まずは振動の弱だ
・・・・
あれ反応がない
横目で愛華を見てもすましたまま風景を見ているようだ
なら伸縮の弱も追加だ
・・・・
反応が無いかと思ったが愛華が身震いした
「ねえ だい君 ちょっとあれが勝手に動きだしたっぽいんだけど」
「車の振動なんじゃね」
「そんなわけないよ 初めは振動かと思ったけど。実際タクシーに乗った時良いところに当たって声でそうだったし」
こいつかなり感じやすいんだな
「今はなんだか良いところ定期的に当たるようになったし」
「今も声でそうなの我慢してるんだからね」
「ふーん 気分高まっていいんじゃね」
「そうだけど まだ家じゃないし」
俺は愛華のうるうるとして大きな瞳から目を離さずにブラインドタッチで振動を強に上げてやった
「アツアツアアア」「ちょっと無理無理」
「何が無理なんだ?」
「アツアア 振動が・・・」
タクシーの振動だろ
「違う、違う」
首をブンブンと横に振りながら訴えた
「バイブの振動が・・・」
「ドーロノイズが大きくて聞こえないぞ」
「アツ バイブの・・・振動が・・・キモチ・・・」
「ちょっとお客さん 変な事車内でしないでくださいよ」
流石に運ちゃんにも聞こえてたか
「すみません もう大丈夫ですんで」
俺は愛想笑いしながら酔っぱらいの戯言で済まそうとした
「ほら 運転手さんも言ってるからふざけるのはやめろよ」
「・・・・ハイ・・・・・・スミマセン」
「チ」
舌打ちって
流石にふざけすぎたみたいだな
おればバイブの振動と旬縮が弱になっている事を確認しながら愛華へ視線をうつした
「フーフー」
まだ感じてるのか?両手で顔を抑えながら必死に感じまいと我慢している愛華を見て少しムラムラしてしまった
「さあ付いたから降りるぞ」
「ハイ・・・」
俺は先にタクシーから降り愛華にそっと手を差し出した
「ありがと」
愛華は両手で俺の右手につかまり力強く引き寄せた
「アツ」
「何声出してるんだよ」
「だって気持ちよくて・・・」
「早く降りるぞ」
「あーーーーほんとダメだって」
来た道を引き返すタクシーを見送りながらタクシー内での愛華の仕草を一人振り返っていたため愛華の訴えに生返事を返していた。
縁石に腰を落としていた愛華が
「ねえ 聞いてるの」「はやく電源切ってよ」
「ああ わるいわるい」俺はバイブのスイッチをOFFにしながら答えた。
「お前かなり感じやすいんだな。タクシーの中で声まで出すとは思わなかったよ」
「あぶなかった・・・」
「ちょっと 馬鹿じゃない 恥ずかしかったんだからね」
「ははは」
「何笑ってるのよ。こっちは必死だったんだから」
「それで なんでここに来たんだよ」
「海ってなんだか癒されない?好きなんだよね」
「まあそうだけど」
結婚していた頃には何度か家族で来たことがある。
思い出すと少し感傷的になってしまうな・・・
「ねえ 行こ」
俺は愛華の後を追いかけた。
「流石にこの時期じゃ誰もいないね」
「まだ少し冷えるしな」
「ねえ お願い有るんだけど」
愛華が俺の腕にまとわりつきながら言った
「なんだよ あんまり絡みつくな」
「いいじゃん ねえ」
???
「なんだか嫌な予感がするぞ」
「えへ またスイッチ入れて欲しい」
今度は恥かしげもなく上目使いで訴えてくる
「お前 やっぱ変態の素質有るな」
「だってさっきは声も我慢したし、それに恥ずかしくて変なスイッチ入っちゃった」
「後でサービスするからさ~」
「サービスって何してくれるんだ?」
俺は分かり切った事を聞き返してた。この後はお互いの肉体をむさぼる事になるんだろう・・・
だがほんの少しだけ残った理性がブレーキを掛けた。ほんの一かけらだった理性が雪だるま式に膨れ上がり、俺の頭の中を支配するのはほんの数秒であった。
「何してくれるんだ?」
「エッチな事してあげる」
ニマニマと当然断られるなんて思ってもない。自分の体を差し出せば男は喜んでむさぼりついてくると信じ込んでいる。
若い時から男にちやほやされた結果、こいつの中身はいまだにオタサーの姫なんだろう。
確かにルックスは、学生時代ならクラスで2番目か3番目に可愛いとされる部類だな。
人懐っこい性格、大きな瞳、子供を産んでいるのにスリムな体系。
実際以前所属していた会社でも男性職員からの人気は高かったと記憶している。
当時の俺は妻一筋だった。こいつがどう思っていたかは分からないが自分になびかない俺に腹でもたてていたんだろう。だからかは分からないが、俺が出す指示にも必死でくらいついてきた。見返したい気持でもあったのかもしれない。
その結果一定の成果を上げおれの信用を勝ち取ったわけだが・・・
そうなってからは男女抜きして良い関係を継続してしる。そんな愛華からお誘いを受けたわけだが、俺はこいつの事を信用の出来る友人とも思っていた。だがこいつは俺の事をどこかのタイミングで落としてやろうと野心を燃やしていたのだ。離婚し傷心している現在こいつにとって絶好の機会だ。
そうとなれば俺も考えを変えてやる。信頼の出来る元部下で気を許せる友人ではなく、俺の傷心をいやす雌としてのしつけをしてやる。
「やだ」
「え・・・」
「なんで?・・・」
「さあ行くぞ」
俺は来た道をもどりだした。
あいつはとぼとぼと俺の後をついてくる。振り返る事は無いため、どんな表情をしているかは分からないが、長年の付き合いから泣きそうな顔をしているか、怒りをあらわにしているかのどちらかだな。
「ごめんなさい。変な事いっちゃって」
おっと、どちらでもなかった。
「なんだ?反省でもしたのか?」
「うん ごめんなさい。酔ってるとはいえ調子にのっちゃった。傷つけるような事しちゃったかな?」
「ああ 俺の状況を分かったうえでの行動だよな」
「実際お前についての認識を改めなおした所だ」
「ごめんなさい・・・」
「まあいい。少しでも反省したならあそこの自販機で珈琲でも買ってこい」
「ハイ」
あいつは小走りになりながら自販機に向かった。
鞄から財布を取り出そうとしたとき、愛華は地べたに座り込ビクンビクンと体を震わせていた。
俺はスマフォを取り出し遠隔バイブのアプリを立ち上げていた。
さあ俺の傷ついた心のリハビリに付き合ってもらうぞ。さっきの続きだ、バイブは弱、伸縮は強だ。
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