こいつ、、、イカれてる、、、
「お前、沼津がいるだろう?」
「あんなヤツ、、、ナギッチのただの代わりだよ、、、好きでもなんでもない、、、ナギッチが相手にしてくれないから悪いんだ、、、仕方なくいるだけ、、、」
「お前、、、代わりの男と仕方なくセックスまでしてるのか?」
「くっ、、、」
ミユキは唇を噛み締め俯いてしまう。
「お前、、、気持ち悪いな、、、」
本心だった、、、吐き気がする、、、
「あんたに何が分かるっていうの!あんな男、、、気持ちよかったのは、はじめのうちだけ、、、今はもう、いつもマサヒロに抱かれながらナギッチの事考えてる、、、
そうしないと感じないから、、、壊れてしまいそうだ
から、、、」
「全部分かってるよ、、、」
「えっ?」
「お前が模試を受けるから応援に来れないと言って、
本当は試験をサボって沼津とセックスして事も、、、講習にも出ないでヤリまくってた事も、、、用事があると言って俺に抱かれた次の日、アイツにキスマークをつけられた事も、、、確かに処女だったけど、他の男達とフェラやクンニをしまくってた事も全部知ってる、、、」
「どう、、して、、、」
ミユキの瞳が絶望に染まる。
「ミユキ、最後の忠告だ、、、自分を見つめ直せ、、、そして自分を大切にしろ、、、お前のしている事は自分を壊してることと同じだ、、、これ以上ミオリさんを悲しませるな、、、人のせいにして逃げるな、、、でも、、、俺の言うことなんか全部ムシしてもいいぞ、、、自分で決めろ、、、これで、、、ミユキ、本当に最後だ、、、」
ミユキはもう涙を流していなかった。
ただ茫然と前を見ていた。
「ナギッチ、、、本当に好きだったんだよ、、、」
「うん、、、俺もだ、、、」
ナギサは立ち去った。
しばらくして事件が起きた。
沼津が逮捕された。
女子中学生をレ○プした容疑だった。
その上、家宅捜索で大麻が発見された。
高校も退学になった。
ミユキも沼津の愛人ということで薬物検査をされた。
そして陽性反応が出た。
もちろん退学になった。
しかし常習性は無いとされ保護監査処分で済まされた。
ミユキは自身の希望で親元を離れ父の実家で生活することになった。
年の瀬も迫ったころ、ナギサの周囲もようやく普段の静けさを取り戻すようになっていた。
そんなおり、久しぶりにミオリから電話があった。
「久しぶりだね、、、」
「そうですね、、、大変だったでしょう?」
「うん、そうね、、、でも大丈夫よ、一区切りついたし、、、でもナギサ君にも迷惑かけちゃったね、、、ごめんなさい、、、」
「そんなことはありません、、、でも、、ミオリさんのことは、ずっと心配してました、、、」
「ありがとう、、、」
ミオリの声がかすれる、、、
「ミユキは、、、大丈夫ですか?」
「さすがにこりたみたい、、、それに夫の実家は凄く厳しいから、、、」
「そうですか、、、」
「わたしはミユキにとっては、その方がいいと思って
、、、うちの実家はミユキにアマアマだから、、、」
「そうです、、ね、、、」
「どうしたの?元気ないけど、、、やっぱりミユキのこと、気になる?」
「はい、、、」
俺が突き放していなければ違う結果もあったのかも知れない、、、
「あのね、、、ナギサ君の考えてることはなんとなく分かるよ、、、でもね、全部ミユキ自身が撒いた種なの、、、それにいくらでも立ち止まる機会はあったは
ずよ、、、だからこそ自分の力で立ち直るしかないの、、、人のことをあてにしたらダメ、、、そして周りも力を貸してはダメ、、、母親のわたしもただ見守るだけ、、、ミユキのためにそう決めたの、、、」
その通りだとは思う。
そしてミオリさんは、本当は凄く辛いんだろうなと思う。
「もうミユキの話はおしまい、、、ねえ、受験勉強の方は順調?」
「それは、大丈夫です。」
「フムフム、、、さすがナギサ君だね、、、」
自信はある、今すぐ試験でも。
「それだったら、、、少しでいいから、、、二人で逢わない?」
「少しですか?」
「ムリ、、かな?」
「少しだけ逢うのはやだな、、、ちゃんとしたデートならムリじゃありません、、、」
「えっ、、、クスッ、、、ナギサ君、子供みたい、、、」
「俺はガキだって言ったでしょう?」
「そうだね、、、でも、凄く優しいガキだよ、、、うん、、、じゃあ、デートしちゃおうか?」
「はい、、、よろこんで、、、」
「ナギサ君、、、ふざけてない?」
「ごめんなさい、、、嬉しくて、つい、、、」
「本当に嬉しい?」
「凄く嬉しいです、、、愉しみです、ミオリさんとのデート、、、」
「わたしも、、、」
その夜、ナギサはなかなか寝付けなかった。
もちろんミオリの事を考えて、、、
ミオリさんはもうきっと眠っているんだろうな、、、
俺なんか、、、ただの年下の高校生だし、、、
デートといっても、ミオリさんはただ逢うだけと思っているだろし、、、
でも俺、、、何をミオリさんに求めているんだろう?
ミオリさんを好きだ、、、
だからこそ、何も求めてはいけない。
そうだよな、、、そんなこと、、、分かってる、、、
いきなりメールの着信音が鳴った。
ミオリから、、、
『もう、寝ちゃった?』
すぐに返事をする。
『起きてます。』
『ひょっとして、勉強?』
『勉強は済ませました。』
『わたし、、、ドキドキして眠れないよ、、、』
えっ、、、
『俺もドキドキして眠れません、、、』
『本当に?』
『本当です。』
『いっぱいデートしちゃおうね。』
『はい、、、本当に愉しみです。』
『ゴメンね、こんな夜中に、、、』
『ミオリさんだったら、いつでもOKです。』
『ありがとうナギサ君、、、じゃあ、おやすみなさい。』
『おやすみなさい、ミオリさん。』
やり取りを終える。
くそっ、余計に眠れなくなる。
でも嬉しさが止まらない。
結局ナギサはほとんど眠ることが出来なかった。
つづく
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