夏休み直前の剣道地区大会に翠は友人の香織と良太の応援に駆けつけた。
土曜日の団体戦で優勝を飾り県大会の切符は掴んだ。
そして日曜は個人戦が開かれる。
良太は決勝まで勝ち上がっていた。
相手は優勝候補の三年生、強敵だ。
試合はもつれたが良太は勝った。
団体戦に続き県大会出場を掴み取った。
面を取ると部員達が駆け寄り抱きつくように祝福される。
良太は微笑みながら二階席にいる翠を見つめていた。
わたしを見てくれている、、、
勝ち誇るわけでもなく、いつもの良太そのままで、、、
滴り落ちる汗が男の魅力を感じさせる。
それを見て翠のカラダは熱くなった。
今すぐ良太に抱かれたい、、、そう思った。
閉会式が終わると良太は女子生徒達に囲まれ声をかけられていた。
他校の子たちもいる。
「翠、早く行かないと辻村君を取られちゃうよ、、、」
茶化すように香織に言われ急いで下へ降りる。
人が多く思いのほかに時間がかかる。
ようやく辿り着くと良太は白い剣道着の女子と話をしていた。
「あれ、、、三田村さんじゃない?」
香織がつぶやいた。
確かに女子の部の優勝者、N女子校の三田村奈々だった。
雑誌でも紹介された天才美女剣士。
昨年は一年生ながら個人戦全国大会に出場し、準優勝して一躍有名人になった。
その奈々がアイドル顔負けの美貌に満面の笑みを浮かべ良太と会話を交わしている。
どうして良太と?
前からの知り合い?
いや個人戦の優勝者同士、ただ労い合っているだけかも知れない、、、
そう思ったとき奈々が良太に白い封筒のような物を渡した。
それを受け取った良太が翠に気づき微笑みながら手を振った。
「おう、翠、、、」
奈々は黙って翠に視線をそそぐと軽く会釈をして、その場を離れて行った。
本当に凄くキレイなひと、、、
それにスタイルも良くて胸も大きい、、、
剣道着でそれほど目立たないが女の翠には良く分かる。
自分が大きいから余計に、、、
嫉妬が込み上げる。
ううん、心配することなんて無い、良太はわたしの彼氏なんだから、、、
「良太、おめでとう、、、凄くカッコよかったよ」
「ありがとう、翠が応援してくれたから頑張ったよ」
二人は熱く見つめ合う。
「あの〜、、、なんだかメチャ熱いんですけど、、、」
香織が二人を冷やかしてくる。
温かな笑いに包まれた。
翌日は終業式で午前で学校も終わり、帰りに誘われ翠の家に寄った。
翠の母の早苗が良太の優勝をお祝いしたいと言ってるらしい。
今日部活は休みだが明日からは県大会に向けて厳しい練習が待っている。
良太は悦んで早苗の提案を受けることにした。
早苗が腕をふるった食事を準備して待っていてくれた。
良太の優勝を心から悦んでくれ三人で食事を愉しんだ。
早苗の料理はいつもとても美味しい。
料理が得意な女性はスケベで性欲が強い、、、
友人が得意気に言った言葉が頭に浮かんだ。
早苗もそうなのだろうか?
早苗は36とは思えないほど若々しい。
翠と姉妹と言ってもおかしくないぐらい。
その上、けっして派手ではないが日本人形を思わせる顔立ちは人目を引くほどの美しさだった。
良家の出とあって滲みだすような上品さと穏やかさに良太は初めて会ったときから憧れのような感情を抱いていた。
背の高さは翠と同じぐらい。
華奢なカラダつきだが胸とお尻にはミッシリとした量感があることに良太は気づいていた。
夫はいわゆる仕事人間でほとんど家にいない。
女の盛りを迎えているカラダは満たされているのだろうか?
貞淑な人妻がその際立った美貌を蕩けさせ、夫の腕の中で激しく乱れる、、、
そんなことを想像してしまっていると不意に早苗と視線が重なった。
何故か早苗は頬を薄っすらと赤らめていた。
「そう言えば、、、良太君、大会ではモテモテだったみたいね?」
「えっ、、、そんなことありません、、、」
「あら、翠が凄くヤキモチを妬いていたけど、、、」
「お母さん!止めてよ、もう、、、」
「だって本当のことじゃない?わたしの彼氏に色目を使うなって怒ってたでしょう?」
「だから、、、もうその話はおしまいにしてってば、、、」
本当に二人は仲が良い。
まさしく美人姉妹だ、、、
「もう、、、良太、わたしの部屋に行こうよ」
「うん、、、早苗さん、ご馳走様でした、、、凄く美味しかった、ありがとうございます」
「ううん、どういたしまして、、、また一緒に食事しましょうね」
優しい笑みを浮かべながら良太を見つめてくる。
その瞳に何か艶めいたものを感じる、、、
まるで今度は二人きりで、、、
そんなふうに聞こえてしまう、、、
あるはず無いだろう、そんなこと、、、
何をバカなことを考えてるんだ、、、
良太は翠の後を追った。
部屋に入るといきなりキスをされた。
思い切り舌を絡ませ合う熱い口づけ、、、
「良太はわたしのものだからね、、、絶対誰にも渡さない、、、」
嫉妬する翠が可愛い❤️
「俺だって翠を誰にも渡したくない、、、」
「嬉しい、、、」
しがみついてくる。
「ねえ、、、三田村さんの手紙、、、何が書いてあったの?」
「ああ、、、お互い県大会頑張りましょうって、、、」
「それだけ?」
「あと、一緒に練習したり剣道の話がしたいって、、、」
「それって、、、良太のこと、、誘ってるじゃん、、、」
翠の目つきが険しくなる。
「そんなこと無いと思うけど、、、」
しかし手紙には写真が添えられていた。
制服と普段着のもの、、、
それに水着姿の写真、、、
さすがに間違って入れたのだろうと思った、、、
しかしその裏には連絡先が書いてあった。
ブルーのビキニが抜群のスタイルに映えていた。
そしてそのバストは翠に負けないほど豊かだった。
けれど心は動かなかった。
俺は翠だけだ。
さすがにこのことは翠には言わない方がいい、、、
余計な心配をさせるだけだ。
そう考えた。
「イヤだ、、、わたし絶対にイヤだからね、、、」
子供のように駄々をこねる翠の髪を撫でる。
「心配するな、、、俺は翠だけだから、、、」
「良太、、、ああっ、抱いて、、、良太と思い切りセックスしたい、、、」
二人は激しく求め合った。
つづく
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