でも数週間が過ぎた頃、
また私の背後にあの密着と吸い込む音が聞こえてきました。
私はじっと耐えていました。
すると、その男は私の髪の毛を
右側の肩に乗せるように動かして
出てきた左側の首筋の香りを嗅ぎ始めたのです。
首に弱い私はゾクゾクしながらも恐怖に硬直していました。
そして、初めて耳元で男の声が聞こえてきました。
「ダメだよ、黙って電車変えちゃ。」
「変えても無駄だよ、だって俺は君を見てるんだから」
…見てる?
たまたま同じ車両だった訳じゃないの?
まさか…ストーカー?
色々考え込んでいた時に首筋に男の息を感じました。
ゾクっとして少し体がビクッと動いてしまいました。
「首、感じるんだね」
「感じる所、これからも見つけていこうね」
「きっと君も俺の虜になるよ」
そう言って私の首筋にキスをしてきました。
どうしよう…逃げられない…
この男はどこまで私を追っているのか…
まさか、職場も自宅も知ってるの?
それとも乗車駅が同じだけ?
もう無理!
そして私は彼に伝えました
「こっ、これ以上…同じ事をしたら…」
「大声だします…2度と来ないで下さい」
フッと鼻で笑う男は
「そうか…残念だな…」
そう言って離れました。
解決…したのかな?
ハッキリ言えば大丈夫なんだ!
ようやく平穏な電車通勤が戻ったようです。
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