ある日の放課後。
ノゾミに声をかけられカフェで話を聞く事になった。
「なんだよ、話って、、、」
「ユウカのことなの、、、」
ノゾミは深刻な表情で切り出した。
「そういえば、、、あいつ休んでるよな、、、」
「ケガをしたの、、、腕と脚を骨折して、、、顔にも痣ができてる、、、入院してるわ、、、」
「ケガって、、、どうして、、、」
「付き合ってる男に暴行されたの、、、昨日、わたし一人でお見舞いに行ってきたんだ、、、」
どうしてそんなことに、、、
付き合ってる男って、、、まさか、あの薬田なのか、、、
あれからも関係を続けていたのか、、、
何の反省も無かったんだな、、、ユウカには、、、
「男は薬田という会社員よ、、、」
やはりな、、、
「はじめは優しくて、それなりにうまくいってたみたい、、、でも、しばらくするうちにおかしくなってきたんだって、、、」
そうだろうな、、、
やつがまともなはずがない、、、
「気に食わないことがあると怒鳴り散らすし、すごいヤキモチ焼きで、ユウカが少しでも考え事をしてると、まだアイツが忘れられないのかと言って暴力を振るうようになったんだって、、、」
リョウタは呆然とした。
「それってDVだろう、、、」
「ユウカはすぐに別れようとしたけど、、、怖くて言い出せなくて、、、暴力を振るわれてるときも、いつも、、、いつか五代くんが助けにきてくれるって耐えていたんだって、、、」
「なんだよ、、、それ、、、」
浮気したオンナが間男とくっついて元カレが助けにくる、、、
本気でそんなこと、、、
「わたしも呆れたわ、、、でもそれだけじゃないの、、、
薬田の友人が二人のそんな関係を知って相談に乗ってくれて、、、そのうちにその男とカラダを重ねるようになって、、、あやしんだ薬田がホテルの前で待ち伏せしてたんだって、、、」
「何をやってるんだ、、、アイツは、、、」
「ホテルを出てきたところをいきなり襲ってきて男をボコボコにして、ユウカにも暴行を、、、通行人が警察に通報して大騒ぎになったんだって、、、薬田は逮捕された、、、」
呆れてものも言えない、、、
「それでね、、、薬田に殴られながら、男がユウカに誘惑されたんだ、騙されたんだって泣いて謝ってたんだって、、、」
どうしていつも、ユウカはどうしょうもない男と、、、
「哀れだな、、、」
「わたしも、、、そう思う、、、」
だから俺は、、、あの男はクズだと言ったんだ、、、
あのときだったら、まだヤツと縁が切れたはずだ、、、
「ユウカ、、、ずっと泣いてた、、、リョウタに逢いたいって、、、何度も何度も言って、、、」
「、、、、」
「逢ってあげれば、、、」
「いや、、、逢わない、、、俺は忠告した、、、それなのにユウカはあの男を選んだ、、、だから逢うべきじゃない、、、そう思う、、、」
「そうだね、、、」
カフェを出て気まずい思いを残したまま二人は別れた。
ユウカは俺にとって最高のオンナだと思った日もあった、、、
それは完全に、間違いだった。
おそらく、、、これからもそんな女と巡り合うことなんて無いのだろう、、、
それでいい、、、
リョウタは歩き始めた。
終わり
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