夏休みに入ると良太と逢う機会がめっきりと減ってしまった。
何とか都合をつけ慌ただしくカラダを重ねたが、セックスのよさに目覚めてしまった翠には物足りない。
しかも大会までの二週間、合宿で地元を離れてしまった。
合宿中はスマホは禁止、声も聞けない。
大会が終われば逢える、、、
それまでのガマン、、、
そう思いながらも翠はやはり寂しかった。
それに同じ合宿施設にN女子校も参加していることも気になった。
三田村と良太の距離がこれを機に近づいてしまうのではないか、、、
もしも彼女が積極的にアプローチしてきたら、、、
あの際立った容姿に良太が惑わせられたら、、、
いいや、良太に限ってそんな事は無い。
翠は信じるしか無かった。
ある日、翠は気晴らしに外出し、とあるカフェでパンケーキを食べていた。
これ美味しい、、、今度良太と一緒に食べに来よう、、、
「やっぱ国枝じゃん、奇遇だな、、、ここいいか?」
横川だった。
しかも返事もしていないのに向かいの席に腰をおろす。
「ちょっと、、、」
「いいだろう?友達なんだし、、、」
「あの、、、友達になったつもりはないけど、、、」
「相変わらずお硬いよな国枝は、、、せっかくのイイ女が台無しだぞ、、、」
イイ女、、、わたしが?
あからさまな褒め言葉に戸惑いを覚える。
そして、、、少し、、、嬉しい、、、
横川はそんなことは気にせず話を始めていた。
やはり女慣れしているせいか面白い。
気取りもなく距離感が無い。
それでいて爽やかに整った顔立ち、、、まるで少女マンガの主人公のようなイケメン、、、
話題も豊富で話していると楽しい、、、
確かにこれはモテるはずだ、、、
良太も合宿で三田村とこんなふうに話しているんだろうか?
そんな思いがふと頭をよぎる。
カフェを出た。
「国枝、俺の部屋、すぐそばだから寄って行かないか?」
「えっ、、、部屋って?」
「一人暮らししてるんだ、俺、、、」
「そうなんだ、、、」
「なっ、寄っていけよ、、、」
一人暮らしか、、、
少し興味がある、、、
「でも、、、」
「少しだけ、ちょっと話すだけ、、、それならいいだろう?」
なんとなく断りづらかった。
話しているうちに横川に対するイメージも変わっていた。
噂はあくまでも噂に過ぎない。
悪い人じゃない。
それに彼氏がいることも知ってるし、、、
「う、うん、、、じゃあ少しだけ、、、」
横川の部屋は洒落たワンルームマンションでキレイに整頓されていた。
「へえ〜、キレイにしてるんだね、、、一人暮らしか、羨ましいな、、、」
翠はベッドに腰掛け周りを見渡す。
「まあ大変なこともあるけど、気軽でいいよ、、、」
「ふ〜ん、、、」
おそらくこの部屋には何人も女の子が訪ねて来るのだろう、、、
そして、、、このベッドの上で、、、
以前は女にだらしの無い男と嫌っていた、、、
けれど今は、、、
オンナの悦びを知った翠は経験豊富な前川に興味があった。
どんなセックスをするんだろう、、、
やっぱり良太と違うんだろうか?
そして、、、アソコも、、、
「どうした?国枝、顔赤くなってるぞ、、、」
「そ、そんなこと無いよ、、、」
前川がさり気なく翠の横に座る。
翠はピクンと反応した。
「国枝って、、、本当にキレイだよな、、、」
「えっ、、、そんなこと、、無いよ、、、」
「いや、、、凄く可愛いし、スタイルも抜群だよ、、、」
褒められるとやはり女としての嬉しさが込み上げる。
「そんな、、、前川君こそ、、、イケメンで、凄くカッコいいよ、、、」
わたし、、、何を言ってるの、、、
「国枝に言われると凄く嬉しいな、、、」
熱い瞳で見つめられる。
女を夢中にさせる甘いマスク、、、それに凄くセクシーだ、、、
顔が近づいてくる。
いけない、、、
「ダメ、、、」
顔を背ける。
しかし前川に抱きしめられる。
「好きだ、、、俺、国枝のことが好きなんだ、、、」
学校一のイケメンの前川君が、、、わたしのことを、、、
戸惑いながらも胸が激しくドキドキしていた。
つづく
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