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投稿者:(無名)
きっと駅構内で目を付けられ、密かに追ってきたに違いない。痴漢集団なる存在を雑誌か何かで目にしたような気がするが、読者を喜ばせる出版社のよくある手法であり、何かのきっかけで耳にしたのなら都市伝説の域を出ない話くらいに思っていたはずである。

それがいま自分の身に降り掛かっているなんて、信じられなかった。痴漢の被害じゃないのなら金品を奪われるのか、佑月は恐怖で身体を硬直させて身構えた。背後に滑り込んだ誰かの手がお尻を弄り、スカートの裾を掴んで持ち上げているのが分かる。痴漢だと分かったところで喜べるわけはなく、不謹慎だけれどなぜ若い女性ではなく自分なのかと後ろ手で抵抗をする。

この歳になって痴漢の被害に遭うなんて、笑い話にもならないではないか。前から距離を詰めてきた男2人にそれぞれ両手の自由を奪われてしまうと、スカートからブラウスが引き抜かれていく。
少なくても成人してから医者と恋人にしか見せたことのないブラジャーを押し上げられ、小豆色の乳首の付いた両胸が露わにされてしまう。羞恥心よりも恐怖心で抵抗出来ない佑月は、彼らのされるがままに乳首を弄ばれるしかなかった。

背後では当然のようにスカートの中へ侵入を果たした誰かの手が、股の下に伸ばした指をこれ見よがしに躍動させてくる。パンティストッキングを引き裂き、ハーフバックのショーツを履いたお尻を撫で回す。忙しなく動かす指がクロッチの幅がやや狭いセクシー路線のショーツを横にずらし、触れてくる。

その指が触れた場所で一旦止まると、触れるか触れないかの微妙なタッチを始めてきた。佑月は相手の反応の仕方から、あることを悟っていた。
これまで身体を重ねてきた男性の誰もが似たような反応を見せてきたから、間違いようはない。
佑月は体毛が濃いタイプらしく、もみあげはしっかりある。眉毛は形を整えるだけで、ほとんど書く必要も無い。だから恥毛も濃密で、腕や脚の毛の一緒に処理をする必要があった。ただ佑月にはコンプレックスがあり、恥毛のすべてを処理するわけにはいかなかったのだ。

それは、クリトリスの存在である。比べたことなんてもちろん無いけれど、思春期を迎えた頃に人よりも格段に大きいと知ってからコンプレックスになっていた。だから恥毛の処理はビキニラインとOライン、Iラインは醜くならない程度に留めて残したのだ。それが返って男心をくすぐる結果となり、アマゾンの密林を切り裂くように卑猥な口を開けたそこから姿を魅せる、クリトリスを際立たせるのだから男は堪らない。

生理が終わってから一週間が過ぎて、排卵日に近づく身体が反応しないわけがないのだ。包皮の上からでも分かる大きさのしこりが指先に触れ、軽く撫でられるだけで心に波風が立つ。内股になる太腿が男の手首を挟み、繊細な指使いで刺激を与えてくる。端なく開く口を覆い隠したくても両手の自由を奪われては、どうにもならない。首を左右に振って見せて拒絶の意思を見せようが、止めてくれるはずもない。

高まる快感に金縁の眼鏡をかけたの奥の瞳を潤ませ、面白そうに乳母を揉みしだかれるだけ。こんな所でこんな事をされて、受け入れなられない……受け入れられるはずがない。でも身体が言うことを、聞いてもくれない。

年齢を重ねるごとに性感の高まりを自覚をしていたけれど、身体がこの快楽を押し退ける事に難儀して、振り解くことを放棄する。スリスリと指の腹で絶妙なタッチを繰り返され、ワナワナと笑う膝から力が抜けそうになる。決して絶頂にまで導かず声を出すわけにわいかない佑月の表情を、男たちは楽しむように笑みを浮かべている。

不意にその手が引かれると前にいる男に口を塞がれ、次の瞬間にその意味を知ることになった。
佑月がくぐもった声を出すのと同時に腰を落とした背後の男が、挿入してきたのだった。硬い杭が打ち込まれ、押し広げるように不法侵入を果たしたモノが、奥まで到達する。口を塞いでいた手が離されると深い吐息を漏らし、佑月の見開いた目から絶望の色を感じ取る。ゆっくりと静かに揺れ始める佑月の身体は、電車の揺れとは異なる動きを見せて前後の揺れを見せる。

信じられないといったショックを顔に浮かべて見せていた佑月の顔が、変化を見せ始める。自分の前に居並ぶ男たちの顔を見る佑月の目が、瞼を座らせて薄く開けた唇から呼吸を繰り返していく。
決して激しくはなく、けれども静かに確実に持続されるピストン運動が雑念を排除させて、快感の享受の一択に専念させていく。

イカせるようなことはせずに佑月の反応を見ながらペニスを巧みに操作をし、佑月の思考能力を奪う。絡みつく膣壁の魅力に男は熱い吐息を漏らし、何とか自我を保とうとする佑月が辺りに視線を走らせて見るけれど、追い縋る快感に再び我を失っていく。

抗うことも蒸しをすることも叶わず、無の境地に立たされた佑月が背徳の甘さに酔わされていく。
誰がどう見下そうとこの快感からは逃れられず、意識は女の業を追い求めることに集中していく。

いつしか車内アナウンスが自分の下車すべき駅の名を告げていることに気付き、恐らく20〜30分も酔わされていたことに佑月は愕然とさせられていた。不意にそわそわし出す佑月の様子に、男は腰の躍動を早めていく。

それだけは、それだけは止めてっ……!

たった数秒前にそう懇願した佑月の気持を嘲笑うかのように、気の狂いそうな快感に我を失っていく。猛烈な快感に支配された身体が硬直し、頭を跳ね上げたままの佑月が身体を激しく揺らす。

頭の中がが真っ白になった佑月から引き抜かれたペニスが、膣口とクロッチの間に夥しい精液を吐き出した。その男が脱力した佑月を抱え、前にいる男がブラジャーとブラウスを直し、ジャケットのボタンを閉める……。



どうやって電車を降りて、自分の部屋に帰り着いたのだろう。佑月は気が付くと玄関の前に立ち竦み、手に鍵を握りしめていた。取り敢えず部屋の中へ入ると、下半身に不快感を覚えてショーツを脱ぎ去った。鼻を突くような精液の臭いがその場に立ち込めて、電車内の出来事が鮮明に蘇る。どうにか中に出されずに済んだことを思い出し、その場にへたり込んだ。

これまでに痴漢をされた経験はあるけれど、挿入されたことは初めてだった。色々と思うことはあるけれど、否が応でも感じさせられたことは事実である。電車内で絶頂に達するなんて、自分でも信じられない………。

あんな中途半端に感じさせられて、絶頂を迎えても心から満足なんてするはずがないではないか。
それどころか身体に火を付けられて、悶々とさせられてどうにもならない。バスルームに飛び込んだ佑月は身体の汚れを洗い流し、ベッドルームに向かった。下着を収納する引き出しを開けると、中からペニスを形どったラブグッズを取り出す。

今夜はこれがないと身体の疼きが収まる気がしなくて、水気を拭き取った身体をベッドに沈める。
ラブグッズの先端をあてがった膣口は、洗い流したばかりだというのに、新たな粘液が漏れ出していた。

足りないと感じる原因は、自分でも分かっている。痴漢に前戯を求める気は無いけれど、あんな中途半端な行為では不完全燃焼のままでしかない。佑月は引き出しからもう一つラブグッズを取り出すと、所定の位置にあてがながらスイッチを入れた。独り暮らしの部屋の中に、今では聞き慣れた騒々しい音が響き渡る。

自分のサイズにフィットをして使い勝手の良さ、その他のことを含めて3つ目で、やっと気に入った物を手に入れることが出来た。吸われながらも繊細に空気の塊が連続して当てられ、形容し難い快感をもたらしてくれる。充血したクリトリスが優しい拷問を受け、利き手でディルドを上下に動かしていく。

2つの乳房を揺らし、ベッドから持ち上る腰が高まる感度を如実に証明させる。落ちかけては持ち上がる腰がブリッジを形成し、苦しい格好のはずなのに手首は動かし続けていく。ズッキーニよりも遥かに太い物体が出入りを繰り返し、やがてこれ以上は持ち上がらないほど腰を弾ませると、下へストンっと下半身を着地させていた。

職場では8人の部下を束ねる管理職の佑月は、その知的な顔をベッド脇にある同じ高さの棚の上、そこに置かた金縁の眼鏡のレンズに自らの顔を映す。計算からすれば排卵日までは、まだ数日はある。その期間は疼く身体を慰めるのは、必須になる。できる事なら本物のペニスが欲しい所だけど、こればかりは痴漢のお世話になるわけにはいかない。

今から恋人を作る時間もないし、出来たとしても今更この今の暮らしから時間のやり繰りをするのは面倒臭い。セックスフレンドを作るなんて現実的ではないし、人には言えない都合の良い目下の悩みのタネだった。

それにしても背後から貫いてきた相手はかなり若い男だということは、耳元で聞かされた小さな喘ぎ声で佑月にも分かった。歳下は佑月の対象ではないけれど、セックスをする相手に限定するのなら悪くないのかもしれない。あんなセックスをする、そんな相手なら………。

柄にもなく佑月はそんな非現実的なことを思いながら、気怠い身体を押してバスルームへと歩を進めていった。


時は同じ頃、プロの痴漢集団がある組織に拘束されていた。日本の治安機関でも民間の警備会社でもない彼らは、秘密裏に当局へと引き渡されているなんて、佑月は知る由もない。

その組織の長は女性であり、電車内での出来事を密かに観察をしていたのだ。独自のネットワークを駆使して当局へと繋げ、1人の青年、いや………少年を手元に残して引き渡していた。その少年とは大人の女の佑月を後ろから貫き、あそこまで酔わせていたので、これは使えると踏んだのだ。

仕事の出来る人物となるか単なる生贄にしかならないのかは、本人次第である。残るはあの公務員の女性の唯一人、彼女をスカウトするだけだった。性に飢えた大人の女性の恍惚とした美しさ、それは追い求める芸術にぴったりなのだから……。

金縁の眼鏡をかけた知的で大人しそうな見た目の彼女が悶える姿を、早く見たいと謎の組織の女性ボス、安西美紀は煙草の煙を静かに吐き出した。




明くる日の退勤後、駅前で安西と名乗る40代の女性に声を掛けられる佑月がいた。差し出された名刺には芸術家を匂わせる肩書が記され、まずは話だけでもと言うので、ファミリーレストランで向き合うしかなかった。

芸術家が接触してくるなんて胡散臭かったけれども、話を聞くうちにモデルを探しているらしいと知って、自分では役不足だと佑月は即座に断りを入れた。そんな佑月に食い下がる安西美紀は駅で見掛けた時から探していたらしく、電車内の一連の出来事の一部始終を見ていたと聞かされて、血の気が引いてしまった。

彼らは検挙され、然るべき罰が下るはずだと彼女は断言する。それならば何故自分に当局から連絡がないのか、佑月の疑問を見越したように彼女は言った。

面倒は、嫌でしょう………?

佑月にはこの安西美紀が敵なのか味方なのか判断がつかず、味を感じられないコーヒーを口に運んで飲み下した。

彼女は、話を続けた。
聞けば聞くほど理解が追いつかない。安西の求める芸術は男女の究極の美しい瞬間を、キャンパスに移すことだと言う。つまりは、セックス………。
写真や動画などの下品なAVと一線を分け、古代はギリシャ彫刻の形で残されてきたように、絵画ならもっと繊細に芸術として昇華させる事が出来ると豪語する。

作品が世に出ることはなく、出たこともない。
秘密は厳守され、あくまでも芸術であることを忘れないで欲しいと彼女は言う。忘れてはならないのは報酬も支払われ、その額は聞かなければ良かったと佑月は後悔した。

生理期間を除いて週に1度だけだとしても、年間にしたら…………。
いくら芸術だと正当化しようと人前でセックスするなんて、佑月には考えられない。ならば見学に来てはどうかと安西に提案され、最初からセックスをするのはハードルが高いだろうから、そこは考えると言う。

受けるつもりはなかったけれど怖いもの見たさというのか、佑月の姿は数日後にはある場所にあった。自分と同世代の女性と佑月よりもずっと若い男性が絡み合い、まるで映画のワンシーンのように美しく、けれど確かにセックスを繰り広げていた。

下品な行為のはずなのにクンニリングスを受ける女性が、限界まで堪える表情はエロチックでありながらその瞬間、瞬間にハッとさせられる美しさが存在することに気付く。艶かしく快感を享受する姿は同性の佑月が見ても卑猥なだけではなく、愛おしそうにフェラチオをして、糸を引きながら口から離すのも目を逸らせない自分がいた。

立派なペニスを繰り返し頭を前後させながら咥え込み、目を閉じて恍惚とする男性の表情に身体が熱を帯びてくるのを禁じ得ない。そして2人は繋がり、体位を変えながら1時間以上も続けられるセックスから目が離せなかった。

女性が絶頂を迎える度に妖艶に怪しく輝き、狂わしいほどに感じる姿におかしくなりそうだった。
あんなセックスを味合わされたら自分は一体どうなってしまうのか、あたしは………。

その場を後にする佑月は、自分のショーツが濡れていることに疑いを持たなかった。あんなものを見せられたら、誰だって………。

3日後の金曜日の夜、佑月の姿は再びその場にあった。お試し期間と称して安西の計らいがあり、着ているものを脱がないで、しかも挿入も無しという事で進められることになった。

驚いたのはマジックミラーが設置され、こちらから向こう側が見えない配慮までされていることで、安西の気遣いと本気度が伝わってくる。控室に通されるとあの時の男性に出迎えられ、恥ずかしくて目を合わせられなかった。

けれど今日の彼は控え要員で、佑月の相手も今日が初日なのだと彼は説明してくれた。ホッとした気持ち半分と残念な気持ちが半分、妙な気分にさせられる。

あの2人が絡み合っていた場所まで案内されるとマジックミラーとなったガラスが張り巡らされ、椅子が1つだけ置かれていた。佑月はそこに座らされ、このマジックミラーの向こう側に生徒たちの目があると思うと帰りたくなった。

そこに気不味そうに姿を表した男性……いや、まだ少年といってもいい年頃の若い彼が現れた。向こう側から女性の声で、指示が飛んでくる。その聞き覚えのある声は安西美紀で間違いなく、いきなり耳を疑いたくなる言葉が佑月にも届く。挿入はないと聞いていたけれど、いきなりそんな………。

申し訳なさそうに佑月の前に膝を付いた彼といえば、美紀の指示には逆らえないとばかりに、佑月の膝に置いた手を左右に開こうとする。流石に抗う佑月だったけれど有無を言わせず力任せに開かれ、佑月が膝を閉じる前に顔を埋めてきた。

何の冗談かと腰を引いたけれど、背もたれに阻まれてしまう。その隙に腰を引き寄せた彼が顔を密着させ、ショーツを寄せたそこへ直に口の温もりを伝えてくる。両手で頭を押し退けようとしてくる佑月の手を掴んだ彼が、舌の躍動を開始する。

動揺を隠せない佑月が目を泳がせながら、助けを求めるように顔を動かしていたけれど………。
不意に頭が跳ね上がり、切なげな表情を見せる。

金縁の眼鏡を光らせながら知的な顔を歪ませて、電気を流されたように肩が何度も跳ね上がる。
やがて佑月は妖艶な女の顔を、見せ始めるようになっていた。

※元投稿はこちら >>
25/09/21 13:08 (VSoypbok)
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