もう夕方を過ぎていた。
互いに裸のまま。
リョウタに縋り付くようにユウカが眠っている。
一瞬起こそうとして思いとどまり静かにベッドを降りる。
服を着て、一通り周りを片付ける。
スヤスヤと眠るあどけない寝顔、、、
俺がイッパイしちゃったから、疲れたんだよな、、、
長い願いが叶い、自分を抑えきれずに何度も求めてしまった。
「ゴメンな、、、」
優しく髪を撫でる。
でも、、、こんなに可愛い顔をして、あんなに乱れてくれた。
まるで、、、あの人妻のように、、、
益々ユウカに惹かれている自分を意識する。
でも今日限りの約束だ、、、守らないと、、、
大好きなオンナに迷惑はかけたくない。
「リョウタ、、、ムニュムニュ、、、」
寝言か、、、こいつ、やっぱ可愛いな、、、
そっと頬に口づけする。
「ユウカ、大好きだよ、、、」
リョウタは枕元に書き置きを残し、あることをすると部屋を出た。
ユウカは目を覚ました。
まだ頭がとろんとしてる。
あれ、、、リョウタは、、、
ふと書き置きに気づく。
良く寝ていたので起こさずに帰ります。
ご両親が帰ってきたら日詰に迷惑かけるから。
それにゴメン。
日詰のことが好き過ぎていっぱいしてしまって。
疲れたよな?
本当にゴメン。
約束通り今日限りにする。
だから安心してくれ。
誰にも言わないし馴れ馴れしくしたりしない。
最高の思い出だ。
本当にありがとう。
ええっ、、、そんな、、、
ユウカは呆然とした。
本当に今日限りなの、、、
確かにそういう約束だったけど、、、
そんなのイヤだ、、、
あんなにすごく、、、求め合って、、、
もう、、、流れってものもあるじゃない、、、
慌ててリョウタに連絡しようとして思いとどまる。
ひょっとして、、、わたしにあきれたのかも、、、
あんなにはしたなく乱れたわたしに、、、
だって、、、あんなに良かったの、、、初めてだったから、、、他の人と全然違ったから、、、我を忘れて、、、
エッチいこともイッパイ言った、、、と思う、、、
慣れてるいやらしいオンナと呆れられたのかも、、、
リョウタの思ってたわたしと全然違うって、、、嫌われちゃったのかも、、、
リョウタは優しいから、、、本当のこと言えなくて、、、
怖くなった。
電話することが出来なかった。
翌日学校へ行くと、下駄箱のところで偶然リョウタと出くわした。
「日詰、おはよう!」
「うん、、、おはよう、、、」
顔が赤くなる。
リョウタはいつもの優しい笑顔、、、
ああ~行っちゃうよ、、、
これ、、、ベッドの中でも言ったやつ、、、
それにしてもカラダを重ねた馴れ馴れしさを微塵も感じさせない。
そうだよね、、、リョウタはそんなヤツじゃない、、、
でも、、、寂しいよ、、、
昨日のお前、最高だったぜ
それぐらい言ってくれ、、、
リョウタのことばかり考えてる。
気が付けばリョウタを探してる。
そんなある日。
ふと自販機の横でリョウタが女子と話してるのが目にとまった。
相手は阿部ノゾミ。
小柄だがメガネ美人。
クラス委員でユウカとも仲が良い。
そんなノゾミが楽しそうにリョウタと話してる。
ちなみに成績はノゾミが学年トップ。
リョウタは3位。
わたしはせいぜい20位前後。
真面目なノゾミの方がリョウタにお似合いなのかな、、、
でも、、、
あっ、、、ノゾミのやつ、、、リョウタの腕にタッチした、、、
えっ、、、オッパイも押し付けて、、、どこが真面目よ、、、
ノゾミは大きい、、、
わたしといい勝負、、、
だめでしょう、、、ていうか、、、イヤだ、、、
嫉妬にかられ思わず近づいて行く。
「ノゾミ、どうしたの?」
「あのね、、、五代くんてすごくおかしいんだよ、、、」
「それは阿部さんの方でしょう、、、じゃあね、、、」
「うん、、、五代くん、またね、、、」
リョウタが行ってしまう。
それをじっと見送るノゾミ、、、
それって、、、モロじゃん、、、
「何話てたの?」
気になって聞いてしまう。
「うん、、、あのね、、、実は五代くん、アリサと付き合ってないんだよ、、、」
「どうして、、、」
「アリサに彼氏ができたって噂があって、、、五代くんに聞いたら、アリサとはただの幼馴染だって、、、」
「そうだったの、、、」
アリサに彼氏が、、、
本当だろうか、、、
てっきりアリサはリョウタのことが好きだと思ってたけど、、、
「だから、これはチャンス、、、わたしずっといいなって思ってたし、、、五代くんにアタックする、、、」
「やっぱり、、、」
二人が付き合ってないことが知れ渡れば、絶対にノゾミみたいな子が増えてくる。
ノゾミみたいに可愛いくてバージンという武器を持った女の子たちが、、、
取られちゃう、、、リョウタを他の子に取られちゃうよ、、、
そんなの絶対にイヤだ、、、
もうウジウジなんてしてる場合じゃない。
メールで放課後、リョウタを呼び出した。
つづく
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