「え・・・」
「普通の本屋じゃん。期待して損したよ」
大抵の女性、ちがうな。アダルトショプに来たことない、興味の無い人間からすると内部がどのようになっているかは想像さえしたことない事だろう。
しかし愛華は相当のスケベだ。イメージの中では入店早々ストリップさながらの光景が目に飛び組んでくるものだと勝手なイメージを膨らませていたようだ。
「ばかやろう」
「未成年が間違って入ってきたらやばいだろう。だからそういう区画を区切ってるんだ」
「レジの横に怪しいのれんが有るだろ。あの奥が本命だ」
「ほんとだ。18禁って書いてる」(笑)
「早くいこー」
愛華は恥ずかしげもなく堂々と18禁の暖簾を潜っていく。
「すご」
俺も初めて来たとき、目に映る全てがアダルト用品な景色をみて度肝抜かれたことを思い出した。
「確かに威容な雰囲気だよなー」
「これ凄い。超でかいよ」
愛華が両手で持っているのは一体だれがこんなの使うのかってぐらいのエグイディルトだ。
「それが欲しかったのか?」
「ふふふ」「流石に入らないよ」
「ローションもいっぱいある。見てアナル用ローションだって」
「おまえ・・・そんな大声でよくもまあ・・・」
「だい君」
奥の方まで一人で物色していた愛華が急に戻って来た。
「どうした。そんな小声で」
「人が居た」
なんじゃそりゃ あんなに堂々としてたのに急に怖気づいたのか?
「あほか。そりゃ誰かしろ居るだろ。客が俺たち二人ってわけないだろ。この地域ではアダルトショップの老舗だぞ」
「違うの・・・」
「カップルが居たの」
「え!!」
「俺たちも人から見るとカップルみたいな物だろ」
「え!!!」
「本当だ」
満面の笑顔でこいつは一体何を考えてたんだ。
だがその後、さっきまでの威勢の良さが急激に下がっているのが明らかだった。
「なんだよ。さっきまであんなに大声ではしゃいでたのに。一体どうした?」
「うん」「ちょっとね」
俺がアダルトグッツを物色している横で袖を引きながらなんだかモジモジしている。
「いったいどうしたんだよ。愛華らしくないぞ」
「・・・」
「じつはね」
「さっきカップルいたじゃん。女性と目が合ったんだよ。」
「それで?」
「うん。私ね、この人これからエッチな道具で彼氏さんに色々されるんだって思ったの」
「そしたらね、相手も私の事をね、同じようにエッチな道具で色々されるんだろうなって思ってるんじゃないかって考えたの・・・」
「そしたらすごく恥ずかしくなっちゃって」
「はーーーー」
なんだそれ
「ブッ」
「なんで笑うのよ」
「なんかお前の事初めて可愛いなって思ったよ」
「もう 馬鹿にしてるでしょ」
「欲しい物あるんだろ?早く買って帰ろうぜ」
「う~ん」
さっきから俺の袖をつまんだまま離さない愛華に
「欲しい物あるんだろ?あまり高い物はだめだけどな。買ってやるから早く帰ろうぜ。恥ずかしいんだろ」
それでもまだモジモジとする愛華に
「今日の事は俺と愛華の二人の秘密だから恥ずかしがらずに欲しい物言ってみろ。俺が買ってきてやるから」
その言葉にやっと小さな声で言葉をはっした。
「遠隔系・・・」
中々マニアックな趣味してるな。まあ男性経験はかなり豊富だからな。過去にそんな趣味の男でもいたんだろう。
そいつに結構開発されてるんだろうな。
「じゃあ俺の趣味で適当に買うからな。お前は先に外に出て待ってろ。」
「一人でいるのが恥ずかしいから一緒に買いに行く」
「分かった分かった」「これならスマホで操作出来るタイプだからカズ君と楽しめそうだな」
「うん」
本当にさっきまでの威勢はどこに行った。
「タクシー来るの1時間後だって」
「うん ありがとう」
清算を終えた俺たちは隣のコンビニのイートインスペースでタクシーの到着をまっていた。
「さっき買ったやつだけどな。」
俺はレジ袋から遠隔バイブを取り出した
「ちょっとまって。ここコンビニだよ。誰か来るか分からないよ」
「もう今更だろ。それにこんな時間に誰もこねーよ」
「それに楽しみなんだろ、これ使うの。使い方分からないと困るだろからある程度だけど教えてやるよ」
「え!」目線を外し外に出る客
まあそんな反応になるよな
遠隔バイブを操作して楽しむ俺たちを見てコンビニに来た数人の客は皆同じ反応をした
「すごい。このアプリで操作するんだ」
遠隔バイブを持ちスマホで操作し楽しむ愛華はせっかく買ったストロング系酎ハイに殆ど口を付けずに楽しんでるみたいだ。
さっきまでのしおらしさは何だったんだ
「大体わかったか?アプリもラインで送っておくから帰ったら自分でインストールしろよ」
「わかった」
俺はスマホを操作しながらバイブの振動、伸縮を変化させてみた
「ははは えろーい」
「ちょっと止めてトイレ行ってくる」
そそくさとトイレに行く愛華をみて俺は絶句した
バイブを持っている。トイレで一人でするつもりなのか?
「お待たせ」
「・・・」
「お前バイブ持ってないけどまさか」
「うん 入れてきた」
流石に経験値高いだけあり変なところで度胸有るな
「入れるとき声出そうでがまんした(笑)」
「おまえの喘ぎ声想像しちまったじゃないか」
「もしかして私の事エッチな目で見そうになった?」
「お前さ・・・その言い回しって俺に誘われたいって取るぞ」
「ちがうよ~私にはカズ君がいるし」「このまま気分を高めてから帰って一人で楽しむんだよ」
ちょっと俺も自意識過剰だったか。
呼び寄せたタクシーに乗り自宅のおおよその場所を運転手に伝えようとしたとき
「〇〇方面に行ってください」
「なんだよ 家じゃないのか?そんな所いっても何もないぞ」
「いいから ちょっと海見たい気分」
愛華が指定した場所は県内では1番大きな砂浜が有り、夏場なら深夜でも地元のDQNが花火したり、カップルがイチャイチャするよな場所だった
「なんだか俺さっきから愛華に振り回されてない?」
「えへ 今日はだい君を励ます会だからね もう少し付き合ってよ」
これだけ振り回されるんだったら少し仕返ししてやろうと俺の中の悪魔がささやいた
俺はスマホを見るふりをしてさっきインストールしたアプリを立ちあげた。
さあどんな反応するか
※元投稿はこちら >>