爆サイでEZM中央公園を検索する。
今、射精したばかりなのにペニスは萎えない。カマグラの効果か、前立腺への甘い攻撃のせいか。おかげで、理性のレベルが下がっている。
私が「誰かいませんか」と投稿する。
直ぐに「何したいですか」と返事が返った。
素直に「舐めたいです」と書き込む。
「プロフは」
「168.52.30です。そちらは?」1
「72/62/20です」
「もうすぐ着きます」
「奥のトイレにいます。」
遊歩道を左に薄暗い中に明かりが見える。男女の別をよく確認するが少し迷う。
「男子トイレですよね」
「多目的トイレ占拠しました」
夜の公園は、昼間とはまるで別の顔をしていた。街灯の届かない植え込みの陰に、人影がぽつりぽつりと立ち、互いに視線だけを交わしている。
私は胸の奥で鼓動を早めながら、奥へと急ぐ。誰かに見つかれば一瞬で正体が暴かれる。だが、その危うさこそが私をここへ駆り立てるのだった。
「こんばんは」
背後から声をかけられ、思わず肩が震えた。振り返ると、白いTシャツにジーンズ姿の若い男が立っていた。二十歳くらいだろうか、まだ幼さを残した笑みを浮かべている。
「……学生さん?」
「はい。たまに、ここに来るんです。けど、こんな普通の格好の人は初めて見ました」
彼の視線が私の服に触れる。羞恥と同時に、血が熱くなる。
私は迷った末、口を開いた。
「……普通じゃないんです。ジャージの下にパンスト履いてて、お尻に栓をしている、その線が抜けないように縄で縛ってます。」
告白の言葉が夜気に溶けて消える。逃げ出したい衝動と、受け入れてほしい願望が胸の中でせめぎ合う。
学生は驚いたように瞬きをしたが、すぐに穏やかな声で言った。
「そういうの……面白いと思います。僕、もっと聞いてみたい」
学生の瞳は好奇心に揺れていた。拒絶の色はどこにもなく、むしろ「知らない世界に触れてみたい」という純粋な光を帯びている。
私は一歩、後ずさった。だが逃げるためではなく、彼の視線を正面から受け止めるためだった。
「……本当に、見たいの?」
「はい。だって、隠さずに話してくれたんですよね。だったら、隠さない方がきっと、あなたも楽になる」
その言葉に胸の奥が震えた。誰にも理解されないと思っていた倒錯を、こんな年若い学生が受け止めようとしている。羞恥と安堵が入り混じる。
多目的トイレの灯の下、パンストと麻縄の服装をまとった自分の姿を確かめる。
――そして、この後彼に見せるのだ。
学生は息を呑み、真剣な目で見つめた。
「エロいです。……なんか、ドキドキします」
その視線に突き刺されるような感覚が、背筋を駆け上がる。普段はひとりでしか味わえなかった昂ぶりが、他者の存在によって増幅していく。
私は震える指先を股縄の結び目にかけ、わずかに持ち上げた。
「こうして……見られていると先走り汁が止まらなくなるんです」
彼は何も言わず、ただ観察者としてそこにいた。その沈黙が、逆に私を追い詰め、そして解き放っていく。
夜風が湿った葉を揺らし、かすかなざわめきが耳に届く。そのざわめきの奥に、学生の静かな視線を感じていた。
私はジャージを足首までおろし、パンストに覆われた太ももを露わにした。街灯に照らされる白い肌に、彼の目が吸い寄せられている。
「……こんなところで、アナニーしてるなんて」
自分でも信じられない言葉が唇からこぼれる。けれど、彼がそこにいることで羞恥は恐怖ではなく、昂ぶりへと変わっていく。
学生は一歩も近づかず、ただその場に立ち尽くしている。彼の沈黙が、私を試しているようだった。
「見てて……くれる?」
小さく囁くと、学生は頷いた。
夜気に混じる自分の荒い吐息、そして視線の重み。ひとりでいる時には決して得られない昂揚感が、全身を包み込んでいく。
そして次に私は、「今度はあなた」と自然と女言葉になり、ひざまずいて学生のペニスを取り出した。
陽物はすでにわずかな明かりも跳ね返す緊張ぶりで鈴口には真珠のような液体が盛り上がっている。
咥えて、吸って、はなさなかった。羞恥に震えながらも、学生の視線を受けその目を見つめ返した。うるんだ目で。
睾丸が上がる、すかさず精液を吸い込む、口腔内では収まらず嚥下する。ビクンビクンと喉元で痙攣している。
静まり返った公園を出ようとしたとき、学生が小さな声で言った。
「……また会えますか」
私は一瞬、答えに迷った。名前も知らない相手に約束をするのは、何かが違う気がした。
「偶然、会えたらね」
そう答えると、彼は少し考えるように空を見上げてから微笑んだ。
「今日は、運命だった気がします」
その言葉に、胸の奥が熱くなる。
「それじゃ……また会えるでしょう」
夜風にかき消されるほど小さな声で返し、私は踵を返した。
数日後の昼下がり、私は仕事で大阪市内のオフィス街を歩いていた。グレーのスーツに身を包み、書類の入った鞄を握りしめて。
人波の中でふと肩がぶつかり、振り向くと、あの学生が立っていた。Tシャツではなく、大学の図書館帰りなのか、きちんとしたシャツ姿。
最初、彼は私に気付かない。だが別れ際、握手を交わした瞬間、その手が強く引かれた。
「……やっぱり、あなたですよね」
驚きに目を見開いた私の唇に、彼はためらいなく触れてきた。短い、しかし確かな口づけ。
真昼の光の下で、夜の秘密と昼の現実が重なり合う。
あの日の約束が、静かに果たされたのだと私は悟った。
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