苦悶するゆき子に赤いランプが点灯する何かが向けられ、それがカメラだど認識した時には遅かった。捩じ込んたペニスを男はこれ見よがしに乱暴に突き上げ、縛り付けられたゆき子の身体が何度も浮き上がる。
屈するわけにはいかないいかないと頭では理解しているのに、身体が正直に反応をしてしまう。
頬を引っ叩かれれば痛みを感じるように、乱暴であっても男のペニスのピストンに感じてしまう。プライドが音を立てて崩れていくにつれ、ゆき子の人格までも犯されていく。
下卑た笑いをその顔に浮かべて臭い息を吐きかける男が、腰のピッチを上げて加速する。前職で傾けた情熱、女性の為のセキュリティ会社を立ち上げ、そこでの立場や積み上げてきた苦労が蹂躙されていく。
独りの夜を慰める数種類の大人の玩具が、それがゆき子の身体を成熟度を上げて感じやすい体質に仕上げていたなんて、皮肉以外の何物でもない。奥まで届く男のペニスがポルチオを刺激し続け、とろけてしまいそうな深い快感が打ち寄せる。
囚われの身となった身体が上下に揺さぶられ、堪え忍んできた身体がコントロールを失っていく。
ぬちゃっぬちゃっ……と、音を立てる結合部が細かな気泡を含んで白濁した粘液を、まるで涎のように滴らせ、ゆき子の唇の端からは本当の涎が顎の先へと伝い落ちていく。ブレーキが壊れた身体が直向きに快感を享受して、甘味な頂上へと上っていく。こんな所でこんな男に、屈してしまう。
望まぬ快感に支配されて、自分はもう…………。
遠のく意識の片隅で何かが発生したような気がしたけれど、そのまま失神したゆき子は男達の破滅を目にすることはなかった。ゆき子のジャケットの内ポケットに刺さるボールペンが発信する電波を、受信した謎のチームが急襲したのだった。そのボールペンは安西美紀から送られたもので、夜のデッサンのパトロンは民間の治安部隊にコネがある。美紀、そしてパトロンの楽しみを生む未来のモデルを台無しにしかけた男達は、人知れず僻地へと連行され、その行方は誰も知らないのだった……。
気が付いたゆき子は自宅のベッドで目覚め、理由が分からなかった。慌てて自分の身体を確認すると手足には確かに拘束の跡が残り、夢ではなかったのだと溜息をつく。ハッとして下半身に手を伸ばしたけれど、曲がりなりにもある組織に属していたゆき子は専門家により処置を受けたと理解した。ベッドの横の小さなテーブルに男が手にしていたカメラと、メモ書きが置かれているのに気付く。
連絡を、お待ちしています………安西美紀。
それで、ゆき子はすべてを悟った。
後日、美紀と会ったゆき子は想像通りのことを知らされ、とりあえず自分の動画が拡散されなくなったことに安堵した。美紀のバックグランドのことは詳しく教えてくれなかったけれど、想像はつくから敢えて触れはしなかった。
ただ、大きな借りが出来てしまったことは、間違いない。
それはゆき子の性格上、どうしても返さないと済まないのだった……。
20分ほど早く駅に着き、早足に教えられた場所へと足を動かす。まるでこれからいけないことでもするように、ゆき子は緊張していた。出迎えてくれた美紀に案内されて控室に入ると、そこには爽やかな笑顔を見せる青年に迎えられた。まだ20代後半だろうか、彼は拓也だと名乗った。
いきなり全裸は抵抗があるだろうからと、初日の今日は衣類を身に着けたままを許された。とは言っても仕事終わりに直接ここに来たから、スーツ姿だけれど。一応シャワーを借りて、替えの下着を持ってこなかったことを大いに後悔した。
拓也はバスローブ姿のままなのか、彼に案内されて明るい場所へと出ると生徒たちと美紀が待っていた。自分達の前で半円に広がった彼らの前で、頭から照明を浴びるのは妙な気分になる。まるで見世物のような、何とも言えない変な気持ちという意味である。
美紀から色々と聞かされていたから、痴漢の餌にしているタイトミニスカートを身に着けてきたけれど、大丈夫だろうか。生徒たちは芸術家の卵らしく、あくまで男女の絡みの美しさに芸術を見出すのだという。ゆき子には理解し難いけれど、いわゆる下劣なアダルト作品とは一緒にしてくれるなと美紀はいう。古代ギリシャ彫刻にもあるように男女共に裸体像は存在し、裸の絵画は数多くあるのは周知の事実。タブー視される分野にだって芸術性は確かに存在し、それは受け取る側の純粋さあってこそ成立する。性を楽しむ文化を売り物にする現代において、そこは一線を引く紙一重の芸術は理解できる者が理解すれば良いのだと……。
美紀の指示が、2人に飛ばされる。
ゆき子の背中に身体半分ずらして拓也が密着し、ゆき子の腰に手が回される。一瞬だけ痴漢に下半身を密着される嫌悪感が湧き上がり、身体に力が入る。拓也がゆき子にだけ聞こえる小さな声で、「リラックスしましょう、ゆき子さん」と声をかけられた。ハッとして視線を前に向けると、生徒たちの視線に晒されていることに気付き、今は彼だけが頼りだと思い知る。美紀には借りがあり、それは絶対に返さなければならない。それにこれはデッサンモデルであり、アダルト作品の制作ではなくあくまで芸術なのだと自分に言い聞かせる。
次々に美紀が指示を出しているのは聞こえているけれど、緊張からなのか羞恥心からなのか美紀の指示する言葉を頭で理解することを止めてしまった。拓也の手が腰からすぅ~っとお腹に移動し、彼の身体が真後ろに重なる。あんなにも嫌な男の股間がお尻に挟まり、どういう理由が自分に目を背けたくなった。嫌悪感どころか興奮を覚え、淫らな気持ちが沸き上がってきたからだ。その差は何なのか、邪悪な欲望と言うなれば綺麗な欲望とでも言おうか、拒絶する気持ちが沸かないのだ。
危険な兆候だと、ゆき子は感じていた。美紀はそんな彼女の変化を敏感に感じ取り、指示を声に出さず表情と目で拓也に伝える。付き合いが長くなった2人は以心伝心、相手の意志を感じ取る。
先に進みなさい……本当に?……と言う感じに会話を交わす。拓也は左腕をゆき子のウエストに回し、右腕を乳房の下に回して抱き締める。一回り近い歳上の女性、ゆき子の心臓が早打ちを始めたのが伝わってくる。そして右手がついに、乳房を包み込んだ。ゆき子の身体がぴくりと動き、はぁ~っと吐息がゆっくりと吐き出される。
まるで初体験の時のように身体が硬直し、ブラウスのボタンが外されていくというのに動けず、何ならブラジャーを上にずらされて手の平に包まれるのをされるがままになっていた。死ぬほど恥ずかしく、なのに違和感を覚えるほど生徒たちの目は真剣で、人の欲情を芸術としてキャンバスに描き写している。これが卵とはいえ芸術家という生き物なのかと、妙な気持ちになる。
背中から彼の温もりが離れたと思えば、いつの間にか後ろに用意された椅子に座らされる。胸の前を隠すゆき子の両腕をやんわりと引き剥がされ、拓也のキスがお臍から上へと移動してくるにつれて肌が粟立ち鳥肌を形成する。やはり恥ずかしくてどうしょうもないのに顔を背けることしか出来ず、乳房の周りを彼の唇が這い回る心地良さにその身体が震え出す。まだ彼の手の平に包まれただけで愛撫すらも受けてないのに、硬く突き出てしまった乳首が唇の温もりに包まれる。常識的に考えればとんでもないことを複数人の前でされているのに、熱を持った頭が快感を認識し始めていた。
自分でも理解しがたいけれどぬめぬめした彼の舌が蠢かれて、肩を怒り肩にさせながら甘い表情をする自分を、もうひとりの自分が見ている錯覚を覚える。それだけ冷静に見詰める自分がどこかにいて、現実主義の自分が自分を保とうと踏ん張っているらしい。それを自覚することで羞恥心を煽り、ちゅぱちゅぱっ……と音を立てて吸われる音に頭がおかしくなるほどの羞恥心に身体が熱くなる。
芸術だと頭では理解していても明るい場所で痴態を晒されることに、慣れない頭がパニックになる。やめて……何を始めるというの………。
経験がないわけではない年齢なのにスカートを押し上げようとする拓也に内心で抗い、されるがままに膝を開かされたその奥に顔を埋められる。
すでに湿ったショーツの生地が興奮をした女性の芳醇な匂いを漂わせ、拓也の鼻と唇が擦り上げる刺激に顔を俯かせるゆき子。理由が分からなくなるほど恥ずかしいのに、ショーツがお尻の下を通過して脱がされようとしている。太腿を抜けてしまえば足首から引き抜かれるのは早く、再び膝を開かれて身体が燃えるように熱くなる……。
若い頃に申しわけ程度にしか脱毛をしなかったことを、たった今激しい後悔をすることになった。
そんなに濃いタイプではなかったから、その当時はそれで良いと思っていた。それなのに30歳を越えてからいつの間にか密度がくなり、仕事の忙しさにかまけて手入れをしてこなかったのだ。
仕方なく切り揃えてはきたけれど、彼の目にはどう写っているのかが気になって仕方がない。
その拓也には苔のように短く濃い恥毛がIラインを埋め尽くし、上のエリアには芝生のように癖っ毛が広く生い茂る様子が、ゆき子の性欲の強さを象徴しているように思えていた。色素沈着を見せる小陰唇が濡れて艶を見せ、上の方に突き出た柔らかそうな包皮が意味深に見える。指で淫唇を広げて差し込んだ舌先を上下に這わせ、ツンとした刺激臭を感じながら粘液を絡めた舌先で陰核を撫で回す。
息を止めて肩を震わせているだけだった女は、やがて椅子の背もたれから背中を浮かせ、目を閉じた顔を真上に向ける姿勢になっていた。これまで何人ものタイプの違う女と交わってきた拓也は、ゆき子を喜ばせるくらいは難儀することはない。
感度の具合やどの程度の刺激に耐え、どこまでなら感じるのか手に取るように分かる。繊細に舌先を動かし続けて時間を掛ければ、ゆき子は自分を制御出来なくなり本性を曝け出すまでになる。
クリトリスを剥き出しにしてからは強烈な快感に早くもオーガズムを迎え、休まず舌を動かし続ける拓也に奇声を上げて2度3度とオーガズムを迎えたゆき子が身体を踊らせた。後は早かった……。
椅子から崩れ落ちたゆき子を拓也の上に乗せ、背中を拓也に向ける姿勢で股を開かせる。ゆき子のそこにあてがった先端を息を呑む彼女の中へと、ゆっくり挿入させていった。
羞恥心を自覚させる暇を与えず巨根を飲み込む苦痛に慣れると、生徒たちには濃い口髭を蓄えた男の口が、極太のフランクフルトを咥えているような結合部が如実に晒されていた。歯など存在しないゆき子の膣は巨根を噛みちぎることなく抜き差しを許し、にょりっ…にょりっ…にょりっ…と卑猥な水音を奏で、艶のある陰茎を飲み込んでは吐き出す様子を見せつける。
ペニスの半分ほどが動き回る中でお腹側の膣壁をを擦られる快感に頭がぼぉ〜っとなり、いつまでもそうしてもらいたくて堪らない。自分でバイブを操るのとは雲泥の差があり、感じることだけに集中できる。合法だろうという非合法だろうとこんな世界があるなんて、いや…恐らく社会的にはこんなことは許されないのだろう。自分にリスクはなくこんな目眩く快楽が提供されるのなら……。
さるのなら、手放したくはない……。
どうせ後で頭を抱えるほど羞恥心と道徳心に悩まされるなら、せめて今は、今だけは………。
不意に身体をブリッジさせるように腰を跳ね上げたゆき子は、潮を吹き上げてオーガズムに沈んでいた。いつまでもピストンを織り成すペニスに、じわじわと限界まで攻められたのは初めてのこと。抜けたペニスを拓也は再びゆき子の中に押し込み、執拗に中を掻き回していく。その卑猥さに生徒の中の女性がまた1人おかしくなり、空いている手を密かに下半身へと伸ばしていた。
彼女が控室の拓也を尋ねる日は、もはや近いのかもしれない………。
ゆき子が上り詰めては中に挿入し、また腰を跳ね上げては中に戻す。イキっぱなしになりつつあるゆき子を対面座位に持ち込み、子宮口にゴリゴリとペニスを擦り付けていく。ただそれだけで壊れた何かの機械のように、拓也を跨ぐゆき子の両膝がガクガクと左右に震え、彼女の腰も痙攣を起こす。
呼吸を止めていたゆき子が慌てて息を吸い込み、窒息寸前だったように喉をひゅーひゅーと鳴らして見せる。もう羞恥心を抱く状況にもなくなったゆき子を仰向けに寝かせ、正譲位で繋がる。
紅潮させた顔を堪え兼ねたように左右に倒して、恍惚とさせていた顔が強く感じるたびに眉間に皺を刻む。優しく子宮口を突かれるGスポット攻めがゆき子の背中を浮かせ、身を捩らせながらもう何度目かの絶頂に達する。
かつては権力を手に悪人を退治していた女がまたその身体を揺らし、短くなったゴールを目指して甘い声を上げる。
汗で額に貼り付く前髪なんて気にならず、甘味な快感を貪り食っていく。
そして、子宮口に生温かな何かが広がった。
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