翠は何度も学校で良太に接触をはかった。
しかし返事は返っても態度はつれない。
やはり奈々から情報が入っているのか、、、
しかしそれだったら追及されるはず、、、
翠はほっとする気持ちと不安の中を漂っていた。
そんなとき親友のカオリが声をひそめて話しかけてきた。
「ねえ、、最近、翠元気ないよね?」
「そんなことないけど、、、」
「あのさ、、、辻村君とうまくいってないって、本当なの?」
「えっ、、、なに、それ?」
「噂になってるよ、、、別れるんじゃないかって、、、」
「そんなことないよ、、、わたしたち、ちゃんとうまくいってるから、、、」
「ふ〜ん、、、まあそうだよね、、、翠がそう言うんだから、、、」
そう言いながらもカオリは探るような目つきをしていた。
その数日後、カオリと良太が学校で前を歩きながら話しているを目にした。
何を話しているんだろう?
翠は気になり二人に気付かれないように後から距離をつめて行った。
「、、、今度、、、いいでしょう?」
ハッキリとは聞き取れない。
でも、、、ひょっとしたら、、、わたしとの事を取り持ってくれようとしてくれているのかも、、、
そんな期待をいだいてしまう。
「わたし、ずっと辻村君と二人で逢ってみたいと思ってたんだ、、、」
えっ、、、思わず立ち止まる。
今度はハッキリと聞こえた。
何、それ、、、
まるで、、、誘ってるみたいじゃない、、、
まさか、、、
でも少しだけ見えたカオリの横顔、、、
オンナの表情をしていた、、、
いや、、、気のせいかも知れない、、、
良太は人気がある。
わたしという彼女がいるから誘いをかける女子はいなかったけど、、、
もし二人がうまくいってないと知られたら、、、
いや現に祥子も他の子も、、、
奈々だってこれからはおそらく、、、
もうくよくよなんてしている場合じゃない。
泥棒ネコなんていくらでもいる、、、
絶対に良太は誰にも渡さない。
どんなことをしてでも、、、
翠は決心した。
つづく
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