59.~花見の桜より綺麗なのは…~
4月。個人で商売をしてる特権ってやつだな。子供が春休みなので平日なんだけれども、俺も休みにして4人で電車に乗り花見に来ている。(休日より少ないと言っても人は多いな。)
昼間は子供達のリクエストもあり、遊園地にやって来た。桜もたくさん植えられていて、歩道に花びらが舞っている。
先ずは定番の観覧車に乗り込む。すると子供が並んで座ってしまい、夫婦でも無い俺達が並んで座る事になる。
子供達が何の違和感も感じずに自然とそうさせてくれるのが俺達には嬉しかった。
ジェットコースターに乗った時は俺達が後ろの列に座り、子供達が見てないのを良い事に恭子が俺の腕にしがみついたりして来る。
お化け屋敷に入ったら小さな声で
「俊ちゃん。怖いから、手繋いで。」
って若いカップルでも無いのに、子供達に見られない様に恋人繋ぎをして歩いた。(怖い時に「キャァッ!」って悲鳴をあげて手をギュッ~てして来るのが可愛かったな。)
それにしても流石に恭子だ。遊園地で家族連れだと言うのに、お父さん達が通りすがりの恭子を目で追っているのが手に取る様に解る。って言うか、お父さんどころかお母さんでも恭子を見ている人なんかが居た。
『バイキング』ってやつに乗った後。
「お母さんたら、オジちゃんにしがみついちゃって、お父さんに言いつけちゃうわよ。(笑)」
「だって仕方ないでしょ、怖かったんだもん。」
「ま、反対の知らない人にしがみついてたら、それはそれで問題だけどね。(笑)」
って、向かい合わせに座った子供達の目も憚らずに恭子がしがみついてたもんだから、指摘されたりなんかする。
本当は浩ちゃんの役どころなんだろうけれども、年度変わりは忙しくって帰ってる暇も無い様だ…
そう言えば、年末年始もだったけどココ最近は帰って来れてないのか、姿を全く見てない気がする。
夕暮れ。少々早いけれど、混雑する前に食事をしようって事で、昼間は乗ってたけど『バイキング』で食べ放題。(子供って好きだよね。) 満足してくれたところで、腹ごなしの散歩がてらにライトアップされた夜桜見物をする。
「うわぁ、綺麗!」
「大人って、こういうのを見ながら宴会するんでしょ?」
「そうだな。花見で一杯って言ってな、桜に盃で花札の絵札にもなってる位だからな。」
「花札?」
「あぁ、佳恵ちゃんや俊子は任天堂って言うとゲームだろうけど、元々は花札を作ってる会社なんだぞ。」
「へぇ~。 」 なんて歩いてると、驚く事があった。
恭子は他人から目線を向けられたり、時には声をかけられたりなんてあったんだけど、流石は恭子の娘の佳恵ちゃん。
ナンパかと思ったけど、声を掛けた人は俺らより少し年下位の男で、何と某有名芸能事務所のスカウトマンだった。
「佳恵ちゃん凄いね。前から可愛いとは思ってたけど、スカウトされるなんて。」って、俊子も驚いていた。
「もう、恥ずかしい。私、そういう方には全く興味無いから。」と、チョッと迷惑そうな様子だった。
小声で話しかける。
「恭子、凄いな。お母さんも美魔女なら娘までなんて…(笑)」
「もう、バカな事を言って揶揄わないでよ。」
「揶揄ってなんかいないよ。本当なんだから。」
「そんな事言っても何も出ないからね。」
「いつも出させて貰ってるのは俺の方。(笑)」
「もう、バカ…♡」なんて笑って帰った。
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