シズクは学業に力を入れた甲斐もあって以前以上の結果を残すようになっていた。
学年で20位台、10位以内も目指せる勢いだがシズクには致命的な弱点がある。
それは数学だ。
幾ら勉強しても結果が出ない。
平均点は上回るが、それでもやはり足を引っ張られてしまう。
もうにっちもさっちも行かなくなったシズクは、最後の手段としてナギサを頼ることにした。
ナギサは学年トップ、数学は得意中の得意と言っていい。
しおらしく済まなそうに相談すると、ナギサは事も無げに俺が教えてやるよと言ってくれた。
涙が出そうだった、、、
シズクはもうナギサには頭が上がらない。
ナギサを裏切ったのに、、、
公平との浮気が発覚してクラスの皆にハブられたときも、シズクの知らないところで手を回し気遣ってくれたと後で友人達に聞かされた。
それが無かったら自分は立ち直ることなど出来なかったと思う。
本来なら今回の数学の件だってナギサに迷惑をかけたくは無かった。
でも心から信頼出来るのはナギサだけ、、、
どうしても頼ってしまう自分が情けない。
あんなことをしてしまったけど今でもナギサが好きだ、、、
いや、以前よりもっと、、、だから彼が望むならどんな事でもする。
シズクは一生をかけても償いと恩返しをすると心に決めていた。
その日、午前中からシズクはナギサの部屋にいた。
もちろん数学を教わるためだ。
初めは図書室でもと考えていたが教えるには不都合だ。
そんなことでナギサの提案でそうなった。
シズクに取っては願ってもない展開だ。
しかしシズクの望むことは起こるはずもない。
そんなことは分かってる。
しかしシズクは女心が騒ぐのを抑えることが出来なかった。
二人きりの部屋、、、
どんなことが起こるか分からない、、、
万が一に備え、とっておきの勝負下着を身に着けていた。
純白の総レース、、、大人びたセクシーなデザインものだ、、、
近頃更に豊かさを増した乳房はEカップでも少し窮屈さを感じるようになった。
谷間もそれにつれ深さを増していることに悦びを覚えていた。
わたしもお母さんみたい大きくなるのかな、、、
そうなりたい、、、そして母のような美しい女性になりたい、、、
そうなればナギサだって、ひょっとしたら、、、
恋人に戻れるなんて思って無い、、、
でも、、、きっとナギサは童貞だ、、、
初めては、、、わたしが欲しい、、、
自分は他の男に捧げたクセに、、、
勝手なのは分かってる、、、
だからこそナギサの初めてが欲しい。
全部わたしが教えてあげたい、、、
一から何もかも、、、
考えただけでオンナの悦びを知ったカラダが疼く、、、
ナギサが求めてくれたら、いつでも全てを差し出す覚悟は出来ている。
恋人にはなれなくてもいい、、、ナギサのオンナになりたい、、、他の男にはもう指一本触れさせない、、、
そんな気持ちを押し殺し、シズクは集中してナギサに教わっていた。
休憩を取り、二人で食事をした。
ナギサの両親は用事で出かけてしまったが母親が昼食の準備をしてくれていた。
「何から何まで、、、迷惑かけてゴメンね、、、」
「気にするな、、、俺はシズクが頑張ってるのが嬉しいんだから、、、」
胸に熱いものが込み上げる。
ナギサは、、、優し過ぎるよ、、、
「あのね、、、お母さんがナギサ君によろしくって、、、」
「そうか、、、」
なんとも言えない気持ちが湧いてくる。
ケンジという男とは別れたのだろうか?
それとも、、、
「そう言えばね、、、最近、お母さん、気のせいかも知れないけど、少しヘンなんだ、、、」
「んっ、、、どこが?」
「この前まではオシャレして、よく出かけてたのに、、、急にほとんど外出しなくなって、、、それに、わたしにはいつも優しくしてくれるけど、、、時々、思い詰めた顔をして考え込んでいることがあるの、、、それが凄く寂しそうで、、、」
「美子さんだって、そんなときはあるだろう、、、きっと大丈夫だよ、、、」
そうか、、、出かけなくなったということは、、、きっと別れたんだな、、、
「うん、、、そうだね、、、それにね、、、今日、ナギサ君に勉強を教えて貰うと言ったら、、、夫婦や恋人が全てじゃ無いって、、、本当に大切な人は側にいるだけで幸せになれる、、、だから絶対に手放したらダメだって、、、」
ジッとシズクがナギサを見つめてくる。
「そうか、、、」
きっと美子はもう大丈夫、、、
そんな気がした、、、
つづく
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