放心していたというのか、ここ最近の唯は心ここにあらずな状態が続いていた。
友達との会話の最中でも「ちょっと唯、聞いてるの?」と、いったように………。
生理が始まったことであの場所にはしばらくの間は距離を置ける、それは救いだった。
愛のないセックスは反対だなんて言うつもりはないけれど、人前で晒されながらだなんて分かってはいたつもりでもやっばりショックだったのだ。
帰り際に手渡された封筒は中身を見ずにいたので、開いて見たのはつい昨日のこと。報酬金額を見てびっくりしたいたのは言うまでもない。もう数年続けている夜のファミリーレストランのウエイトレスのアルバイトの給料の四分の一が、一夜にして手に入っていたのだから。
驚いて返そうと思い、プライベートで話すことはないだろうと思っていた彼女に思わず相談をしていた。客員講師としての麻子は、快く笑顔で受け入れ話を聞いてくれた………。
彼女は返す必要はないと、きっぱりと唯に言う。
拓也も麻子も体を張ってあの仕事を受けているのだし、唯も正当な報酬なのだという。
びっくりしたしたのよね、でもあの仕事を受けるにあたって深く考えたり意味を追求する必要はないの………。
あまり大きな声では言えないけれど、生徒たちって見た目にも年齢はバラバラだし、貴女と同世代の学生もいれば社会人もいるのよ………。
あの人達が描いたデッサン画はそれを元に抽象画にされて、例えば男性器は鋭い爪のある手足を持った龍が滝を登る姿になったり、女性器は岩肌を利用した洞窟の入口とかね………。
離島の火山の噴火口とか、ほら命が誕生するところじゃない……?
性器はエネルギーのある部位だから、自然の世界でもエネルギーを発生する神秘さと融合させるとか、芸術家の考えることはよくわからないけれどそういことらしいわね………。
開かれる個展でそれらの作品は、展示されるの。
そして元となるデッサン画も、ね………。
あのね、出資するパトロンが存在して、秘密裏に開催される個展は会員制なの………。
だから一般の人の目には晒されることはないし、エロチズムの中に芸術性の価値を見出す人種だから特殊と言えば特殊よね………。
人には理解されない少数派の芸術家というのは今も昔も存在していて、人目を避けて活動するものなの………。
セックスを見せるだけならAVや性風俗の世界で良いわけだし、あくまであたしたちはモデル以外の何者でもないわ……。
例えば昆虫が羽化する瞬間を捉えた写真があるでしょ……?
今は画像とか動画に収められるけど、火山の噴火だったり、どこかの国の秋の草原で、種を付けた綿毛が風に乗って一斉に飛び立つ光景とか………。
同じ尺度であの人達は人間の身体に着眼点を置いて、セックスの中の美しさを追求するの………。
悪趣味と言えばそれまでだけど、見方を変えれば性器が濡れる光景はあの人達にとって神秘的でしかないし、肌に汗が浮かぶ感じも男女が……つまり繋がる作業も、その最中の表情すらも芸術として捉えるの………。
人間だから興奮を覚えるかもしれないけれど、それをキャンパスに写す原動力にするのが生徒たちなの………。
あっ、そうそう、あたしたちが受け取る報酬というのはね、さっき説明したパトロンが出してるみたいだから気にしなくてもいいの………。
どんな人物なのか知らないけれど、どうせ変り者のどこかの会社の会長とかかもね、知らないほうがいいわ………。
理路整然と語る麻子の話に唯は肩の力が抜けていくのを感じ、辞めたいのならそうすればいいし、続けるのはなら深く考える必要はないと言われて気持ちが楽になった。まだ完全には割り切れないけれど、その夜から唯は生理中なのに強い性欲を感じるごとになり、身体の疼きに戸惑うことになる。だってあの羞恥の中であんなに激しく感じさせられたことは、初めてだったのだから………。
生理が明けて3日目、控室に姿を表した唯を見て拓也がホッとした顔をする。てっきり辞めてしまったと思っていたからだ。麻子と拓也のように振る舞えるには、どれだけの場数を踏まなければいけないのか。着替える際にまだ拓也の姿を恥ずかしくて、目のやり場に困ってしまう。そういえばガウンからバスローブに変わっていることに気付いて、こちらのほうが肌触りが好きだと思った。
相変わらず美紀の感情のない指示が次々に飛び、バスローブの胸元から露出させられた乳房に拓也が口を付ける。かぁ〜っと赤くなる耳がショートヘアから覗く唯は、すぐに分かる。出来るだけ顔に出さないようにするけれど、弱いところだけに感じても我慢しなければならない。次第に熱くなる身体を後から抱き締められ、バスローブの合わせ目から入れられた拓也の手が胸から肌を伝って脇腹からお腹を這い進む。それだけなのに性的な興奮が高まり、羞恥を隠せない唯の目が潤み始める。
手を通して心臓が早鐘を打つのが分かり、拓也は久しぶりに同年代のの女の子に愛おしさを覚えた。美紀の指示は容赦がなくて、さすがの拓也も唯にそれはまだ早いんじゃないかと危惧をする。
戸惑う拓也に対して驚いたことに唯は冷静に受け止め、いや……表面上は平静を装っているに過ぎない。だって拓也の顔を跨いで腰を下ろさなければならないのだから………。
生徒たちに身体を正面に向けて、着ているバスローブに隠れた拓也の顔に座ながら身を捩る……。
チロチロと動く彼の舌先が敏感なところを捉え、優しく何度も吸われて身体が反射的に動く。指の1本1本を交互に絡めるように手の平を重ね、下から支えられなければ上体を起こしてはいられない。バスローブを閉じていた紐が緩み始め、合わせ目が開いたことで悩ましげに喘ぐ唯の股間に、埋もれる拓也の頭が生徒たちの目に晒される。
Cカップほどの小振りの乳房が弾み、くねらせた身体がピクリと反応するたびに揺れ動く。証明に照らされた乳首が硬さを誇示して突き出ているのが分かり、ハンッ……ハァンッ……と、甘い吐息を勢いよく漏らす唯が、羞恥心を全開にして顔に出す。ねっとりと絡みついていたと思えば素早く動かされ、不意をついて優しく吸ってくる。こんな恥ずかしい格好で感じさせられて、羞恥心が感度を間違いなく押し上げる。
駄目、いっちゃう、我慢できない…………。
背中を反らせた唯が胸を突き出し、左肩に頬を押し付けたまま身体を弾ませる。思わずバランスを崩した上半身を前に倒し、床に両手をつけながら肩で息をする。今度は生徒たちに向かって身体を横に向け、シックスナインを要求する美紀に従って拓也の亀頭が唯の口の中に消える。エラの張った亀頭に苦戦する唯が、過敏になったクリトリスに舌先を動かされて足が床から飛び跳ねる。足だけではなく丸めた背中が動き、ペニスを咥えた口から唾液が漏れて、光沢を帯びた陰茎を生徒たちがキャンパスに正確に写し取っていく。陰影をはっきりとさせて光る陰茎が立体的に描かれ、弾けんばかりに勃起したペニスが、まるで脈打っているかのような躍動感を与えていた。
ペニスを咥えた唯が必死に上下させていた頭を彼の太腿に寝かせ、ペニスを握ったまま激しく喘ぐ。起こした頭を激しく左右に振って髪の毛を乱し、顎を跳ね上げたまま身体を硬直させ、2度目のオーガズムに身体をバタつかせる……。口を離しても唯のクリトリスは包皮から飛び出したまま姿を誇示し続け、艶々と輝きを近くまで寄って見ていた生徒たちの目に焼き付かせる……。
力なく身体を起こした唯が生徒たちに向かって四つん這いになる指示が飛び、苦悶の表情を見せつける。メリメリと音がしそうな広がり方をしながら膣口が拓也のペニスを受け入れ、内蔵が押し上げられるような圧迫感が唯の眉間に皺を刻む。
拓也もまた唯の狭さに苦しみを覚え、ゆっくりと慎重に何度も後退しながらやっと奥に到達する。
大きく溜息をついてホッとした表情を浮かべる唯が、目を閉じながらゆっくりと身体を揺らしはじめる。
やはり眉間に皺を刻みながら下唇を噛み、何度も俯いては頭を起こす。苦しみが完全に消える前に少しづつ湧き上がるあの感覚へと入れ替わり始め、力が込められていた瞼が緩むと小首を傾げて小さく口が開く。決して勢いをつけず抜ける寸前まで後退させたペニスを、何度も根元まで沈めていく。濡れた粘膜が発するいやらしい音が、2人の結合部から静寂の中に鳴り響く。相も変わらず
張り出したカリ首が執拗に膣壁を研磨して、床に肘をつけた唯が前に手を伸ばしながら眉尻を下げ、甘〜い表情、切なげな表情、大人びた恍惚の表情を見せつける。
入口から奥へと動かされるタイミングが堪らなくて、出口に動かされる時も堪らなくて、加減されても消えなかった子宮口への接触もこんなに感じるなんて…………。
ズイッ……ズイッ……っと打ち込まれるうちに上体を支えられなくなった唯が床に突っ伏すと、お尻を上げたまま我を忘れて脱力する。
美紀の指示により拓也の膝に乗せられ、脚を開いた拓也の外側に唯の膝から下が垂れ下がる。股を開かされたそこが生徒たちに露わとなり、後手についた両手で唯の体重を支えた拓也が腰を突き上げる。結合部を半分ほど上下に動く陰茎が、小さく細かい気泡が集まり白濁した粘液が絡みつき、抜き差しする陰茎と共に生々しく上下する。
セックスという交尾を楽しむ文化を得た人間の、官能に飲み込まれた女の美しさを懸命に描き写し、唯の恍惚に揺れる様に下着を濡らす女生徒。
やがて対面座位を命じられた2人は膝の上で前後に腰を揺らす唯を拓也が支え、上下に腰を下ろす彼女が声を上げてオーガズムを迎えるまで生徒たちを釘付けにした。
体位を変えて正常位で貫かれる唯が喘ぎ狂う姿は決して美しくはないけれど、醜さの中に見え隠れする狂気を生徒たちによって、生々しくデッサンの先にキャンパスの上へと命を吹き込まれていく。
激しく出し入れされる結合部、肌の接触する音、真っ赤に染まった顔を揺らして狂う若い女……。
顎を何度も上げて顔を左右に倒し、ブリッジさせるように床から背中を浮かせ、そして………。
息を呑む長い静寂が過ぎると巨根が抜けた膣口が洞窟のように口を開け、時おりまだ身体を痙攣させる唯が、濃い粘着性と水っぽさの混じった白い精液が流れ出るのを生徒たちは黙って見詰めていた。
生徒たちの全員が帰ったはずなのに、その中のひとりがトイレからひっそりと出て控室へと向う姿を美紀は気付いていた。
あんな光景を見せつけられ続けたら、仕方がないわね………。
美紀はガス抜きのために女生徒の秘め事は、見て見ぬ振りをすることにしていた。そうでもしないと自分をコントロール出来なくなるし、美紀本人も拓也を時々は味見をしているのだから…………。
シャワーを浴びる浴室の曇りガラスの向こうに、女性のシルエットが見えた拓也はてっきり美紀だと思っていた。40歳半ばくらいに見える彼女は縁無しの眼鏡をしているから、あの生徒たちの中でも印象に残っている。確か公務員の彼女は役人臭さを身に纏い、グレーかネイビーのスーツ姿で眼鏡の奥で瞳を光らせている。髪の毛を後ろで結んだ地味な印象で、それなのにスーツを着た身体のラインが目を引かせる女性だと、いつも感じていたのだ。
独身なのか薬指には指輪が見えず、羞恥心を見せながらバツが悪そうに俯かせていた顔を起こして何がを言おうとする。そんな彼女の唇を唇で塞いで抱き締めると、身体の力を抜いて体重を預けてくる彼女。そんな彼女も旺盛な性欲を露わにして両手でペニスを掴み、年増の女の実力を発揮する。唯との営みで2度の射精をしていなければ危なかった、そう拓也に思わせる。押しかけてきたわりにはブラウスを脱がそうとすると、拒む彼女の胸の前をやや強引に開き、唯と同じサイズ感の小振りな乳房にむしゃぶりつく。若い唯と違って色素沈着が進んだ乳首は大き目で、拓也の好みだったこともあって愛撫には時間をかけた。若い頃は美人だったはずの彼女は年齢を重ねた今、立場もあってあまり自分を表に出さないのかもしれない。本来の彼女は乳首を舌で転がされながら見せる色気のある女性のはずで、落ち着いたしっとりとした大人の女の深い魅力を拓也に感じさせる。
腰掛けるだけで美紀と交わる以外に使うことのない壁際に置かれたソファーに彼女を押し倒す。
クンニリングスを受けることに恐らく本気で抵抗を見せた彼女の下着は、スカートを捲り上げるとクロッチ部分が色を変えるほど濡らしていた。
さすがに乳首への愛撫だけでここまでになるはずはなく、唯との交わりを見てここまで濡らした事を知られたくはなかったのだろう。申し訳なさと彼女のいじらしさで、麻子にするのと同じくらい丁寧に、執拗に彼女を愛した。全ての愛液を舐め取るまで舌を這わせ、新たな愛液が止まらなくなるまでクリトリスを弄ぶ。頭を掻きむしってくる彼女の手と自分の手をそれぞれ繋ぎ、逃がしようのない快感を腰をうねらせることしか出来なくなった彼女が、泣きながら喘ぐ。簡単に導くことはせずに焦らしに焦らし、連続してオーガズムを味合わせる。
挿入と同時に呻き声を上げ、爪を立てて掴まれていた腕から彼女の力が抜けていく。彼女も大人の女性らしく懐の深さを見せて、受け入れた拓也を包み込みながら彼の背中に手の平を這わせる。
恍惚としながら拓也の背中を彷徨わせる手が彼のお尻に添えられ、拓也の腰の上下させる動きと一緒に動く。熱にうなされたように顔をゆらゆらと揺らし、舌舐めずりをして見せた口を不意に開けて浮かせた背中を着地させると静かになってしまった。
彼女との交わりは休むことなく1時間以上も続けられ、数回のオーガズムを堪能した彼女は腰を打ち下ろして拓也を貪り食い、ついにその身体の中に精液を飲み込んだ。
拓也の虜となった彼女もプライベートで逢瀬を重ね、彼はベッドの上で本気を出さなければならなかった。
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