せっかくの休みだというのに、拓也は年季の入った映画館に来ていた。姉の子供たち、つまり甥っ子と姪っ子の兄妹のお守りである。姉の夫…義理の兄の父方の親戚に不幸があり、まだ小学生低学年の子どもたちはグズりだして世話が焼けるので、弟の拓也に白羽の矢が立てられたのだ。
まだ拓也が夜のモデルをする前に、姉には散々と世話になった。早くに両親を失くした2人は先に就職した姉に、貧乏な弟を何かと気遣ってご飯を食べさてくれたのだ。姉に心配をかけまいと何でも無い風を装っていたけれど、姉の目は誤魔化せなかったのだ。これで恩返しが出来たとは思わないけれど、たまには役に立つ弟でありたい……。
7歳と5歳の甥っ子姪っ子たちをプールで遊ばせるとご飯を食べさせて昼寝をさせたあと、今度はこの夏に上映しているアニメ映画を観せるために、映画館へと連れてきた。姉たち夫婦が住む下町は再開発から取り残された地域にあり、街の小さな映画館は昭和の香りが漂う古き良き佇まいを醸し出していた。
座席数もそこそこに押し寄せる子供たちの数に、座れない親は当然のように出る。かつて子供だった自分が親に連れてきてもらった時、座れなかった父親が通路に新聞紙を引いて胡座をかきながら横で一緒に映画を観ていたのだろう。父となった親はかつての父親と同じように、通路に座る姿が何人も見受けられる。拓也たちは遅れてきたからか、最後部の座席になんとか子供たちを座らせることが出来た。拓也は当然座ることが叶わず、後ろで立ち観をする親たちに並んで立つことにした。
最後部の座席に座った甥っ子姪っ子たちがこちらを振り返り、金属の手摺りの間から面白そうに見るものだから拓也は手を振って見せる。不意に隣に立つ人が腕を軽く叩くので、その人の顔を見て拓也は驚きを隠せなかった。なぜなら美山麻里、その人だったのだから………。
彼女も驚きながら、面白そうに拓也の顔を見詰めて笑顔を見せる。話を聞くと実家がすぐ近くなのだというから奇遇だねと、拓也も事の顛末を麻里に話して聞かせた。不意に館内が暗転すると上映が始まり、壁際に置いた荷物を退かして麻里を隣に引き寄せた。2人の間には四角い柱があって、麻里は自分の子供を身を乗り出して見なければならず、こうすれば拓也の甥っ子姪っ子と並んで座る我が子の様子を、目の前で見ることができる。
上映が始まって早くも映画に夢中になる子供たちは、ここから1時間以上はスクリーンから目を離さなくなる。身体をピタリと密着してくる麻里が何を考えているのか、手摺りに両肘を乗せる拓也は密かに期待していた。彼女とはつい3日前に熱い交わりをしたばかりで、次は一週間もまたなければならなかったのだ。麻里の手の温もりが太腿に這い上がるのを感じながら顔はスクリーンに向けたまま、拓也は股間に触れる細い指がチャックを下げるのを黙っていた。
不意に麻里が姿を消すと、下着の中から引っ張り出されたペニスが温もりに包まれるのを感じた。
目を閉じて彼女の舌が這い回る心地良さを堪能すると、ペニスの根元まで飲み込まれる感触に変わる。思えば麻里にフェラチオを受けるのは初めてのことで、人妻の凄さを思い知る……。
自分のペニスのサイズを考えると麻里が心配になるけれど、彼女はそんなことは苦にならないと言わんばかりに頭を前後にさせる。甘くとろけそうな快感に酔いしれて、映画の音に紛れてお構いなしに卑猥な音を立てながら愛おしそうに、また唇に包み込む。痺れる刺激を覚え、拓也はこのままでは射精してしまいそうで麻里の頭を引き離す。
どうしてなの?……と、不服そうな顔をする彼女を立たせると、スカートの中からショーツを引き下ろす。片方づつ足から引き抜くと、しゃが見込んだ拓也の肩に麻里の片脚を担ぎ、スカートの中に頭を潜らせる。下着を着けない彼女の下半身をまともに見るのは初めてのことで、予想していたように下着に隠れる中身は燃えるよう縮れたな恥毛が生い茂り、すでに溢れ出る愛液にへばり付いている。
拓也は喉に纏わりついて呼吸困難になりながら、その吸い取った愛液を飲み下しクリトリスに吸い付いた。この手の強欲さを見せる女性にありがちなサイズのクリトリスを持つ麻里は、上唇で包皮を持ち上げるだけで、茹で卵のようにつるりとその姿を簡単に表すくらい大きい。まるで小指の爪サイズ……いや、彼女のモノはそれよりも少し大きいかもしれない。
唇で吸着しながら舌先を縦横無尽に動かし続け、堪らずに腰をゆらゆらと揺らしながら拓也の顔に押し付ける。映画に夢中になる我が子と拓也の連れ子たちの頭を眺め、周囲に視線を走らせて自分に関心を寄せる人がいないかを確認する。自分たちを阻む柱の反対側に立つ人にも注意を払うと、父親らしきその人はスクリーンに向けている顔を、時おり目の前に座る我が子の頭を見ることに余念がないようだった。
スカートの中でお尻の肉に指を食い込ませるように掴まれ、彼もまた恥ずかしいくらいに音を立てて麻里を不安にさせる。それでもそんな気持ちから引き剥がされる快感に声を上げそうになり、折り曲げた指を噛む痛みで意識を保とうとする。
彼の唇に囚われの身となった麻里の化身が高速に動く舌先、舌の表面を押し付けて蠢くようにする愛撫に気が狂いそうになる。座り込みたくても片脚を担がれついてはそれも叶わず、手摺りを握りしめて髪の毛を振り乱すのが麻里の出来る精々のこと。
クリトリスのカリ首まで唇に包まれて、強弱をつけた唇が付かず離れずそこを刺激してくる。
何これ……!?……駄目……嫌……駄目………
絶えず舌を押し付けられながら蠢かれ、唇をすぼめてクリトリスの付け根をミリ単位に刺激され続けた麻里が背中を弓なりに反らせ、頭を後ろに向けたまま身体を硬直させる。顎を上げて喉を露わにしたまま身体を跳ねさせた麻里を、慌てて拓也は彼女の背中を抱え込む。どこまでも苦しくて、それ以上に狂いそうな快感は終焉を迎えた。
脚を降ろされた麻里はその場にしゃがみ込み、彼によって立たされると後ろからあの苦しみを打ち込まれて、頭を跳ね上げた。ズイズイと沈めてきては後退させ、また少しづつ沈めてくる。麻里は彼の優しさを感じながら、奥に到達したのを感じて深い吐息を吐き出す。そして静かなピストンを切り出す彼の腰が、エラの張ったカリ首が麻里の膣壁を擦り上げていく。ぬっちゃっぬっちゃっ……と揺れ動く杭が、スクリーンの明かりに照らされる麻里の顔を恍惚に染める。
不意に我が子の頭が動くのに気付き、振り向いた娘が笑顔を向けてくる。母親が側にいないことで不安にでもなったのだろうか、その姿を確認して安心したような表情をする我が子に、とっさに作った母親の笑顔を返す麻里。母の笑顔しか見ていない子供はその後ろにいる拓也には関心がなく、異変を感じてスローペースに落とした拓也だったけれど、それでも麻里は笑顔が歪まないよう必死だった。少しの間だけでも動きを止めてくれればいいのに、その大きさゆえにゆっくりした動きでも注がれる快感のクオリティーは変わらないのだ。
ほら、前を見ないと見逃しちゃうわよ………。
母の笑顔に安堵し、映画を見なさいとする仕草にやっと映画鑑賞に戻った我が子を確認して女の顔に戻る麻里。勢いをつけた攻めにシフトした拓也に身体を揺らす麻里が、目を閉じて背中を反らせていく。母の顔と女の顔を使い分ける麻里が深く咥え込んだ拓也のペニスに酔いしれ、余すことなくその快感を享受していく。拓也も癖になりそうな麻里の締付けかたに歯を食いしばりながらも、最後のスパートをかけていく。麻里の膝が折れ、腰が落ちてそのお尻が押し付けられても、拓也の攻めは続けられていく。視界が白く霞んでいくのを自覚する麻里が呼吸を止めて、不意に反らせていた背中を伸ばすように跳ね上げた。
その場に座り込んだ麻里を抱き起こし、手摺りに背中を預けさせると片脚を持ち上げ挿入する。
彼女が身に着けるTシャツを捲るとブラジャーをずらし、腰を使いながら乳房にむしゃぶりつく。
まるで小指をしゃぶっているかのようなサイズの勃起した乳首を、舌でなぶり倒す。吸って甘噛をして、また舌でクネクネと押し倒す。悩ましげな表情を見せる麻里と唇を重ね、舌と舌を絡み合わせて彼女の唾液を吸い上げ、拓也の唾液を彼女に分け与える。
ねぇ……またイッちゃう………
苦しげに喘ぐ麻里が、やっとの思いで伝えてくる。それは拓也も同じ、もう限界はすぐそこにある。腰の速度を上げて麻里の子宮口を繰り返し何度も叩き、拓也にしがみつく麻里が恍惚としていた表情を弛緩させる。半開きの目が半分ほど裏返り半分が白目になると、完全に閉じない口をぱくぱくとさせる。怪しい表情の麻里が言葉を吐息に乗せてはぅはぅ……とさせながら、嫌々をするように顔を振る。そんな麻里が硬直させた身体で拓也の顔の目の前で、その顔をプルプルと震わせて果ててしまった。
そんな拓也も顔を震わせる麻里に強烈な締付けを受け、膣の中で身動きの出来ぬまま放出していた。そのまま暫く繋がっていたいけれど、いつまた子供が親の姿を探して振り向かないとも限らない。身体を離して膣から流れ出る精液を拓也はそっと拭い取り、麻里を前に向かせ立たせた。
アニメ映画は佳境を迎え、幸いに子供たちといえばスクリーンにかぶり付いている。疲労困憊であるはずの麻里が拓也の手を求めて自分の手を彷徨わせ、拓也はその手と繋ぎ合わせる。2人はまるでお互いの手を性器に見立てて指を這わせ、指の付け根や指の腹、手そのものを指先で愛撫し合っていく。まだ名残惜しくて仕方がないとでもいうように、仕舞い込む前の拓也のベニスをその手に掴む麻里。射精をさせるための愛撫ではなく、女を感じさせるパーツを愛おしむことで、精神的な満足感を得たいらしい。柔らかい麻里の手の平と細い指に弄ばれて、次第に元気を取り戻していく拓也のペニス………。
2人は唇を重ねて粘膜の接種による心地良さを再確認すると、射精やオーガズム必ずや目的としない交わりの欲求を強く感じて、再び麻里の後ろから繋がった。
冷静な状態で感じる拓也のペニスはそこにあるだけで心地良く、拓也もまた麻里の中に収まる心地良さと温もりから例えようのない安堵感を覚える。流線型を成す亀頭がゆっくり突き進んで後退し、カリ首が優しく擦り上げる感覚に目を閉じる。拓也も滑らかな膣壁の纏わりつく感触が心地良く、複雑な凹凸が織りなす堪らなさ、狭い場所に集中するザラつきが癖になる。
ゆっくりゆっくり躍動させながら見るともなく目を向けるスクリーンが、2人に現実世界を突き付けて禁断の交わりに背徳感を抱かせる。少しづつ湧き上がる興奮、欲情が麻里に火をつけて口呼吸が始まる。拓也がTシャツの裾から手を入れると、ブラジャーをずらしつ乳房を手に包み込む。汗ばんだ彼の手に揉まれながら後ろから突かれ、ゆっくりと感度が上がるにつれて堪らなくなる。
映画はラストシーンに近づき、拓也の腰がペースを上げる。目眩く快感の波が幾重にも押し寄せて麻里の視界が歪み、声が出そうになる。
スカートの中に差し入れた拓也の手がクリトリスを弄び、麻里が急速に上り詰めていく。エンドロールが流れるスクリーンを観ながら俯く麻里が髪の毛を揺らし、次第に背中が反り返っていく。
膣が強かに締め上げられる、ペニスの動きが制限を受ける、子宮口に接触した亀頭が周辺の壁の蠢きに悲鳴を上げる………そして…………。
映画に満足した彼女の子が、母親の麻里を探して振り向いた。ハッとした麻里が笑顔を作ったその顔のまま、拓也が中で射精をするのを感じていた。その瞳を潤ませながら我が子の相手を続け、脈動を続けるペニスが精液を吐き出す心地良さに恍惚としながらオーガズムに達していた。
拓也は急いで麻里から離れ、垂れ流れる精液を拭き取って立ち上がる。拓也の姿を探す甥っ子姪っ子が彼の顔を認めると不安そうな顔を、笑顔に変えて走り寄ってきた。拓也と麻里は会釈をしてそれぞれの方向へと、映画館の出口から別れて歩いていった。葬儀から戻るまで子供たちの相手をしていた拓也は急いで帰宅した姉夫婦に彼らを託すと、やっと帰路につくことが出来た。
ただパンツのポケットに違和感を感じ、あのとき麻里のショーツを仕舞い込んでいたことを、すっかり忘れていたことを思い出す。申しわけなく思いながら思わず鼻に押しあて、いやらしい麻里の臭いに次に会うまでの日が、待ち遠しくて堪らなかった。
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