久しぶりにヤマトと逢った。
一年以上も逢っていないヤマトは見た目も変わりなく優しい笑顔で迎えてくれた。
なぜだかそんなヤマトを見た瞬間に涙溢れてきた。
そして人目も気にせず抱きついてしまった。
「レナちゃん、どうしたの?何かあったの?」
驚かせてしまったけど優しく受けとめてくれた。
「わたしのせいなの?わたしがいるからお母さんと別れたの?」
「それは違うよ、それは絶対に違う、、、俺はレナちゃんのお父さんに本当になりたかった、、、」
「じゃあどうして?」
「俺が悪かったんだ、、、全部、、、レナちゃんのせいでもお母さんのせいでもない、、、」
辛そうにヤマトが応える。
ヤマトはウソをついてる。
きっと母が何かをしたんだ、、、
ヤマトを傷つけるようなことを、、、
母の態度、、、
全てが思い当たる。
おそらく、だからこそヤマトにいくら尋ねても本当のことを応えてくれることは絶対無い、、、
これ以上応えを求めてはいけない、、、
二人を今以上に傷つけることになる。
レナはハッキリと悟った。
渡されたハンカチで涙を拭いた。
周りが見てる。
「ごめんなさい、、、わたしが泣いたりしたから、、、」
「そんなこと気にしなくていい、、、レナちゃんがそれだけ優しい子だという証拠だ、、、俺のことで泣いてくれるなんて、、、すごく嬉しいかったよ、、、」
ヤマトの方こそ優し過ぎるよ、、、
また泣いちゃうよ、、、
「あの、、、優しい子って、、、わたし子供じゃないですけど、、、」
「あっ、ごめん、、、本当にゴメン、、、」
そう言うと眩しそうにレナを見つめてくる。
「本当にキレイになったな、、、うん、大人になった、、、」
「そうだよ、、、胸だってEカップになったんだから、、、」
「えっ、、、」
胸を突き出し見せつける。
ヤマトは目を見張ったが、すぐに視線を反らした。
「ああっ、、、ヤマトさん、わたしのオッパイ見てた、、、」
「見てない、、、」
「ウソつき、、、ヤマトさんのエッチ、、、」
「ううっ、、、」
可愛い、、、もっと見ていいに、、、
「レナちゃん、でも女の子がそんなことしたらだめだ、、、」
「ゴメンなさい、、、でも他の人にはしないから、、、ヤマトさんだけ、、、」
「ええっ、、、いや、それもダメ、、、」
「ああっ、今嬉しそうな顔したよね?」
「してない、、、」
「してた!」
「してない!」
思わず二人は吹き出してしまい、笑ってしまう。
「ねぇ、わたしパフェ食べたい、、、」
「よし、行くか、、、」
わたし達、やっぱ気が合う。
こんな感じ、すごくイイ、、、
二人でカフェに入る。
たくさん話をした。
イッパイ笑った。
愉しくて仕方がない。
時間があっという間に過ぎていく。
時々逢う約束をした。
そして何かがあったら、困ったことがあったら遠慮しないで相談することを約束させられた。
それはレナだけで無く母のミナミを含めて、、、
そして二人が逢っていることも連絡を取り合うことも母には絶対に言わないことを約束した。
二人の関係は途切れることなく続いた。
逢ったときはいろんな場所に遊びに行った。
まるで本当の親子みたいに、、、
何でも相談に乗ってくれた。
いつも優しく一緒に考えてくれた。
でも優しいだけではない、わたしが悪いときにはちゃんと叱ってくれた。
なによと思うときもあったけど、よく考えるとわたしが悪い。
そんなときには後で素直に謝った。
そしてたまにヤマトが間違えたときは、ずっと年下のわたしにちゃんと謝ってくれる。
ああ、、、ヤマトがお父さんだったらな、、、いやお兄さんでも、、、いや、、、恋人でも、、、いい、、、かも、、、
そんなヤマトは必ず、そしてさりげなく母のことを聞いてくる、、、
やっぱり心配なんだ、、、きっとまだ、、、
日に日にヤマトの存在がレナの中で大きくなっていく。
つづく
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