匠はすぐに次を求めてきた。
翠とのナマの交わりにオスの本能を刺激されたのか、かつてのように激しく貪ってくる。
何度も翠は叫びイカされた。
ホテルを出てファミレスで食事をした。
もう夜の9時を過ぎているが今夜は両親が家を留守にしている。
父は出張、母は友人と旅行と言っていた。
匠は翠が初めての生セックスを赦してくれたことが嬉しかったらしく、手を握りイチャついてくる。
フフッ、、、やっぱり、わたしに夢中なんだ、、、
そんなときだった。
離れた席にいた女がひとりでそばにやって来た。
「あなた、辻村君の彼女だよね?」
「えっ、、、」
三田村奈々だった。
慌てて繋いでいた手をほどく。
「なんで、、、こんな所に?」
思わず尋ねてしまう。
「わたしはそこの警察署で剣道の稽古の帰りだけど、、、あなたこそ、こんな時間に男と二人で何してるの?」
「彼は知り合いよ、、、偶然会ってちょっと話してるだけ、、、」
何とか取り繕うが横から匠が口を挟んでくる。
「翠、、、この子誰なんだ、、、俺に紹介してくれよ、、、」
なにせ奈々はとびきりの美人だ。
アイドル顔負けの、、、
匠はだらしなく鼻の下を伸ばし奈々の顔に見とれている。
さっきまで、わたしのカラダに夢中だったくせに、、、
いいオンナに目がない、、、
それがこの男の正体、、、
奈々はジロリと匠を睨むとすぐに視線を翠に戻した。
「ただの知り合いが名前を呼び捨てにして手を握り合うんだ、、、呆れたわ、、、」
奈々は踵を返した。
「ちょっと、、、」
「あなた、最低ね、、、わたし、もう容赦しないから、、、」
容赦しないって、、、
どういうこと?
まさか、、、良太にアプローチするということ?
まずい、、、大変なことになるかも、、、
もしもこの事が良太に知られたら、、、
別の高校だということがまだ救いだが、連絡先を二人が交換してたら、、、
何とか言い訳して誤魔化さないと、、、
ちょっとふざけていただけ、、、
無理ヤリ、手を握られただけ、、、
それでなくても、まずい雰囲気なのに、、、
わたし、、、何をしてるんだろう?
不安を紛らわせるために他の男に会って、、、
そして彼にもさせていないゴム無しのセックスをして、、、
バカだ、、、どうかしてる、、、
匠は人の気も知らないで、しきりに奈々のことを聞き出そうと話しかけてくる。
この男はあわよくば奈々ともとでも考えているのだろう、、、
自分の顔だったら、どんなオンナも堕ちると思ってる。
一度抱かれたら俺から離れられなくなる、、、
そう思い込んでいる。
常に頭にあるのはセックスだけ、、、
こんな男と、、、わたしは、、、
「うるさい!わたし帰る!」
「な、なんだよ?妬いているのか?仕方ないだろう、、、翠もいいオンナだけど、あのオンナは格が違う、、、」
なんなのこの男、、、ぬけぬけと、、、
「あのオンナ、、、顔もメチャ綺麗だけどスゲェカラダしてる、、、オッパイも翠よりデカいぞ、、、それにもう男を知ってるな、、、、」
まさか、、、相手は良太じゃ、、、
良太の腕の中で悦びの叫びをあげる奈々、、、
さっきのわたしのように、、、
激しくセックスしながら唇を貪り合い、良太が吠え奈々のカラダで射精する。
胸が締め付けられる、、、
頭の中が爆発しそうだ、、、
「もういい、、、」
翠は席を立ち店を出た。
匠なんてもうどうでもいい、、、
それより良太のことだ、、、
何とかしなければならない、、、
どんなことをしてでも、、、
つづく
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