ミナミはよく笑った。
「男子ってそんなことしてたんだ、、、おもしろいね、、、」
「基本、男は単純だからな、、、俺も今でもそうだ、、、」
「へぇ~、意外だな、、、川島くんはなんだか屈折してる感じがしてだけど、、、」
「屈折とか言うな!人を変態みたいに、、、」
「ええっ、、、変態じゃないの?」
「ちゃう、ちゃう、、、もっと包め、オブラートに包んで包みまくって言え!」
お腹を抱えてミナミが笑ってる。
こんなにくだけたミナミを見たことはない。
「しかし、和泉のヤツ、、、皆には愛想良かったくせに、俺だけには違ったんだよな、、、」
「うん、、、実は、わたしもそう思ってた、、、」
「俺は何もしてないぜ、、、アイツ訳分かんないよ、、、」
「うーん、、、わたしも、、、分からない、、、かな、、、それにしても川島くんとハルミって、アツアツだったよね、、、」
「そうか?お前たちだって、、、」
ミナミはなぜか遠くを見るような目をしていた。
「わたしたちは、、、ちょっと違うかな、、、」
「何が違うんだ?」
「小さい頃からずっとそばにいて、、、それが当たり前になって、周りも二人が付き合うのが当然と思ってたし、、、」
「そういうもの、、かな、、、」
「それにリクヤはいつも言ってた、、俺にとって一番の恋人でいろ、一番の妻になれ、一番の母親じゃないとダメだ、、、ずっと求められてた、、、今でもそう、、、」
「アイツ、、、疲れるヤツだな、、、俺だったら板橋がいるだけで十分満足だけどな、、、」
「えっ、、、」
ハッとした表情でミナミが見つめてくる。
「あっ、、、違うんだ、、、その、俺が和泉の立場だったら、そうかなって、、、深い意味じゃない、安心してくれ、、、」
本当はそれなりに深い意味だったりする、、、
「そ、そうだよね、、、分かってる、、、でもさ、、、どうしてなのかな、、、昔から川島くんと話してると、なぜかホッとするんだよね、、、」
「俺はドキドキするぞ、、、」
「またまた、、、ウソばっかり、、、」
二人は笑った。
ウソではない、、、
本当にドキドキしてる、、、
楽しい時間はあっという間に過ぎていくものだ。
「もうそろそろ時間じゃないのか?」
「そうだね、、、」
急にミナミの表情が萎んだ気がした。
抱きしめたくなる、、、
外に出て二人で歩く。
「久しぶりにすごく楽しかった、、、ありがとうね、、、」
「ううん、、、俺のほうこそ楽しかったよ、、、」
いきなりミナミが立ち止まった。
俯いたまま声を振り絞る。
「わたし、もっと川島くんと話したい、、、また逢いたい、、、ダメかな?」
「ダメじゃないよ、、、俺もそう思ってたんだ、、、」
二人の視線が絡み合った。
つづく
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