラリとした美人で頭も良い。
いつもハッキリとした物言いをするが根は優しく面倒見が良い。
クラス委員をしていて、みんなの信頼も高い。
「で、、、話って?」
「うん、、、国枝さん、県大会の応援に来てなかったよね?」
「ああ、用事があると言ってたけど、、、」
「ふ〜ん、、、」
「それがどうかしたか?」
「あのさ、、、辻村君、あの子とは別れた方がいいと思う、、、」
「なんだよ、藪から棒に、、、」
「わたし、この前、彼女が隣のクラスの前川と二人で歩いてるのを見たの、、、」
前川、、、評判の良くない男だ、、、
「二人で歩いていただけだろう?」
「違う、手を繋いでた、、、」
「そんな、、、まさか、、、」
「わたしのこと気づかなかったみたい、、、ヘンに思って後をつけたの、、、」
「それで?」
「二人でラブホテルに入っていったわ、、、」
「そんなの信じられない、、、本当に翠だったのか?」
「間違い無いよ、、、わたし自信が無かったら、こんなこと言わない、、、」
祥子はウソをつくようなやつじゃない。
そこまで言うのなら本当のことなんだろう、、、
それに最近の翠の態度、、、
全て合点がいく、、、
翠が他の男と浮気をしてる、、、
余りのショックで頭の中が真っ白になった。
良太は心配する祥子をよそに思い足取りで家に帰った。
つづく
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