大学で就職の準備に入った頃、ヤマトと食事をする機会があった。
「なぁ、レナ、、、うちの会社に入る気はないか?」
「えっ、、、それは入りたいけど、、、無理だよ、わたしなんて、、、」
「そんなことない、、、レナなら間違いない、、、その気があるんだったら受けてみないか?」
「うん、、、そこまで言ってくれるんだったら考えてみる、、、」
けれど心は決まっていた。
次に逢ったとき、ハッキリと伝えた、、、
「わたし受けてみる、、、できるだけ頑張ってみる、、、」
受けるのは一社じゃない。
他の会社ももちろん受ける。
でも絶対にヤマトの会社に入りたい。
「そうか、嬉しいよ、、、レナ、ありがとう、、、」
本当にヤマトは嬉しそうだった。
「なんかヘンだよ、、、ありがとうって、、、」
「そうだな、、、ゴメン、、、レナのこと本当の娘だと思っるから、、、うちに来てくれたらいいなって、、、」
「人事部長がそんなこと言ってもいいのかな?」
「レナには敵わないな、、、分かった、以後気をつける、、、」
「わたしは絶対実力で入社するから、、、ヤマトさん、分かってるよね、、、」
ヤマトは事実上、人事のトップだ。
新人の一人や二人、どうにでもなる。
「そういうのイヤだから、、、余計なことしたら他の会社に行くからね、、、」
「ハイハイ分かってます、、、でも、今のレナの言葉を聞いたら、俺は内定を出す、、、」
「だから、それがイヤなの、、、」
「分かってる、、、とにかく頑張れ、、、実力でレナが入社出来ると俺は信じてる。」
「うん、ヤマトさんがそう言ってくれると頑張れる、、、でも本当に大丈夫かな、、、」
「なにが?」
「ほら、良くありがちな、、、ヤマトさんがわたしを、、、入社させてやるから、バージンを捧げろとか?」
「バカなこと言うんじゃない、、、そんなこと、言うわけないだろう。」
「冗談なのに、ヤマトさんムキになって可愛い、、、」
「そういう冗談はだめだ、、、もし他の会社で言われたら、すぐに俺に言え、、、俺が何とかする。」
こんなにわたしを思っくれる、、、、
ジーンと温かい気持ちになる、、、
「うん、分かった、、、でも、、、ヤマトさんだったら、、、いいよ、、、」
「えっ?」
「フフッ、冗談だよ、、、」
「だから、、、」
二人は吹き出した。
そして無事レナの入社が決まった。
つづく
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